全日本選手権スーパーフォーミュラ第2戦オートポリスは2日、54周の決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートしたアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)が、ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO)との戦いを制し優勝。山本尚貴(TEAM無限)が3位に入った。
朝の雨模様から少しずつ天候が回復してきたものの、霧雨が舞う中で迎えた全日本選手権スーパーフォーミュラ第2戦オートポリスの決勝。直前のウォームアップでは、乾きつつある路面に対し、スリックタイヤをトライするチームとウエットのまま走るチームと分かれるなど、非常に興味深いコンディションの中でスタートを迎えた。
19台のマシンのうち、ただ1台スリックを選択したのは、6番手スタートのデュバル。その他のマシンはすべてウエットタイヤを履いてスタート。ロッテラーがトップを守るも、1コーナーのインに山本が飛び込み、ジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)、松田次生(Lenovo TEAM IMPUL)、中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)、平手晃平(P.MU/cerumo・INGING)と続く。一方のデュバルはやはり苦しいのか、1周目は14番手までポジションを落とした。
序盤、ロッテラーは2番手山本との差を少しずつ広げていくが、ウエットタイヤ装着車は序盤から早くも濡れている場所を探すような状況に。各チームがいつピットに呼び戻し、タイヤ交換を行うかがレースの焦点となった。
最も早く動き始めたのは、首位のロッテラー。後方に沈んでいたデュバルのタイムがウエット装着車のタイムを上回り始めた6周目にピットに入ると、それに5番手を走っていた中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)、伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)らが続く。翌周には首位山本をはじめ次生、塚越広大(HP REAL RACING)ら多くのマシンがピットに向かい、8周目には全車がスリックに交換した。
各車がピット作業を終えると、見事トップに立ったのはギャンブル成功のデュバル。さらに山本がロッテラーの前に出ており2番手。4番手にはオリベイラ、5番手に松田、6番手に塚越という順位に。一方、一貴は大きくポジションを落とす結果となり、9番手の中山友貴(HP REAL RACING)の後方で争っていた11周目、第1ヘアピンで一貴が小暮卓史(NAKAJIMA RACING)にヒット。避けようとした平手に伊沢が接触する形となってしまい、一貴は5周遅れでコースに復帰するものの、3台が一気に姿を消してしまった。
トップを快走するデュバルだが、フルタンクでもレース距離は走りきることはできないため、レースの次の焦点はいつデュバルが給油を行うのか、そして6〜7周目にピットに入った上位陣がどうチェッカーに向けてマシンを運ぶのかというところになった。後続を圧倒するペースで飛ばしたデュバルは36周を終えピットイン。タイヤ交換を行わず、給油のみでピットアウトした。
デュバルは山本をかわし2番手につけたロッテラーのわずか前方でピットアウトしたが、39周目にはデュバルのすぐ後方にロッテラーが。レースは2台のマッチレースとなり、44周目の最終コーナーで一気にロッテラーがデュバルのインを差すと、ついにトップを奪還。一気にロッテラーはデュバルにギャップを築きチェッカーを目指したが、残り10周程度というところでオートポリスに一気に霧が立ちこめ、51周を終えたところで赤旗提示。そのままレース終了となった。
2位にはデュバルが入り、今季スーパーフォーミュラ参戦初戦のふたりがワン・ツーを占めることに。3位は山本が入り、公式戦で初めての表彰台を獲得。4位はオリベイラ、5位は松田という順位になった。