IRLインディカー・シリーズ第6戦、第94回インディアナポリス500マイルレースが15日、ついに開幕。今年1回目のプラクティスセッションは、インディ500で3度の優勝経験を持つエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)がトップタイムをマーク。武藤英紀(ニューマン-ハース・レーシング)は13番手。インディ500初出場の佐藤琢磨(KVレーシング・テクノロジー)はルーキー・オリエンテーション・プログラムに参加している。
オープニングデイとなるこの日は、12時から14時までがベテランドライバーによるプラクティス走行、14時から18時までがルーキー・オリエンテーション・プログラムとして、インディ500初参戦ドライバーたちの走行時間として割り当てられた。
2010年度インディ500のオープニングセッションは、ルーキードライバーを除く計27台のマシンが走行。エリオ・カストロネベスが、Tカーを駆って39秒7170のタイムをマークしてトップに。ダリオ・フランキッティ(チップガナッシ)、スコット・ディクソン(チップガナッシ)、ダン・ウェルドン(パンサー・レーシング)と続き、インディ500優勝経験のあるこの4人までが39秒台をマークした。
また、トニー・カナーン(アンドレッティ・オートスポーツ)は自身のも含めて計5台のマシンで走行。チームメイトのマシンが同じコンディションになっているかを確かめていた。武藤英紀は全体で3番目に多い33周と精力的に走行を重ね、40秒1959のベストタイムで13番手につけている。
午後2時からのルーキー・オリエンテーション・プログラムは、2.5マイルにも及ぶインディアナポリス・モーター・スピードウェイのトラックに慣れるのを目的に、佐藤琢磨を含む7人のルーキードライバーと、久々に参戦する5名のドライバー、計12名が参加している。
ルーキー・オリエンテーションでは4つのフェーズが設けられており、それぞれ定められた範囲のスピードで10周を周回することが求められる。第1フェーズは200〜205マイル、第2フェーズは205〜210マイル、第3フェーズは210〜215マイル、第4フェイズは215マイル以上と定められており、少なくとも3つのフェーズを最初の2日間で、残るひとつのフェーズもインディ500イベント開催中にクリアしなければならない。
この日は雨の影響で走行時間がわずか30分程度に留まってしまったが、琢磨は第2フェーズまでをクリア。残る第3、第4フェーズには翌日に挑むことになった。ルーキー・オリエンテーションについて琢磨は次のようにコメントしている。
「インディアナポリスはとても個性的なトラックですので、コースを覚えたり、クルマの状態を知るにはとてもいい機会だと思います。残念ながら雨のためにルーキー・オリエンテーションは途中で終わってしまいましたが、明日にはルーキー・オリエンテーションの残りのフェーズを無事に終えられるといいですね」
明日は、午前11時から午後3時までルーキー・オリエンテーション・プログラムが、午後3時から6時までがベテランドライバーによるプラクティスが予定されている。