1月30日にトヨタから、2月7日にホンダから、それぞれ2014年のスーパーフォーミュラでのエンジン使用ドライバーが発表されたことにより、今季のエントリーがすべて出そろうこととなった。今季は全11チーム19台が争う。
スーパーフォーミュラでは2014年から、“クイック&ライト”をコンセプトとしたダラーラ製の新シャシー、SF14を導入。非常にコンパクトな2リッター直4直噴ターボエンジンのホンダHR-414E、トヨタRI4Aがそれぞれ組み合わされ、新たな時代を迎えることとなる。
今回、エンジンを供給する2メーカーからそれぞれ参戦チーム、ドライバーが明らかにされたことにより、公式エントリーリストこそまだ出ていないが、全11チーム19台の顔ぶれが出そろうこととなった。台数は昨年から変化はないが、非常にレベルの高いドライバーラインナップとなっている。
日本人ドライバーはそのうち13名。2013年王者の山本尚貴(TEAM無限)はチャンピオンナンバー1をつけ、タイトル防衛と“その先”を見据えるシーズンとなる。ホンダ勢では塚越広大(HP REAL RACING)や小暮卓史(NAKAJIMA RACING)が新シャシーで本格復活を成し遂げられるかが注目。中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)も昨年末はトップグループで戦う実力をみせた。
また、トヨタ勢では12年王者の中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)、そして昨年末急激に成長した国本雄資(P.MU/cerumo・INGING)、若手注目株の平川亮(KYGNUS SUNOCO)にも注目が集まる。さらにひさびさのSF復帰となる石浦宏明(P.MU/cerumo・INGING)の戦いも楽しみなところ。
今季の日本人ルーキードライバーは、トヨタ勢では中山雄一(KCMG)、ホンダ勢では野尻智紀(DOCOMO DANDELION)のふたり。いずれも全日本F3でしっかりと成績を残してきたふたりであり、今季が待望のビッグフォーミュラデビュー。特に今季は車両が一新される年であり、新人としてのハンデは少ない。1年目から上位に食い込むことも不可能ではないはずだ。
そんな日本人ドライバーの前に立ちふさがるであろう外国人ドライバーは6名。海外からも「F1の次に速いフォーミュラ」という評価がつくスーパーフォーミュラの新時代にふさわしい、非常にレベルの高いメンバーになっている。
まず、序盤戦から速さをみせそうなのはアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)、ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO)というWEC世界耐久選手権チャンピオン経験者のふたりと、11年王者のジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)。3人ともに日本での経験も長く、一気にSF14を乗りこなしそうな気配もある。ジェームス・ロシター(KONDO RACING)も初のフル参戦で、すでに日本のレースの雰囲気にも慣れており、“本領発揮”となるかもしれない。
そして、楽しみなのはビタントニオ・リウッツィ(HP REAL RACING)、そしてナレイン・カーティケヤン(TEAM IMPUL)というふたりの元F1ドライバー。日本のレースの雰囲気に慣れれば、ふたりが上位で戦うであろうことは想像に難くない。
SF13シャシーが使われていた頃は、予選で1秒以内に15台が入ることがしばしばあったほど激戦のスーパーフォーミュラ。今季もシリーズを戦って欲しかった松田次生や平手晃平の名がないのは残念ではあるが、SF14導入と、新たなドライバーの参戦でその勢力図がどう変化するのか。今季は見逃せないシーズンになるのは間違いない。