スーパーGTの今季開幕戦は岡山国際サーキットで82周の決勝レースが行われ、ファイナルラップまで続いたRAYBRIG HSV-010とのバトルを制し、ZENT CERUMO SC430が開幕戦を勝利で飾った。GT300クラスはGAINER DIXCEL DUNLOP R8が優勝。アウディR8 LMSウルトラのデビューウインを飾った。
週末を通して不順な天候となったスーパーGT第1戦岡山。しかし、決勝レース開始直前には気温は低いものの爽やかな青空が広がり、いよいよ2012年開幕戦のスタートが切られることとなった。迎えたスタートでは、ポールポジションの平手晃平駆るZENT CERUMO SC430がリードを守るも、2番手RAYBRIG HSV-010はやや出足に苦しみPETRONAS TOM'S SC430、MOTUL AUTECH GT-Rにかわされてしまう。
3番手に浮上したMOTULは、その後7周目にはPETRONASをかわし2番手に浮上。周回遅れを利用しながらジワジワと前へ接近。しかしポジションの変動には至らず、序盤はジリジリとした序盤戦が展開される。しかし、20周を過ぎるあたりから、再びバトルが勃発。トップのZENTと2番手MOTUL、3番手PETRONASと4番手RAYBRIGの間で接近戦が展開された。
トップを争ったZENTとMOTULは、33周目のヘアピンでMOTUL本山がZENTのインを刺しトップに浮上。37周目に2番手となったZENTはピットに向かい、平手から立川祐路に交代する。翌周にはMOTUL、さらにPETRONASをかわし3番手となっていたRAYBRIGが同時にピットに向かう。
両チームとも素早い作業でコースに送り出すが、伊沢拓也から交代したRAYBRIGの山本尚貴が、アウトラップのタイヤの冷えた状態で素晴らしい走りをみせMOTULをパス。2台はZENTの前に立っており、これでトップはRAYBRIG、まだタイヤの冷えた状態だったMOTULをかわしたZENTという順位となった。
トップに立ったRAYBRIGは一時ZENTに接近されるも、山本がうまくラップダウンを使いながらリードを広げる。しかし、60周近くから少しずつZENT立川が山本とのギャップを削りはじめ、2台のドッグファイトがスタートする。山本は立川のアタックをなんとかしのぎ続けるが、69周目にクロスラインでかわされ、立川&ZENT CERUMO SC430が再びトップに浮上した。
立川と山本の差は一時離れたが、チェッカーに向けて再び接近。ジワジワと山本がギャップを削り始め、チェッカーまで残り2周というところで山本が再び前へ! 2台はもつれるようにファイナルラップに入っていく。
しかし、諦めない立川はヘアピンで再び山本にアタック。一瞬のスキをつき、ZENT CERUMO SC430がファイナルラップで三度トップへ! 最終コーナーまで山本は再逆転を試みるも、立川が今度はスキを与えず。ZENT CERUMO SC430が見事開幕ウイナーとなった。2位はRAYBRIG HSV-010となったが、マシンから降りた山本は悔しさを露わにした。
PETRONAS TOM'S SC430、KEIHIN HSV-010、MOTUL AUTECH GT-Rの三つ巴の争いとなった3番手争いは、KEIHIN HSV-010がフィニッシュ間際で3位を獲得。MOTUL AUTECH GT-Rが4位、コースアウトを喫したPETRONAS TOM'S SC430が5位となった。
GT300クラスは、ポールスタートのエンドレスTAISAN PORSCHEがレースをリード。HANKOOK PORSCHE、GAINER DIXCEL DUNLOP R8、そしてJLOCのランボルギーニ・ガイヤルドLP600+が続く。しかし、2台のガイヤルドは6周目のダブルヘアピンひとつめで接触! マネパ ランボルギーニ GT3はグラベルに埋まってしまい、JLOC ランボルギーニ GT3はその後ドライビングスルーペナルティが。2台ともに遅れてしまった。
そんな中、トップのエンドレスTAISAN PORSCHEは一時2番手以降に詰め寄られながらも首位を堅持。2番手にはGAINER DIXCEL DUNLOP R8、3番手にHANKOOK PORSCHEというオーダーとなるが、ピットイン後もオーダーは変わらない。一方、一時4番手を走行していたS Road NDDP GT-Rは最終コーナーでGT500と接触しコースアウト。ポジションを落としてしまった。また、SUBARU BRZ R&D SPORTやapr HASEPRO PRIUS GTもトラブル発生でポジションダウン。日本車には厳しい開幕戦となった。
フィニッシュに向けトップをキープしていたエンドレスTAISAN PORSCHEだが、70周あたりから少しずつペースが鈍り始める。そんな中、2番手で安定したペースを保っていたGAINER DIXCEL DUNLOP R8が急接近。残り10周というところでピタリとテールについたGAINER DIXCEL DUNLOP R8は、残り8周で接触しながらもエンドレスTAISAN PORSCHEをパス! GAINER DIXCEL DUNLOP R8がトップに立った。
また、3番手争いもチェッカーに向け白熱。HANKOOK PORSCHE、ART TASTE PORSCHEとのバトルを制した前年王者のGSR初音ミクBMWが3位となった。