レッドブルに出し抜かれてしまった。日本時間の9時51分にレッドブルがセバスチャン・ベッテルの離脱を発表したからだ。30分後にレッドブルのガレージ裏で行われたクリスチャン・ホーナー代表の会見で、同時にベッテルがフェラーリに移籍することも認めた。

 レッドブルが自分たちの決定を自分たちで発表したのだから、「出し抜かれた」という表現は正しくないのは重々承知だが、じつはこの情報は金曜日の夜につかんでいたから、ついそういう表現を使用してしまった。じつは先ほどの「GP直送」でお伝えした「アロンソのフェラーリ離脱」という情報を教えてくれたイタリア人ジャーナリストは、「ベッテルのフェラーリ入り」とともに「クビアトのレッドブル入り」も母国へのニュースとして配信していたからである。

 彼によれば、最終的に決定したのは金曜日の夕方だったという。ベッテルがホーナーの元を訪れ、「フェラーリで新しいチャレンジをしたい」と願い出たという。ベッテルにはマネージャーがいない。つまり、ベッテルはその決定を自ら下したわけだ。

 そうなると、気になるのはフェラーリの動きだが、現時点ではフェラーリ周辺に動きはない。ただし、フェラーリのスポークスマンは「週末は何も発表しない」と来週以降、何らかの発表を行うことを臭わせていた。もちろん、それはアロンソの離脱であり、その行き先はマクラーレンしかない。

 土曜日の午前中、ホンダの新井康久氏(本田技術研究所取締役専務執行役員四輪レース担当)が、たったひとりでマクラーレンのホスピタリティハウスに入っていった。これまで、ホンダの関係者は今年までメルセデスとの契約があるマクラーレンへのパドックでの接触を遠慮していただけに、ベッテルの離脱発表後、鈴鹿で行われた新井総責任者とロン・デニスとの会見はかなり重要な何かについて話し合いが持たれた可能性が考えられる。

 これでほぼアロンソのマクラーレン入りは確定した。あとはそのチームメイトがジェンソン・バトンなのかケビン・マグヌッセンなのかである。ちなみに、ベッテル離脱のニュースをつかんでいたイタリア人ジャーナリストは、「クビアトの後釜にはカルロス・サインツJrが座る」という。

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