NASCAR SPRINT CUP SERIES
第14戦 Pocono 400
開催日:6月10日
ジョーイ・ロガーノが3年ぶりの通算2勝目!
“トヨタ カムリ”1-2フィニッシュ
6月10日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第14戦「Pocono 400」が開催された。
3つのコーナーを3本のストレートで結んだ、特徴的な3角形レイアウトを持つ1周2.5マイル(約4km)のポコノは、デニー・ハムリンが得意としており、過去4勝を挙げている。
今大会はコース路面が舗装されてから初めてのレースとなるため、6日(水)、7日(木)にテスト走行が実施された。8日(金)の練習走行を経て、9日(土)午前11時10分から予選が行われ、コースレコードを更新する速さでジョーイ・ロガーノが今季初、キャリア4回目となるポールポジションを獲得。カイル・ブッシュが4番手、ハムリンが5番手、マーク・マーティンが6番手で続き、12台の“トヨタ カムリ”が決勝に進んだ。
10日(日)午後1時21分、1周2.5マイルのトライアングルオーバルを160周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのロガーノが好スタートを切る一方で、ハムリンは他車と接触。ダメージは軽微で、その時点ではイエローコーションは出なかったが、直後に後方を走っていたランドン・カシルがスピン。コレにマーティン・トゥルークス・Jr.が巻き込まれ、車体右側を破損。イエローコーションとなった。
スタート直後ということもあり、上位勢はコース上に残ったが、ハムリンらはピットイン。大きく順位を落としてしまった。
再スタート後もロガーノは首位をキープ。16周目に、J.J.イェリーらが絡むクラッシュで2度目のイエローコーションが出されると、上位勢はピットへ向かったが、ハムリンら数台がコース上に残り、ハムリンが3位、ロガーノが4位で再スタートとなった。
ハムリンはその後首位を奪取するが、イエローコーションが出ないまま33周目にグリーン下でピットイン。10周ほどあとに他の上位勢も次々にグリーン下でピットへと向かった。
今大会、路面の舗装が改められると共に、ピットレーンでのラインも引き直され、ピットスピードの測定範囲が昨年とは異なる場所になったため、ピットでのスピード違反ペナルティが続出。45周目にはKy.ブッシュもこのペナルティを受けることとなってしまった。
全車がグリーン下でのピットを終えた時点で、給油サイクルをずらしてはいるものの、ハムリンが首位に再浮上。しかし、ハムリンは電装系のトラブルにより、65周目に痛恨の燃料切れに見舞われ、スローダウン。再び大きく順位を落とすことになってしまった。
再スタートが切られてすぐに4度目のイエローコーションとなったが、コーションラップ中の77周目には、中団グループにつけていたKy.ブッシュがエンジントラブルに見舞われ、ガレージへ。そのままレースを終えることとなった。
レース折り返しでの再スタートとなった83周目は、マーティンが2位、ロガーノが4位。100周目過ぎからのグリーン下でのピット作業を経て、124周目にこの日5度目のイエローコーションが出されると、全車ピットへ。ここでロガーノが首位に浮上。マーティンが2位、そしてハムリンが4つ順位を上げてトップ10へと返り咲いた。
再スタートでもハムリンは好ダッシュを見せ6位へジャンプアップ。そのままでは最後まで走りきるには難しい残り周回であったが、136周目と149周目にもイエローコーションが出される中、各車燃料をセーブし、ピットに入らないまま走りきる作戦に出た。
残り8周となった152周目、ロガーノが首位、マーティンが2位、ハムリンが4位で再スタート。マーティンが好スタートを決め首位を奪い、22歳のロガーノと、53歳のマーティンによる首位争いが展開された。しかし、マーティンはオーバーステア症状に見舞われ、この隙をロガーノが見逃さず、残り4周で再逆転。
最後は逃げ切ったロガーノがトップでチェッカーを受け、今季初勝利を飾った。ロガーノはスプリント・カップ・シリーズのフルシーズンデビューとなった2009年のニューハンプシャー戦で初勝利を挙げているが、それ以来、約3年ぶりとなるキャリア通算2勝目。
マーティンは2位に入り“トヨタ カムリ”は1-2フィニッシュ。ここポコノでこれまでに6度2位に入っているが未勝利のマーティンは、悲願の初勝利を狙ったが惜しくも叶わず、ポコノでの2位入賞記録を最多の7へと伸ばすこととなった。
ハムリンは5位。ボウヤーが6位に入り、ランキングでは9位へと一つ順位を上げた。
次戦第15戦は6月17日(日)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われる。
ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「最後は我々の方が速いことがわかっていたし、追い上げるだけだった。チームは素晴らしい“トヨタ カムリ”を仕上げてくれた。特にブレーキが素晴らしく、追い抜きの難しいこのコースでも、ターン1で多くの車両をパスできた。やっとヴィクトリーレーンに立つことができ、信じられない気持ちだ。チームやトヨタ、スポンサーに感謝したい」
