NASCAR SPRINT CUP SERIES
第35戦 AdvoCare 500
開催日:11月11日
大混乱のフィニッシュ。
デニー・ハムリンが2位、カイル・ブッシュ3位
11月11日(日)、米国南西部アリゾナ州エイボンデールのフェニックス・インターナショナル・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第35戦「AdvoCare 500」が開催された。
長いシーズンもいよいよ残すところ2戦となった。12名のドライバーによるプレーオフ“チェイス”では、クリント・ボウヤーが3位につけており、タイトルを争っている。また、ここフェニックスでは、春の第2戦でデニー・ハムリンが勝利を飾っており、活躍に期待がかかった。
9日(金)午後4時10分より予選が行われ、直近の2戦で共にトップ3フィニッシュを果たすなど好調なカイル・ブッシュが今季2度目のポールポジションを獲得。“チェイス”ドライバーのマーティン・トゥルークス・Jr.が2番手、ハムリンが3番手で続き、“トヨタ カムリ”は3台がコースレコードを更新する速さを見せ予選トップ3を独占。ベテランのマーク・マーティンが10番手につけ、12台の“トヨタ カムリ”が決勝へと進んだ。
11日(日)午後1時22分、1マイルオーバルを312周(312マイル:約500km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのカイル・ブッシュはトップをキープ。2番手グリッドのトゥルークス・Jr.はスタートで遅れ、ハムリンが2位に浮上した。
トゥルークス・Jr.はペースが上がらず、ずるずると後退。エンジン不調に見舞われており、そのままピットへ向かってリタイアとなってしまった。
一方Ky.ブッシュはハムリンを従え首位を快走。16番手スタートのボウヤーもトップ10圏内へと順位を上げてきた。
52周目にこの日2度目のイエローコーションとなり、全車ピットへ。ここでマーティンが好ピットを見せ首位に浮上したが、再スタート後すぐにKy.ブッシュがその座を奪い返した。後方ではハムリン、マーティンらによる2位争いが展開。
首位のKy.ブッシュは、一時2位以下に4秒以上もの大差をつけての独走態勢となったが、イエローコーションが出ないまま110周を過ぎると、燃料をセーブするためペースダウン。2位のハムリンがKy.ブッシュに迫り、117周目にハムリンが首位に立った。
その後グリーン下でのピット作業が始まり、全車がピットを終えた時点で、ハムリンが首位、Ky.ブッシュは3位となったが、167周目のイエローコーション下でのピットではKy.ブッシュが逆転。首位に返り咲いた。このピット作業では、ボウヤーもトップ5圏内にポジションアップ。
235周目、ポイントランキングで首位に付けるジミー・ジョンソン(シボレー)が壁にクラッシュ。272周目、280周目にもクラッシュやスピンによるイエローコーションが発生し、各車最後までの燃料を給油しての再スタートとなったが、Ky.ブッシュは首位を堅守。ハムリンとボウヤーも着実にトップ5圏内をキープした。
300周目、この日7度目となるイエローコーションが出され、上位勢はコース上に残っての再スタート。ここまで237周にわたって首位を快走してきたKy.ブッシュだったが、惜しくもこの再スタートでケヴィン・ハーヴィックの先行を許し、2位に後退。チェッカーを目前にして、僅差での首位争いとなった。
最終ラップを示すホワイトフラッグが降られる直前の311周目、5位争いを展開していたボウヤーが他車に接触されスピン。直後の7位につけていたロガーノが避けきれず巻き込まれる多重クラッシュとなってしまった。
クラッシュした車両を排除するため15分にわたってレースは赤旗中断。再開後、レースは7周延長され、最後の2周“グリーン・ホワイト・チェッカー”で決されることに。この週末のフェニックス戦は、3カテゴリー全てで赤旗中断とグリーン・ホワイト・チェッカーという荒れた展開となった。
2位のKy.ブッシュが最前列イン側、3位のハムリンがアウト側2列目で再スタート。
ホワイトフラッグが降られる直前、後続の車両が壁にヒットしスピンたが、イエローコーションは出されず、レースは続行。ハムリンとKy.ブッシュはサイド・バイ・サイドでの2位を争っていたが、オーバーステア症状に見舞われたKy.ブッシュがバランスを崩し、ハムリンが2位に浮上。上位4台はそのままチェッカーを受けたが、先のスピンにより最終コーナー付近に撒かれたオイルに乗って5位以降の車両がスピンし接触。これに後続が突っ込み多重クラッシュという大混乱の幕切れに。
ハムリンが2位、Ky.ブッシュは3位でフィニッシュ。マーティンも最後のクラッシュに巻き込まれたが10位となった。
ボウヤーは28位に終わり、ランキングでは首位と52ポイント差の4位に後退。最終戦での逆転タイトルの可能性は惜しくも失われてしまった。しかし、ランキング3位とはボウヤーが僅か2点差、ランキング5位に浮上したハムリンも12点差となっており、ランキング上位を目指し最終戦へと臨むこととなる。
シーズンの最終戦となる次戦第36戦は11月18日(日)、米国南東部フロリダ州ホームステッドのホームステッド・マイアミ・スピードウェイで行われる。
ドライバー デニー・ハムリン:
「コースは非常に滑りやすく、固いタイヤでグリップを得るのが難しかった。しかし、それが今日のようなエキサイティングなレースを演出してくれたとも言える。素晴らしい“トヨタ カムリ”を用意してくれたチームを誇りに思う。春の大会に続きフェニックスで連勝できれば良かったのだが、それでも今年の2戦で1位、2位という結果は悪くない」