WTCC世界ツーリングカー選手権第10ラウンドは22日、鈴鹿サーキットで決勝のレース2が行われ、2番手スタートのトム・コロネル(BMW 320 TC)が逆転勝利を挙げた。ホンダの伊沢拓也はリタイアに終わった。
予選トップ10のリバースグリッドおよびスタンディングスタートが採用される決勝レース2。ポールについたのはモロッコ人ドライバーのメヘディ・ベナーニ(BMW 320 TC)でトム・コロネル(BMW 320 TC)が2番手につけ、ロケットスタートを得意とするFRのBMW勢がフロントロウに並んだ。
ホンダ勢は、レース1をリタイアで終えたガブリエル・タルキーニ(ホンダ・シビックWTCC)が2列目3番手、同レースで右フロントに大きなダメージを負ったティアゴ・モンテイロ(ホンダ・シビックWTCC)も無事マシンの修復を果たし、3列目5番手からシリーズ記念の200戦目に挑んだ。
レース1終了から15分間のリペアタイムをおいてスタートが切られた26周のレース2は、ベナーニ、コロネル、タルキーニの順で1コーナーを抜けると、5番手スタートのモンテイロも4番手に浮上し、ホンダワークスの2台が早くも3、4番手につけた。その後続ではスタート直後にレース1で今季のチャンピオンを決めたばかりのイバン・ミューラー(シボレー・クルーズ)が他車に押し出されるかたちでコースオフしてクラッシュ。この影響で序盤は1コーナーが追い越し禁止となる。
早くも王者不在となったレースは、トップ2のBMW勢が僅差のバトルを繰り広げる一方でホンダ2台はBMWから3秒程度離されてしまい、優勝争いは徐々に先頭を走るベナーニとコロネルに絞られていった。すると、8周目に1コーナーの追い越し禁止が解除された直後からコロネルが再三にわたって1コーナーでベナーニのインをうかがうが、初優勝を目指すベナーニも粘りを見せて何とかトップの座を死守する。しかし、17周目の1コーナーでベナーニが若干アウトに膨らんだところをコロネルがさして、ついにトップ2のポジションが入れ替わった。
これでレースリーダーとなったコロネルは、ベナーニとの差をジリジリと広げ、最後は2.2秒までギャップを築いてトップチェッカー。3位はレース中盤にチームメイトをS字で攻略したモンテイロが入り、レース1のクラッシュから見事挽回を果たした。タルキーニは4位。
15番手スタートの伊沢拓也(ホンダ・シビックWTCC)はオープニングラップの混乱でアクシデントに遭遇、コースオフを喫して18番手までドロップすると、一時は15番手までポジションを上げたが、終盤は徐々にマシントラブルの影響が大きくなり18周目にスローダウン。そのままピットインした伊沢はチェッカーを受けることなくホンダでのWTCCデビューを終えることとなった。
加納政樹(BMW 320 TC)は16位、谷口行規(BMW 320 TC)が17位。ニカ・レーシングのシボレー・クルーズを駆る吉本大樹はトラブルに見舞われリタイアに終わっている。