BMW Motorsport
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GSR & Studie with TeamUKYO

JAF Grand Prix
FUJI SPRINT CUP 2013

DRIVER 谷口信輝 片岡龍也

第1レースリタイア・第2レース3位表彰台獲得。

 2013年11月23日・24日の2日間、JAF Grand Prix FUJI SPRINT CUP 2013が開催された。シーズンを締めくくる最終戦を4位完走、シリーズランキングは3位で終えた4号車は、2013年の有終の美を飾るべく、FUJI SPEEDWAYに向かった。

11月23日(土)
第1・第2レース予選/第1レース決勝

 初日は、2013年を締めくくるに相応しく、清々しい青空の下スタート。

 今シーズンのJAF GPは2 DAY開催の為、SUPER GTは土曜日に第1・第2レースの予選と第1レース決勝を実施、日曜日にレジェンドカップとSUPER GTの第2レース決勝が開催される日程となった。今回のFUJI SPRINT CUPはこれまでのシリーズ戦と違い、ドライバー交代とPIT作業を必要とせず、100Kmのレースディスタンスで行われる一戦。A/Bドライバーはそれぞれ第1・第2レースに出走する。

第1レース公式予選
 片岡選手が出走する第1レースの予選は、定刻どおり8:05スタート。最終コーナー側2番PITを後にしたマシンは、隊列の後方からコースへと向かった。

 片岡選手はアウトラップ直後の計測1周目からアタック開始。まずは6番手のタイムを計測し、続く計測2周目はその時点の7番手となる1'40.141を記録して、タイヤ交換の為にマシンをPITへ戻した。

 タイヤ交換を終えた4号車は、アウトラップ直後に続く計測3周目から再びアタックを開始。続く計測4周目には4号車のこのセッションのベストラップ1'38.750を記録し、一旦16番手まで後退したポジションを再び7番手とするが、その後の周回ではベストを更新するには至らず、10番手のポジションで予選を終えた。

第2レース公式予選
 第2レースは谷口選手が担当。チームは第1レースの予選と同様、予選開始と同時にマシンをコースへ送り出した。

 谷口選手は第1レース予選時の片岡選手と同様に、アウトラップ直後からアタックを開始。計測1周目で8番手タイムを記録すると、続く計測2周目はその時点での2番手タイムとなる1'38.893を計測。続く計測3周 目もベストを更新するが、ポジションアップには至らず、マシンを一旦PITに戻した。

 タイヤ交換を実施した谷口選手は、アウトラップから1周おいて計測6周目から再びアタックを開始。1'37.965でその時点での5番手に浮上した。4号車はその後も走行を続けたが、ベストタイムの更新には至らず、8番手のポジションで第2レースの予選を終えた。

第1レース決勝
 FUJI SPRINT CUPの第1レースは14:05に定刻通り開始。このレースはシリーズ戦と異なりスタンディング スタートの為、フォーメーションラップを終えたマシンの隊列は、グリッドへ着き決勝スタートの時を待った。

 シグナルオールブラック。

 10番グリッドからスタートダッシュを決めた片岡選手は、1コーナー飛び込みで左フロントを接触するも、大きくポジションアップ。6番手で1コーナーをクリアするが、今度はBコーナーで左リアを接触してしまう。

 しかし、その後のダンロップコーナーでは更に順位を上げ、4号車は最終コーナーを5番手で立ち上がる。片岡選手は5番手ポジションのまま、1周目のコントロールラインを通過。幸先の良いスタートに、第1レースはこのまま進んで行くかと思われたが、4号車はその直後、スピードが大きく勝るライバルにオーバーテイクを許してしまい、ポジションを7番手へと下げてしまった。

 片岡選手はその後も力走。2周目のストレートで再び順位を一つ落とし8番手になってしまうものの、その後はオーバーテイクを許さず、ポジションキープで4号車のレースは進んで行った。

 が、1周目の接触で左フロント足回りにダメージを負ったマシンは、この頃から挙動に不安定さを見せ始める。片岡選手はマシンのフィーリングに注意しながら周回数を重ねたが、5周目走行中にこのままのレース続行は不可能と判断。

