IRLはプッシュtoパスシステム(いわゆるオーバーテイクシステム:OTS)を今週末のケンタッキーから導入することを発表した。このシステムは今シーズのレースを面白くするための一連の空力規則の変更とともに導入され、今季残りのシーズンで使用がされることになっている。

 このOTSは、ドライバーが走行中にボタンを押すことで、限られた時間、5〜20馬力のエンジン出力向上が得られる仕組みで、レースごとにパワーアップの時間および使用制限回数の設定がされるという。
 ケンタッキーでは、12秒間のパワーアップが20回行えることとなった。出力アップ幅に関しては、燃料調整によって向上分が変わるが、ピーク値は変わらない。

「リッチ(燃料が濃い状態)で走行中は、元からパワーを絞り出している状態なので、5馬力アップがシステムによって可能。燃料が薄いリーンで走っている時には20馬力アップが可能」とIRLシニアテクニカルディレクターのレス・マクタガルトは説明する。「ドライバーは、パッシングの動作を行っている時にボタンを押すことで、パッシングをしやすくしてくれることになる。チームにしてみれば、戦略の幅が広がることになると思う」。

「チャンプカーのプッシュtoパスシステムのように100馬力のアップができないのは、エンジンの構造が違うからで、チャンプカーはターボのブースト圧を上げることで簡単にエクストラパワーを得ることができたから。すでにNAエンジンで100%のレベルまでパワーアップをしている現状では、ここまでが限界だった」

 HDPのレース・チームマネージャー、ロジャー・グリフィスは、このシステムが今シーズンのこりのレースで追い越しの機会が増えることを期待している。
「新しい“Hondaボタン”がレースに少しばかりのスパイスとなることを期待している。ドライバー、チームに新たなツールとしてレース中の追い越しの回数が増やせるものと期待している。ただし、実際のレースになるまでは使用ができず、パワーアップの体感するための“試し打ち”はできないことになっている」

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