NASCAR SPRINT CUP SERIES
第29戦 AAA 400
開催日:9月30日
カイル・ブッシュが燃費戦で惜しくも勝利を逃す
“チェイス"の3人は揃ってトップ10フィニッシュ
9月30日(日)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第29戦「AAA 400」が開催された。
年に2回カップ・シリーズのレースが開催される“モンスター・マイル"ドーバーは、カイル・ブッシュが春の大会過去2勝を挙げているが、“チェイス"でランキング3位につけるデニー・ハムリンは過去トップ10フィニッシュがわずか4回と、苦手とするコースの一つ。前戦勝利を挙げ勢いに乗るハムリンの活躍に期待がかかった。
28日(金)に2度の公式練習が行われ、29日(土)午後1時40分より予選開始。好調ハムリンがシーズン3回目、ドーバーでは自身初となるポールポジションを獲得。“チェイス"を争うクリント・ボウヤーとマーティン・トゥルークス・Jr.が2番手、3番手で続き“トヨタ カムリ"は予選トップ3を独占。カイル・ブッシュも5番手グリッドを獲得し、11台の“トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
30日(日)好天の下、午後2時19分に1マイルオーバルを400周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのハムリンが好スタートを切り、ボウヤーが続いた。その後方ではKy.ブッシュが速さを見せ、16周目にはボウヤーもかわし、ハムリンに続く2位に浮上。
ハイスピードなショートオーバルであるドーバーで、ハムリンが圧倒的な速さを見せる中、17周目には周回遅れが発生。ハムリン、Ky.ブッシュ、ボウヤーの3台は周回遅れをかわしながらトップ3を形成した。
2位のKy.ブッシュは、ハムリンが周回遅れを交わす際のタイムロスを見逃さずじりじりとその差を詰めていき、35周目に首位を奪取。
60周目過ぎからグリーンピットが始まったが、その最中、69周目にこの日初めてのイエローコーション。まだピットに入っていなかった上位勢がこのタイミングでピットイン。レースが始まってまだ5分の1にも達していない周回にもかかわらず、この時点で首位と同一周回は僅か8台。Ky.ブッシュが首位をキープし、ハムリンが2位、ボウヤーが4位で再スタートが切られた。
その後はイエローコーションが出ず、140周目過ぎから各車グリーンピット。Ky.ブッシュは全車がピットを終えた時点で再び首位に浮上。トップと同一周回はハムリンとボウヤーを含む僅か6台となった。
179周目にコース上の異物によりこの日2度目のイエローコーション。ここでタイヤ2本交換としたハムリンが首位に浮上。4本交換のKy.ブッシュが2位で再スタートを切ったが、最前列イン側のKy.ブッシュが好ダッシュを見せ、再び首位を奪還した。
その後独走するKy.ブッシュは一時2位のハムリンに4秒以上の差をつけたが、246周目にまたもコース上の異物によりこの日3度目のイエローコーション。マージンはなくなったが、Ky.ブッシュは再スタート後も首位をキープした。
“ラッキー・ドッグ"による救済もあり、この時点で首位と同一周回は8台となっていたが、続く9位以降にマーク・マーティン、ジョーイ・ロガーノ、トゥルークス・Jr.が続き、リードラップ復帰を狙った。
309周目、残りを無給油で走りきるには若干厳しいタイミングで、この日4度目のイエローコーション。マーティンが“ラッキー・ドッグ"により首位と同一周回に復帰した。
上位勢はピットに向かい、316周目に再スタートが切られたが、その直後、スピン車両により再びイエローコーション。今度はトゥルークス・Jr.が“ラッキー・ドッグ"の恩恵を受けリードラップ復帰。このコーションでは、マーティンがピットへと向かった。
Ky.ブッシュが2位、ハムリン3位で再スタート。Ky.ブッシュは首位を逃げるジミー・ジョンソン(シボレー)と激しいバトルを展開し、354周目にこの日4度目の首位に。しかし、燃料の足りないKy.ブッシュとハムリンは、残り10周ほどの時点で無念のピットイン。レースの大半をリードし、支配した2台だったが、チェッカーを目前にして7位、8位へと後退してしまった。
30年前の春のドーバー戦でカップ・シリーズデビューを果たしたマーティンが、26番手スタートからベテランらしい走りを見せ、“トヨタ カムリ"勢最上位の3位でフィニッシュ。同じく最後無給油で走りきったトゥルークス・Jr.が6位。Ky.ブッシュが7位、ハムリンが8位。レースを通して上位を走行したボウヤーが9位、ロガーノが10位で続き、“トヨタ カムリ"は6台がトップ10フィニッシュ。
“チェイス"を争う3名はトップ10の好成績で、ハムリンはトップと16ポイント差の3位、ボウヤーが4位、トゥルークス・Jr.が8位へとそれぞれ2つずつ順位を上げることとなった。
次戦第30戦は10月7日(日)、米国南部アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイで行われる。
ドライバー マーク・マーティン:
「気付かなかったかも知れないが、我々の“トヨタ カムリ"は本当に速かった。予選で後方に沈んだため、追い上げを強いられたが、多くのライバルをパスし、順位を上げた。不運なコーションのタイミングで2周遅れとなってしまったが、その後もプッシュを続け、素晴らしいクルーチーフとチーム、“トヨタ カムリ"の速さにも助けられ、3位でフィニッシュすることができた」
ドライバー マーティン・トゥルークス・Jr.:
「レース序盤は好調とはいえない状態だったが、その後改善されていった。序盤はピットのたびに調整を施していたが、コーションにより2周遅れとなってしまった。しかし、その時点で我々の“トヨタ カムリ"は速さを取り戻しており、ハードなバトルを繰り広げ、多くの車両をパスした。最後は燃費戦になると思ったが、その時点でようやく“ラッキー・ドッグ"を獲得できた状態で、それ以上のポジションアップは図れなかった。しかし、スタートの状況と、ポイントのことを考えれば6位は満足行く結果だ」
ドライバー デニー・ハムリン:
「残念だ。燃料が足りなかった。我々は燃費よりもパワーを重視した。勝てる車両を持っている時に、パワーを諦めることは出来ない。我々は本当に速かったが、コーションのタイミングと戦略が合わなかっただけだ。燃費については改善に取り組まなくてはならないが、それほど心配はしていない。燃費では我々を上回ったチームもあったが、我々はハンドリングとパワーで圧倒的に速かった。次戦はタラデガなので、最後まで走りきり、できる限り多くのポイントを獲得することに集中する」
