IRLインディカー・シリーズは4日、2012年からのIZODインディカー・シリーズのシャシー概要を発表し、現在の半分のコストのシャシー製作をダラーラ、デルタ・ウイング、ローラ、スウィフトと協議中であると明らかにした。
2003年以降、インディカー・シリーズのシャシーはダラーラとパノスGフォースが使われてきたが、現在では独占的にダラーラが供給している。IRLでは、2012年のデビューを目標に新たなシャシー製作を4つのコンストラクターと協議。コンストラクターに要求される内容とは、以下の通りだという。
●安全性:新シャシーは、現在IRLが調査している新技術を含め、定めているすべての安全基準を満たさなければならない。
●バトルの増加:新シャシーはトラック上で他車の乱気流に影響されにくく、IZODインディカー・シリーズにふさわしいバトルを生じさせ続けなければならない。
●費用対効果の向上:IRLでは、IZODインディカー・シリーズの参加チームのコストを下げ続けることに取り組んでいる。新シャシーは、その目標を達成する統一小売価格を持っていなければならない。
●アメリカ製であること:新シャシーは、アメリカ国内(インディアナポリス周辺が望ましい)の施設で製作されなければならない。
●車両重量の軽減:空力的に効率が高く、より軽量なシャシーを作らなければならない。
●市販車への関連性:IRLでは、将来の市販車に関連するような、レーストラックで生まれ、市販車に還元できるような革新的なテクノロジーを望む。
●モダンな外観:一瞥して判別がつくような分かりやすい外観と、多くのスポンサーロゴが掲載できるスペースを作る。
●環境への取り組み:IRLは、レースの環境への取り組みにおいて世界をリードしている。リーダーとしての位置を保てるよう新シャシーにも望む。
IRL代表のブライアン・バーンハートは、今回の発表について「我々は昨年来、4つのコンストラクターと協議を進めてきた。新シャシーはインディアナポリスで時速235マイルでクラッシュしてもドライバーと観客を保護し、スーパースピードウェイでもロードコースでも高い性能を発揮しなければならない」と語る。
「我々のドライバーたちは、高いリスクを負いながら戦っている。次世代のマシンは最高の安全性能を持たなければならない。そして、パーツの価格設定とアメリカ国内のネットワークを使用し、通貨の価格変動に左右されないためにも、アメリカ国内での製造を定めた」
これに対し、現在シャシーを供給しているダラーラは、早々に3案のコンセプトモデルを公開。インディアナポリスでのシャシー製造も含め、すべての条件を満たしているという。