25日、都内で全日本選手権スーパーフォーミュラの開幕に先立ち、今季の選手権開催概要会が開催され、15名のドライバーも集結。スーパーフォーミュラ新時代の幕開けに向け、大いに期待を抱かせる発表が多く為された。
今季から『クイック&ライト』のコンセプトのもと開発されたダラーラ製の新型シャシーSF14と、ホンダ、トヨタによる優れた燃焼効率を実現した2リッター直4直噴ターボエンジンが採用され、新時代に突入するスーパーフォーミュラ。すでにオフのテストではこれまでのSF13よりも速いタイムが記録され、F1経験ドライバーも「数字上、F1よりも速いコーナーが多い(中嶋一貴)」と語るなど、名実共にアジアのみならず、最高峰ワンメイクフォーミュラとして成長を果たすことになる。
そんな今季に向け、日本レースプロモーションの白井裕社長が発表会冒頭で挨拶。「本年度のスーパーフォーミュラは文字通り一段とパワーアップし、モータースポーツファンの皆さまにより高度な戦いをご覧頂く所存です」とシリーズの発展に意気込みを語った。
2014年の開催に向けて注目なのはシャシー、エンジンだけではない。F1経験のある外国人ドライバー2名をはじめ、期待のルーキーなど19名のドライバーラインナップは、近年では最もレベルが高いと言える。この日の発表会では4名のドライバーが欠席したが、15名のドライバーが出席。意気込みを新たにした。
今季の予選・決勝レースのフォーマットについても発表され、予選はすべてノックアウト形式に。レース距離は220km〜250kmとなり、『第13回JAF鈴鹿グランプリ』という冠名称で開催される最終戦鈴鹿に加え、第2戦富士も2レース制で開催されることになった。
また、新シャシーSF14でも、オーバーテイクシステム(OTS)が採用されることが明らかにされた。SF13でもOTSは採用されていたが、これまでの最大回転数を上げるシステムではなく、新エンジンに採用される燃料流量規制システムをを活用し、20秒間×5回、燃料流量を上げるシステムが採用される。5%エンジン性能が上がることになり、オーバーテイクを促すシステムだ。それに伴い、発表会に展示された山本尚貴車には、ロールバーにはOTS使用回数を示すオーバーテイクランプ(OTL)が装着された。なお、今回の発表会では、ホンダHR-414E、トヨタRI4Aエンジンの画像も公開されている。
マシン外観では、新たにF1風のT字型の車載カメラが装着された。このカメラボックスには全車に前後方向にカメラが取り付けられるとのことで、ライブでの映像配信はできないようだが、Youtube等で活用されるようで、かなり迫力ある映像が提供されそう。テレビ中継についてはJ SPORTSで全戦予選・決勝とも生中継されるほか、BSフジの特別番組、フジテレビNEXT、ONEでの『スーパーフォーミュラTV』でその魅力が放映される。
さらに、JRPではアジア地域でのスーパーフォーミュラの認知度アップを狙っており、今季から東南アジア地域のライブ中継放送が決定。今季からシリーズパートナーとなったスカパーJSATの手によりインドネシアで放映されるほか、ナレイン・カーティケヤン(LENOVO TEAM IMPUL)の参戦で注目度が高まるインドでの放映も交渉中だという。また、サーキットでも全戦でピエール北川アナウンサーによる場内放送が決定したとのこと。
シリーズパートナーは、これまでの企業に加え、新たに鈴鹿サーキットのシケインのネーミングライツを取得した日立オートモティブシステムズ、スカパーJSATが決定。マシンのサイドには、日立オートモティブシステムズのロゴが入っている。
同様に燃料流量規制システムを採用しながら、レースの迫力、速さを欠く状況になっているF1に対し、スーパーフォーミュラはダウンサイジングターボの可能性に迫りながら、F1をしのぐほどの高いレベルを実現してきている。今季は国内5サーキットで、驚異的にハイレベルな戦いが展開されることになりそうだ。