開幕戦、レース1でモンテイロ選手5位、ベナーニ選手7位、ミケリス選手9位と入賞を果たす
2014年4月13日(日)・決勝 会場:ムーレイ・エル・ハッサン・サーキット(4.545km)
天候:晴れ 気温:33℃ コースコンディション:ドライ
「カストロール・ホンダ・ワールド・ツーリングカー・チーム(Castrol Honda World Touring Car Team)」は開幕戦の決勝レースを迎えました。ガブリエーレ・タルクィーニ選手は、前日のフリープラクティスでのアクシデントによるマシンのダメージにより、決勝レースには出場できませんでした。ティアゴ・モンテイロ選手は予選7番手、プライベートチームからHonda Civic WTCCで参戦する「ゼングー・モータースポーツ(Zengő Motorsport)」のノルベルト・ミケリス選手は8番手、「プロチーム・レーシング(Proteam Racing)」のメディ・ベナーニ選手は9番手でレースに臨みます。
午後4時15分から開始されたレース1では、スタートダッシュを決めたモンテイロ選手が5番手にポジションを上げ、ミケリス選手は7番手、ベナーニ選手は8番手でオープニングラップを終えました。4周目にモンテイロ選手は後続にパスされ、6番手にダウン。レースはそのまま終盤まで進みました。
終盤の13周目、ミケリス選手のマシンにステアリングのトラブルが発生し、ポジションを9番手に落としましたが、残り2周をもたせて14周を走りきりました。モンテイロ選手は6番手でフィニッシュしましたが、レース後に5番手でフィニッシュした選手が10秒のペナルティーを受けたために繰り上がって5位に。ベナーニ選手は7位、ミケリス選手は9位となり、Honda Civic WTCCの3台が入賞を果たしました。
午後5時35分からのレース2はリバースグリッドとなり、ベナーニ選手が2番手、モンテイロ選手が4番手からのスタート。3番手スタートだったミケリス選手は、ステアリングの修復が間に合わず、レース2に出走できませんでした。
スタート直後、先頭でのアクシデントから多重クラッシュが発生。コース上にマシンがストップし、レースは赤旗中断となりました。およそ30分間の中断のあと、再スタートが切られました。この時点でベナーニ選手がトップ、モンテイロ選手が続きます。しかし、ベナーニ選手は6周目に、スタート直後のアクシデントに関してピットスルー・ペナルティーを科され、9番手まで順位を落としました。モンテイロ選手は後続にパスされながらもレース終盤まで4番手を走行していましたが、14周目にタイヤのトラブルでストップを余儀なくされました。
9番手までポジションを落としたベナーニ選手でしたが、中盤から終盤にかけて毎周、前車をパスしポジションを上げ、14周目には4番手にまで浮上。最終ラップに激しい4番手争いを展開し、0.026秒差でパスされてチェッカーフラッグを受け、5番手でゴールしました。しかし、レース後の車検でベナーニ選手のマシンは最低重量規定違反により、レース結果から除外というペナルティーが科せられました。また、これによりモンテイロ選手の順位は繰り上がり、10位入賞となりました。
Hondaは、開幕戦を終えてマニュファクチャラーズ選手権で44ポイントを獲得しました。ドライバーズ選手権においては、モンテイロ選手が11ポイントで6位、ベナーニ選手が6ポイントで10位、ミケリス選手が2ポイントで13位となっています。
ティアゴ・モンテイロ選手(5位/10位)
「今回のレースで多くのデータを集めることができたので、今後のパフォーマンスを向上させることができるでしょう。コースに出るたびにマシンのセットアップはよくなりました。今週末は重要なテストでもあり、多くのことを学びました。次戦のフランスでは、もっと速く走れるはずです」
アレッサンドロ・マリアーニ|Castrol Honda World Touring Car Team代表
「適正なセットアップを見つけることが今回の優先事項でしたが、これは達成しました。より多くのデータを得るために、ガブリエーレも走っていたらもっとよかったでしょうが、マシンのダメージは大きく、ここでマシンを修復するのは不可能でした。Honda Civic WTCCのポテンシャルについては自信を持っていますが、今はレースが続き、すぐにパフォーマンスを上げるのは難しいかもしれません。今日のレースにおいて、ベナーニの走りはすばらしいものでした。彼は今後、いい結果を出していくことでしょう」
堀内大資|Civic WTCC開発プロジェクトリーダー
「レース1の終盤、ミケリス選手のマシンにパワーステアリングのトラブルが発生し、レース1はなんとかもたせてフィニッシュできましたが、リペアタイム内では修復ができず、レース2には出走できませんでした。レース2ではモンテイロ選手に終盤、タイヤがはく離するトラブルが起こり、リタイアとなりました。ベナーニ選手はペナルティーで順位を落としたものの、すばらしい追い上げをみせてくれたと思います」
「開幕戦を終え、ライバルに比べて速さが足りないことが分かりました。この差は主にコーナリングでのグリップ不足だと思われます。コーナーでの安定したトラクションが足りないために、ドライバーがアクセルを開けられるタイミングが遅れ、それが積もって大きなタイム差になっているとみています。今回は、レースに向けてフロントサスペンションのストロークを上げ、スプリングを柔らかいものに替えて改善を図り、ある程度の効果はありました。しかし、車体については抜本的な対策が必要だと感じています。エンジンについては、ストレートのスピード、加速などライバルに引けはとっていないと思いますが、トータルでライバルに追いつくべく、さらなるパワーアップを図りたいと思います。次戦は翌週で時間がありませんが、できる限りの対策を考えます。タルクィーニ選手のマシンはダメージが大きく、次にはスペアカーを用意して仕上げなければなりません。時間との戦いになりますが、スタッフ全員で努力し、次のレースでは成果を出せるよう、がんばります」