モータースポーツ No.10/ドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)
エクストロームが、飛躍的な追い上げを披露
【第4戦:ザントフールト(オランダ)】

予選9番手から2位に浮上
6台のアウディがポイントを獲得
オリバー・ジャービスが再び表彰台を獲得

アウディのマティアス・エクストロームは3万8000人(週末合計)の観衆に、なぜ彼が「キング・オブ・ザントフールト」と呼ばれているかを存分に見せ付けました。DTM第4戦でエクストロームは驚異的な追い上げを見せ、予選9番手の位置から2位のポジションまで上昇しました。2度のDTMチャンピオンに輝く彼のレース結果は、首位に遅れることわずか1.431秒まで詰め寄り、第2位でレースを終了しました。

驚異的な追い上げは、アウディスポーツ チームアプト スポーツラインが練り上げた完璧な戦略の賜物でした。エクストロームは、全41周のうち21周目のピットイン時には何も作業をせずにピットイン義務を消化するだけに留め、他の誰よりも遅い29周目になってようやく、2セット目のタイヤに履き替えてレースに復帰したのです。レース終盤で誰よりもフレッシュなタイヤを装着した利点をいかしたエクストロームは、2回目のピットストップで右リアホイールのナットが噛むという不足の事態に見舞われたにも関わらず、わずか数周のうちに前を走るマシンや先頭のゲイリー・パフェットとの6秒以上あった差を2秒以下に縮めました。

最後の12周でエクストロームは、消耗したタイヤを気遣ってエクストロームとバトルする余地のなかった他のアウディ勢のマルティン・トムツィク、アレクサンドレ・プレマ、オリバー・ジャービスも抜き去りました。「このような状況では無用なリスクを負わずに、同ブランドの速いマシンに抗わないというのは、アウディのセオリー通り。チームオーダーが出されていたわけではない」と、アウディモータースポーツの責任者ヴォルフガング・ウルリッヒは説明します。

レース終盤、オリバー・ジャービスは消耗しきったタイヤを履いていました。25歳の彼はDTMで初めてのポールポジションからスタートして、最初のピットインまではそのリードを保っていました。しかし、14周目にマシンをスリップさせてしまい、今回優勝したゲイリー・パフェットの後ろまで下がってしまいました。「すべてを棒に振る、手酷いミスだった。優勝の可能性があったのは明らかだったのに」とジャービスは不幸な出来事について憤りを見せました。

マシンのスリップがタイヤに悪影響を与えたと判断したアウディスポーツ チームフェニックスは、最初のタイヤ交換からわずか6周目にして彼をピットに呼び戻して再び新しいタイヤに交換しました。その結果、彼はその後の26周を1セットのタイヤで走り続けなければならなくなったのです。「レース終盤で僕は存分に走ることが出来なかった。バーストしてしまうかと思ったほどだった。それに加え、燃料も節約しなければならなかった」とジャービスはコメントしています。それにも関わらずジャービスは3位となり、開幕戦のホッケンハイムと同様に表彰台を獲得しました。彼に続いて、チームメイトのマルティン・トムツィクがフィニッシュ。ルマンの最多優勝者トム・クリステンセンを含め合計4台のアウディがポイントを獲得しています。

マイク・ロッケンフェラーはスタート直後のクラッシュでタイロッドを破損し、安全への配慮からレース終了9周前にリタイヤしました。キャサリン・レッゲも同様に、17周目でマシンをストップさせました。

【アウディドライバーのコメント】
Dr. ヴォルフガング・ウルリッヒ (アウディ モータースポーツ代表)今日のマティアスは非常に速かった。レース終盤に彼が先頭集団に食い込んでいた理由は、それに尽きると考えている。最初のスティントでの走行をなるべく長く伸ばし、後半で前を行くライバルより新しいタイヤでポジションアップを狙うという、今日の彼が採った戦略が大当たりだった。最終ラップになっても、彼はゲイリー・パフェットよりも速いペースで走っていた。08年スペックの車両のドライバー達は早い段階でピットインしていたので、終盤になってタイヤに苦しむことになった。これが、皆がマティアスの走りに手を出せなかった理由で、アウディのセオリーに従って余分なリスクを負うことをしなかったのだ。チームオーダーの類は何も出されていない。戦略こそ、モータースポーツにとって重要な要素なのだ。

マティアス・エクストローム (レッドブル アウディA4 DTM #5)
かなり後ろのグリッドからのスタートにも関わらず、僕はレース序盤の段階から順位をトップまで回復出来ると考えていた。そして、その思いは現実のものになった。今日の僕のマシンはすごく速かった。最初のスティントでは少し遅れをとってしまったし、2回目のピットストップでは不手際があったが、それ以外はすべて上手く運んだ。今日は本当に激しく攻めていった。

オリバー・ジャービス (アウディカップA4 DTM #15)
今日は優勝してしかるべきだったことに疑いの余地はない。僕はすべてを棒に振る致命的な間違いを起こしてしまっ。レース終盤にタイヤは完全に減ってしまい、バーストしてしまうかと思った程だった。

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