NASCAR SPRINT CUP SERIES
第23戦 Pure Michigan 400
開催日:8月21日
カイル・ブッシュが今季4勝目で“チェイス”確定!
“トヨタ カムリ”は記念すべき通算100勝目を挙げる
8月21日(日)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第23戦「Pure Michigan 400」が開催された。
ここミシガンで、これまでに“トヨタ カムリ”はブライアン・ヴィッカーズが1勝、デニー・ハムリンが2勝の計3勝を挙げており、得意とするコース。特にハムリンは今年の第15戦で今季唯一の勝利を飾っており、“チェイス”入りへ向け更なる勝利への期待がかかった。
19日(金)午後3時40分より予選が行われ、ここミシガンで2勝を挙げ得意とするハムリンが2列目4番手グリッドを確保。デイビッド・ロイティマンが12番手、ケイシー・カーンが14番手、マーティン・トゥルークス・Jr.が15番手、カイル・ブッシュが17番手につけ、12台の“トヨタ カムリ”が決勝へと進んだ。
21日(日)午後1時16分に2マイルオーバルを200周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。
コース幅が広いミシガンらしく、序盤から3ワイドでの激しいバトルとなり、めまぐるしく順位が入れ替わる展開の中で、3番手スタートのハムリンはハンドリングに苦しみながらもトップ10圏内を維持。14番手スタートのカーンがスタート直後から好調にポジションを上げてトップ10争いに加わった。
序盤は30周目と53周目にイエローコーションが出され、各車ピットで給油とタイヤ交換の他、セッティングの調整を行っていった。
58周目、ハムリン6位、17番手スタートから着実に順位を上げたKy.ブッシュが7位、カーンが8位で再スタート。その後はイエローコーションが出ず、給油タイミングが近づくにつれ上位勢がペースを落とし始める中、“トヨタ カムリ”のKy.ブッシュ、カーンらは燃費の良さを活かしてポジションアップ。90周前後にグリーン下でのピット作業を全車が終えた時点で、Ky.ブッシュが2位、カーンが3位に浮上。首位争いを展開し、99周目にはKy.ブッシュが首位に立った。
レースは折り返しを過ぎた102周目にこの日3度目のイエローコーション。Ky.ブッシュが4本タイヤを交換したのに対し、カーン、ハムリンらを含む多くの車両が2本タイヤ交換作戦を採ったため、カーンがトップ、ハムリンが8位でコースへ復帰したのに対し、Ky.ブッシュは17位へと後退。
しかし、Ky.ブッシュは再スタート後、猛烈な追い上げでトップ10圏内へ復帰。一方でハムリンはハンドリングの不調が直らず、ずるずると順位を落としていく中、122周目にはタイヤのパンクに見舞われ壁にヒット。ガレージでの長時間にわたる修復を余儀なくされてしまった。
その後、この日2度目となるグリーン下でのピット作業を経た後もKy.ブッシュの勢いは止まらず、160周目過ぎには、トップ争いに加わった。
168周目にこの日4度目のイエローコーションが出され、各車最後となるであろうピットイン。3位で再スタートを切ったKy.ブッシュは、すぐに2位に上がると首位のジミー・ジョンソン(シボレー)と激しく首位を争い、187周目についに首位を奪取。その後はじりじりと2位以下との差を広げていった。
しかし、197周目に、Ky.ブッシュの実兄カート・ブッシュ(ダッジ)がクラッシュ。これで2秒以上あったマージンは帳消しとなり、レースは延長され最後の2周スプリント“グリーン・ホワイト・チェッカー”で決されることに。
アウト側を選択したKy.ブッシュと、ジョンソンが並んで202周目に再スタートが切られると、Ky.ブッシュは得意のスタートダッシュを決め、ジョンソンを引き離してそのままチェッカー。今季4勝目を挙げた。Ky.ブッシュにとってミシガンでの勝利は初。また、この勝利によって、ランキング単独首位のKy.ブッシュは残り3戦を待たずして“チェイス”入りを確実なものとした。
この勝利は、“トヨタ カムリ”にとって、2007年にNASCAR参戦を開始して以来、通算100勝目(スプリント・カップ・シリーズ38勝、ネイションワイド・シリーズ62勝)という記念すべき勝利ともなった。この100勝のうち、Ky.ブッシュは実に57勝(スプリント・カップ・シリーズ19勝、ネイションワイド・シリーズ38勝)を占めている。
Ky.ブッシュは2008年にトヨタに移籍して以来、300戦目のスタートであり、NASCARトップ3カテゴリー合計で80勝目を挙げることとなった。
レースを通してトップ10圏内を走行し、7位でフィニッシュしたカーンはランキングで17位に浮上。“チェイス”入りを争っているハムリンは、長時間のガレージでの修復後コースに復帰したが15周遅れの35位に終わり、ランキングでは14位に後退。しかし、今季の“チェイス”選抜システムは、トップ10以外のワイルドカード2枠が、11位から20位までの中で、勝利数が多い順番で選ばれるため、現時点ではハムリンは2人目のワイルドカード枠として“チェイス”圏内に残っている。
次戦第24戦は8月27日(土)、米国南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「ついにここミシガンで勝利を挙げることができた。今日の我々の“トヨタ カムリ”とチームは完璧だった。エンジンのパワー及び燃費も申し分なかった。最後の10周では、フロントグリルに何かが付着していたようで、水温が上がっていた。最後のイエローコーションではピットインするかどうか悩んだが、コースに残った決断は正しかった。“トヨタ カムリ”と共にヴィクトリーレーンに上がり、“チェイス”入りを決められたことは本当に素晴らしい」