 最終コーナーを立ち上がるとPITに向かい、4号車は第1レースをリタイアで終えた。

11月24日(日) 第2レース決勝
 今シーズン最後のレースとなるFUJI SPRINT CUP二日目も天候は快晴。雲一つない青空の下、一日のプログラムがスタートした。

この日は第2レース決勝に先立って、往年の名ドライバーが出場するSPRINT CUPの名物レース、レジェンドカップも開催。チームからは片山スポーティングディレクターと谷口選手が82号車で出走した。

 レースは片山選手が予選をTOPタイムで通過するも、予選中の速度違反によって決勝は21番グリッドからのスタート。スタートドライバーの谷口選手がオーバーテイクを連発し、レース前半にTOPに浮上すると、片 山選手もポジションを守りきってTOPチェッカーを受け、見事優勝。会場のファンを大いに盛り上げた。

第2レース決勝
 谷口選手がドライブを担当する第2レースも、スケジュールどおり進行。決勝前のフリー走行中に行ったスタート練習では、マシンのローンチコントロールが正常に作動しないトラブルが発生したが、チームはレースに大きな影響は及ぼさないと判断。4号車はコースへ向かった。

 14:05セーフティーカーの先導でフォーメーションラップがスタート。隊列がスターティンググリッドへ再び着くとグリーンフラッグが振られ、第2レースの決勝が幕をあけた。クリーンなスタートを決めた谷口選手は、スタート直後の1コーナーを6番手で通過。先頭集団が混戦を抜け出し、 隊列が整い始めると早くもライバルへの追撃を開始した。

 2周目のコントロールライン通過時点の4号車と前のマシンとのギャップは約0.7秒。ライバルを完全に射程圏内に収めた谷口選手は、迎えた3周目のパナソニックコーナーで5番手のマシンをオーバーテイク。更にTOPのマシンがドライブスルーペナルティーを受けた事で、ポジションを4番手へとあげた。

 谷口選手はその後、ポジションキープでレース序盤を消化。周回数が中盤に差し掛かると、3番手のマシンにあと一歩のところまで迫ったが、同時に後方から追い上げてきたマシンとのギャップもほぼゼロになり、4号車のレースはここで4番手争いに集中せざるを得ない状況となった。

 スピードが勝るライバルとのバトルはその後、ストレ ートで並ばれながらもポジションを譲らない緊迫した展開を続けたが、迎えた12周目の1コーナーで4号車は遂にオーバーテイクを許し5番手に後退。しかし、14周目になるとそれまで2番手を走行していたマシンがマシントラブルでPITへ向かい、4号車はそのポジションを再び4番手へとあげた。

 タイヤマネジメントに長けた谷口選手は、その後もペースを崩す事無く走行。レースも終盤を迎えた18周目になると、ラップタイムを落としていた前方のマシンをダンロップコーナーでオーバーテイクし、4号車は遂に3番手へと浮上した。谷口選手はその後もペースを維持。4番手のマシンも執拗に食い下がるものの、ラストラップまでポジションをキープし、4号車は2013年最後のレースを3位表彰台で終えた。

■鈴木康昭エントラント代表
片岡選手の6周リタイヤというのは、結果だけ見ると褒められたものではないかもしれませんが、富士のスプリントレースという状況の中、攻めた結果のリタイヤだったのでそんなに悲観的にはなっていません。あのまま走っていてもリスクが増えていくだけで順位を上げられなかったと思うし、早いうちに決断したのはさすが片岡選手ですね。
鈴鹿以降、マシンの調子も上がって9月の富士でも優勝できたので、今回もどこまで行けるかなという期待はありましたが、ノーウエイトでこのドライコンディションだとやっぱり厳しかったですね。そんな中、予選が8位だったにもかかわらず3位表彰台をゲットして帰ってきた谷口選手はさすがですよ。シーズンランキングも3位、今年最後のレースも3位、悪くないんじゃないでしょうか(笑)。

