NASCAR SPRINT CUP SERIES
第5戦 Auto Club 400
開催日:3月27日
カイル・ブッシュがレースを支配しながら惜しくも3位
3月27日(日)、米国西部カリフォルニア州フォンタナのオートクラブ・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第5戦「Auto Club 400」が開催された。
同コースは米国トヨタ自動車販売(株)の本拠地から近く、トヨタにとってはホームレースともいえるレース。前戦ブリストルのショートオーバル(1周0.533マイル)から一転、1周2マイルでのハイスピードバトルが展開された。
今大会もトヨタ参戦車両は日本の東北地方太平洋沖地震への支援を呼びかけるステッカーを貼ってレースに臨んだ。
25日(金)に予定されていた公式練習は、午前中の降雨により延期。ようやく開催された公式練習1回目でカイル・ブッシュがクラッシュ。車両にダメージを負い、バックアップカーに乗り換えることとなった。
26日(土)午前11時30分から予選が行われ、デニー・ハムリンが2番手、ジョーイ・ロガーノが3番手と好位置を確保。また、バックアップカーによるぶっつけ本番の予選アタックとなったKy.ブッシュも8番手につけ、12台の“トヨタ カムリ”が決勝に進んだ。ロガーノはエンジン交換を行ったために最後尾からのスタートとなってしまった。
27日(日)は午前中小雨が落ちたものの、予定されていたスタートまでにはやみ、午後12時18分、8万8千人の大観衆が見守る中、2マイルオーバルを200周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。
8番手スタートのKy.ブッシュが序盤から順調にポジションをアップ。2番手スタートのハムリンが6周目に首位を奪うとこれに続く形となり、21周目にはKy.ブッシュがハムリンをかわして首位に立った。
首位を快走するKy.ブッシュは後続との差を大きく広げていく一方、19番手スタートのブライアン・ヴィッカーズと26番手スタートのマーティン・トゥルークス・Jr.が素晴らしい追い上げでトップ10圏内に浮上。41周目には“トヨタ カムリ”がトップ4を占めての走行となった。
前半戦はイエローコーションが出ず、2度にわたってグリーン下でのピットインとなった後、75周目にようやくこの日最初のイエローコーション。ここでヴィッカーズはピットの指定範囲を通り過ぎてしまい8位に後退。好走を見せていたハムリンもこの再スタート後にエンジン不調に見舞われ、徐々に後退。無念のリタイアとなってしまった。また、トゥルークス・Jr.も後半に入ってハンドリングの不調に見舞われ順位を落としてしまった。
一方、首位を行くKy.ブッシュはその後も快調に後続との差を広げ、2位との差は一時5秒以上に。前週ブリストルに引き続き、2週連続での週末制覇なるかと思われた。
175周目、この日3度目のイエローコーションからの再スタートを決め、首位を守ったKy.ブッシュだったが、186周目にボビー・ラボンテがウォールにクラッシュ。そのままピットロードへ向かったが、ピットロード入り口で停止してしまったため、ピットロードがオープンにならないままイエローコーションが継続。190周目にようやくピットがオープンとなったが、上位7台はコース上に残り、192周目に再スタートとなった。
首位で逃げるKy.ブッシュを、ディフェンディングチャンピオンのジミー・ジョンソン(シボレー)とケヴィン・ハーヴィック(シボレー)が猛追。三つ巴での激しいトップ争いとなった。197周目にジョンソンにかわされてしまったKy.ブッシュは最後まで首位を争ったが、惜しくも届かず3位でフィニッシュ。全200周中151周に渡って首位を走行しレースの大半を支配したが、勝利は叶わなかった。ヴィッカーズが8位、22番手スタートから終盤追い上げたケイシー・カーンが9位に入った。
今大会の結果Ky.ブッシュがドライバーズランキングで首位に11ポイント差の4位へと浮上した。
次戦第6戦は4月3日(日)、米国東部バージニア州マーティンスビルのマーティンスビル・スピードウェイで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「今日の“トヨタ カムリ”は本当に素晴らしかった。特にロングランでは敵なしだった。しかし、最後の2スティントはその優位性も若干失ってしまった。今日のような力強いレースを戦って3位に終わったことはやや残念だ。この週末クルーは非常に困難な仕事をこなしてくれた。それを考えれば良い結果だ。最後は彼ら(ジミー・ジョンソンとケヴィン・ハーヴィック)が迫ってきているのはわかっていた。最後のバトルではオーバーステア症状が出て、壁に接触しそうになり、速度を落とさざるを得なかった」