NASCAR SPRINT CUP SERIES
第35戦 Kobalt Tools 500
開催日:11月14日
デニー・ハムリン、12位に終わるもランキング首位は維持
僅差のタイトル争いは最終戦で決定へ
11月14日(日)、米国南西部アリゾナ州エイボンデールのフェニックス・インターナショナル・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第35戦「Kobalt Tools 500」が開催された。
残り2戦となったタイトル争いは、僅差のまま続いており、まだまだ予断を許さない。デニー・ハムリンは前戦テキサスで見事今季8勝目を挙げ、ランキング首位に浮上したが、2位のジミー・ジョンソン(シボレー)、3位のケヴィン・ハーヴィック(シボレー)との差はわずかであり、1レースで最大195ポイント(決勝に出場すれば最後尾43位でも34ポイント)獲得できるNASCARでは、最後まで取りこぼすことなく上位入賞を続けることが必要となる。
12日(金)午後3時45分より予選が行われ、デイビッド・ロイティマンが6番手、カイル・ブッシュが7番手、ジョーイ・ロガーノが10番手グリッドを確保。ハムリンは17番手につけ、 12台の“トヨタ カムリ”が決勝へと進んだ。
14日(日)午後1時17分、1マイルオーバルを312周(312マイル:約500km)して競われる決勝レースがスタート。
6番手スタートのロイティマンがトップ5での上位争いを展開する一方で、17番手スタートのハムリンも素早く順位を上げ、10周目にはトップ10入り。更にKy.ブッシュやロイティマンもかわし、52周目には2位浮上。そしてこの日2度目のイエローコーションからの、65周目の再スタートを2位で切ったハムリンは、すぐに首位のカール・エドワーズ(フォード)をパスし、この日初めて首位に立った。
ハムリンはその後素晴らしいペースで後続との差を広げ、その差は一時2秒以上に広がったが、101周目にこの日3度目のイエローコーション。ここでピットインしたことで一旦首位の座は譲るが、106周目の再スタートが切られるとまたすぐにハムリンが首位を奪回。追いすがるエドワーズとのマッチレースを展開したが、徐々にその差を広げていった。その後方では、Ky.ブッシュが、ハムリンとタイトルを争うジョンソンらを抑え3位を走行。
その後はイエローコーションが出ないまま、171周目に首位のハムリンがグリーン下でピットイン。全車がピットを終えた時点で、再びハムリンが首位に立ち、エドワーズ、Ky.ブッシュ、ジョンソン、ハーヴィックという“チェイス”ドライバーによるトップ5バトルとなった。
Ky.ブッシュは180周目に前を行くエドワーズをかわし、ハムリンに続き“トヨタ カムリ”の1-2体制に。そのまま首位走行を続けたハムリンは、217周目にこの日最多のリードラップ(首位走行周回数)を確定し、貴重な5ポイントボーナスを得ることとなった。
222周目、ロビー・ゴードンがスピンを喫しこの日4度目のイエローコーション。全車ピットへ向かい給油とタイヤ交換を行ったが、フルタンクで80周強の周回が目安となるここフェニックスでは、最後まで走りきるには厳しいタイミングでのピットとなった。
このピット作業ではKy.ブッシュがトップ、ハムリンが2位で再スタートとなったが、すぐにハムリンが首位へと復帰。
再スタート後僅か5周後の233周目に再び他車のスピンでイエローコーションとなったが、上位勢はピットに入らず。再スタート後はハムリンとエドワーズが燃費を考慮しながらも首位争いを展開。
しかし、その後イエローコーションは出ず、ハムリンは298周目にグリーン下でのピットインを余儀なくされ、19位に後退。
その後、他の上位勢はピットに入らず、ペースダウンして燃料消費を抑える作戦に。ハムリンはハイペースで追い上げたが、上位勢は最後まで走りきったため、それ以上のポジションアップは叶わず、12位でフィニッシュ。“トヨタ カムリ”勢では、最後のイエローコーションでピットに入ったロガーノが、最後にジョンソンらをかわし3位まで順位を上げてチェッカーを受けた。
ジョンソンは5位、ハーヴィックが6位で、ハムリンとの差は縮まったものの、15点差でハムリンはランキング首位の座を守り、タイトル争いはホームステッドでの最終決戦を更なる僅差で迎えることとなった。
今シーズンの最終戦となる次戦第36戦は11月21日(日)、米国南東部フロリダ州ホームステッドのホームステッド・マイアミ・スピードウェイで行われる。
ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「ここ数週間の我々の結果は信じられないものだ。5戦前から連続で7位、6位、5位、4位、そして今日3位フィニッシュを果たせた。チームは今日も最高の仕事をしてくれた。決勝レース前には多くの問題があったため、スタート直後は20位あたりまで落ちてしまった。しかし、全員が冷静を保ってレースを戦い続け、最後には上位争いに加わることができた」
ドライバー デニー・ハムリン:
「我々の“トヨタ カムリ”は素晴らしい仕上がりだった。それが重要だ。我々はやるべきことをやった。レースは最後、戦略が我々の望み通りには進まなかったが、2人(ジミー・ジョンソンとケヴィン・ハーヴィック)よりもレースカーは速かった。今日の結果は残念だが、これをバネに来週は勝ちに行く。重要なのは、来週へ向け、我々には好調な“トヨタ カムリ”があるということだ。来週のホームステッドには、テキサスで勝利を挙げた車両を持ち込み、タイトル獲得へ向けベストを尽くす」