■大橋逸夫監督
今回はスプリントレースなので、がつがつ前に出て行かないと、1周目の混乱に飲み込まれて順位を上げられなくなってしまいます。いつものレースと違ってルーティンのピットインもないので、作戦で攻めることもできません。気がついたら後ろのほう、なんてことになりがちなんです。片岡選手がリタイヤしたのは残念ではありますが、あのくらいアグレッシブに攻めないと10番手から順位をあげるのが厳しかったとも言えます。片岡選手はいつもは自分を抑えて走るドライバーなんで、あの序盤の走りは逆に新鮮でしたね。谷口選手と組んで走っているときには見せない走りだったので。
谷口選手のレースに関しては、予選は苦しかったですが、タイヤとマシンのポテンシャルを使い切って、さらに最後まで諦めずにプッシュしたおかげで、最終的に3位まで上がれたんだと思います。1位、2位と比べたら低い位置かもしれませんが、直線の多い富士で、ドライコンディションで3位というのはとても価値があることだと思います。

■片山右京スポーティングディレクター
予選は2人とも普段通りの順位でしたね。いつもQ1をギリギリ通るかの順位ですが、今回もそれは変わらなかった。今回はハンデもないから前に行くことが難しかったですね。片岡選手のリタイヤは残念だったけど、谷口選手の3位は素晴らしかった。スタートがバツグンに良くてタイヤがグリップダウンしてくる頃にはいい位置にいれて、#11に抜かれちゃったのは仕方がないけど、あの位置にいたからこそ#55を抜くことができたワケだし。JAF戦は作戦もなにもないから、ドライバーの意気込みが必要です。谷口選手の勝利への真摯な姿勢はすごいですよ。
僕も出場したレジェンドカップだけど、最初はお祭りイベントだし、気楽に構えてたんです。ポール取ったあとも、盛り上げるためにどんなことしようかと思ってたんだけど、グリッド降格になってから谷口選手が勝つためにあらゆる手段を講じてくれて。「ドライバー交代の練習をしましょう」って言われたり、ベルトにゴム付けたりと、逆にガチな雰囲気になってプレッシャーが出てきちゃって、マジメに走らざるを得なくなった(笑)。ピットでドライバー交代をしたあと、後ろを待ってバトルして盛り上げようかと思ったんですけど、思ったよりブレーキとタイヤがきつくてバトルどころじゃなかった。1位で渡してくれた谷口選手の気持ちに応えるためにも、このままチェッカーを受けなきゃと頑張りましたよ。ましてやすぐ後ろは鈴木亜久里さんでしょ。並んだら目線でやられると思って、必死に逃げ切りました(笑)。ドーナツターンはお約束です。あそこなら安全だし、ヘアピンもグラスタのお客さんも見られると思って。楽しいレースでした。

■谷口信輝選手
スタートが上手く決まって、1周目で#10と#11を抜いて6位で帰ってこれました。その後も#16を抜いて5位になりましたが、最初に#3がフライングしたのが見えていたので、こりゃ実質4位だなと。あとひとつ抜ければ3位だと思っていたら、#11がどんどん追い上げてきて。頑張って抑えようとしたんですけど、ダメでしたね。これで5位に落ちたんですが、#35がトラブルでピットインしてまた4位という展開で。すると#55のペースが落ちてきたので、これはなんとしてでも絶対に抜いてやる!と俄然気合いが入りました。数周にわたって追いかけているうちに、相手の得手不得手な部分がわかってきたので、Bコーナーで行く! と決めて仕掛けました。
Z4は最高速が苦しいので、この富士でいつものように作戦で結果を出すということがかなり困難でした。速さを競うスプリントカップで3位になれたのは非常にうれしい結果でしたね。

■片岡龍也選手
予選もいつも通り苦しくて。しかし、10番手でもレース中はなんとかなるかもしれないという希望に賭けたんです。いざ始まってみると、スタートに成功してオープニングラップで10位から5位にまで上げることができました。ですが、このときに2度ほど接触してて、ハンドルに違和感が出始めました。それが周回を重ねるごとに悪化してきてて、タイヤに傷が入って空気が抜けてる可能性もあったし、順位的な部分も含めてリスクと照らし合わせてリタイヤを選択しました。
シリーズ戦ではないし、スプリントカップというお祭りなので、それほどストレスは溜まってません。いつもならリスクを考えて抑えて走るところを、序盤はガンガン行って気持ちよかったですしね。

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