現地時間23日にアメリカのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたNASCARネイションワイド・シリーズの一戦で多重クラッシュが発生し、マシンが宙を舞ってフェンスに激突、パーツが観客席に飛び込んだ。
クラッシュは300マイルレースの最終ラップ、まさにフィニッシュライン目前というところで、トップ走行のリーガン・スミス(シボレー)と昨年のスプリントカップ王者ブラッド・ケゼロウスキー(フォード)が接触、最初の引き金をひいた。
接触の2台を避けようと後続のマシンがさらなる接触を引き起こし瞬く間に多重クラッシュに発展。そのなか5番手を争っていたカイル・ラーソン(シボレー)のマシンがコントロール不能に陥り、浮き上がるように宙を舞ってそのままキャッチフェンスに叩きつけられた。
このクラッシュで彼のマシンはフロントエンドがすべてが剥ぎ取られ、キャッチフェンスも一部破壊。そのはずみでラーソン車のエンジンとホイールのひとつが他のパーツとともに観客席の最前列端に入りこみ、もう片方のホイールに至ってはグランドスタンドに飛び込んだ模様だ。
「何がどうなったのか分からない」と、幸いにも無事だったラーソンは語っている。「2、3回大きな接触があった。そしてエンジンが失くなっていた」
英AUTOSPORTは、クラッシュに巻き込まれた12名すべてのドライバーが無事で、メディカルセンターをすでに後にしたと伝えているが、NASCAR公式サイトは胸の痛みを訴えたマイケル・アネット(フォード)がデイトナビーチのハリファックス健康医療センターに搬送され、CTスキャンなどの治療を受けたと報告している。
また観客についても、事故現場では、少なくともひとりのファンがストレッチャーに乗せられ、その他の何人かはその場で治療を受けているようだったと伝えられている。
NASCARトップのマイケル・ヘルトンは、次のようにコメントしている。
「幸い、今回のイベントに備えて多くの医療スタッフを待機させていたので、彼らは素早く現場にかけつけることができた。今は、すべてのダメージを把握することに務めている」
当地では今週末、NASCARスプリントカップ・シリーズの今季開幕戦、伝統の“デイトナ500”が開催されている。