TDP(トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム)レポート 【8月31日号】
全日本F3第7大会で井口卓人が2戦連続ポール・トゥ・ウィン!
GP2第8戦ベルギー大会第1レースで小林可夢偉が7位入賞
F1世界選手権
F1第12戦ベルギーGPが8月28日(金)から30日(日)にかけてベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで開催された。今季のF1にはTDPドライバーの中嶋一貴(AT&Tウィリアムズ)が参戦している。
28日(金)午前中のフリー走行1回目は、セッションが開始されてまもなく雨が降り始め、その後は全車ウェットタイヤでの走行となり、タイムアップならず。中嶋は15番手。午後のフリー走行2回目はドライコンディションとなったが、このセッションでも中嶋は15番手となった。
29日(土)午前中のフリー走行3回目でも19番手と苦しむ中嶋は、午後2時からの予選でも18番手に終わり、2戦連続でのQ1敗退となってしまった。
30日(日)午後2時に44周のレースがスタート。スタート直後に4台がいなくなり、1周目からセーフティカーが導入される波乱のレースとなった。中嶋はペースが上がらず苦しみながらも、6台がリタイアするサバイバルレースで、13位完走を果たした。
GP2シリーズ
GP2シリーズの第8大会が8月28日(金)から30日(日)にかけてベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットでF1第12戦ベルギーGPの併催レースとして行われた。
同シリーズにはTDPドライバーの小林可夢偉(DAMS)が参戦している。
28日(金)午前11時55分からのフリー走行は、雨は止んだもののウェット状態から乾いていくコンディション。ギアチェンジのトラブルに見舞われた小林は、ウェットタイヤのまま走行を続け、16番手。午後3時55分からドライコンディションで行われた予選では、1セット目で11番手、2セット目では更にタイムを縮め10番手グリッドを確保した。
29日(土)の第1レース(26周)は午後4時から開始される予定であったが、15分スタートが遅れ、加えて、フォーメーションラップ終了後にグリッドにつけない車両が発生したため、再度フォーメーションラップが行われた後、スタートが切られた。
10番手グリッドの小林は好スタートを切り、7位にポジションアップ。しかし、タイヤが暖まるまでペースが上げられず、2台にパスされてしまった。タイヤが暖まってからは1台をパスし、リタイア車両もあって7位へと浮上。7周目にタイヤ交換のためにピットインを行ったが、翌周、ピットを終えた車両に先行され、8位へ後退。その後は9位以降を引き離す走りを見せた。
13周目にクラッシュによるセーフティカーが導入され、15周目に再スタート。小林は前を行く3台と5位争いを展開したが、23周目にオー・ルージュで大クラッシュが発生し、再びセーフティカー導入。レースはセーフティカーランのままフィニッシュを迎えることとなり、小林は8位でチェッカーを受けた。レース後、5位のディエゴ・ヌネズ(iスポーツ)がシケイン不通過による25秒加算のペナルティを科されたため、小林は7位へと繰り上がり、翌日の第2レースは2番手グリッドからスタートすることとなった。
30日(日)午前10時30分に第2レース(18周)がスタート。2番手グリッドの小林はスタートでホイールスピンを喫し、3位に後退。ストレートエンドでもパスされて1周目で4位へ落ちてしまった。しかし、2周目のストレートエンドで前を行く2台が接触し、コースオフ。その脇をすり抜けて2位へとポジションを戻した小林だったが、接触からコースに復帰してきたエドワルド・モルタラ(アーデン)に接触され、たまらずスピン。最後尾17位へとポジションダウンを余儀なくされてしまった。
レースは2周目の接触でコース上に止まった車両の排除のためにセーフティカーが導入され、5周目に再スタート。小林は再スタート直後のラップで13位までポジションを上げると、10番手争いを展開。8周目、9周目にそれぞれ1台ずつパスし、更に上位を狙ったが、それ以上のポジションアップは叶わず、11位でチェッカーを受けた。
Formula Nippon\t ※一部内容が8月30日付フォーミュラ・ニッポンのリリースと重複しています
8月29日(土)、30日(日)の両日、フォーミュラ・ニッポン第7戦が大分県のオートポリスで開催された。
今季のフォーミュラ・ニッポンには、平手晃平(ahead TEAM IMPUL)、石浦宏明(Team LeMans)、大嶋和也(PETRONAS TEAM TOM'S)、国本京佑(Team LeMans)の4名のTDPドライバーが参戦している。
29日(土)、午後1時45分からノックアウト方式の予選が開始。大嶋は前大会終了後にエンジンを交換したため、10グリッド降格が決定しており、タイヤ温存とセッティングに徹し、12番手でQ1敗退。他の3名はQ2へ進出した。
Q2では、残り5分を切って各車アタック開始。しかし、アタックに入った石浦は、アウトラップ中の平手に引っかかり、翌周再度アタック。ここで攻めすぎた石浦は第2ヘアピンでコースアウト。このとき出された黄旗中にタイムをマークしたとして、平手らのベストタイムが抹消されることとなり、平手はまさかのQ2敗退、11番手グリッド。コースオフした石浦もQ3に進むことが出来ず、国本だけがQ3へ進むこととなった。
国本はQ3で6番手につけたが、リチャード・ライアン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)のタイムが黄旗時にマークしたとして抹消され、国本は5番手に。また、Q3に進出したロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)のQ2でのベストタイムが抹消となったため、石浦がひとつ繰り上がり8番手となった。
30日(日)強い日差しの下で午後2時33分に決勝レース(54周)がスタート。国本は5位、石浦はひとつ順位を上げ7位、平手10位、大嶋11位で1周目を終え、2周目に大嶋が平手をパス。その後は国本がブノワ・トレルイエ(LAWSON TEAM IMPUL)の追い上げを受けるも、これを凌ぎ、そのままの順位で序盤戦は進んだ。
11周目に大嶋が先陣を切ってピットイン。最後尾に後退するが、ピットアウト後はハイペースで追い上げ、全車がピットインを終えた時点で大嶋が首位に立った。
17周目にピットインした平手は、全車ピット終了時点で6位、これに22周目、23周目にピットインした石浦、国本が続いた。2回ピット作戦だったライアンと大嶋がそれぞれ33周目、35周目に2度目のピットインを行うと、以降の順位が繰り上がり、逃げるデュバルを平手、石浦、国本の3台が追う、4台による3位争いとなった。
平手はオーバーテイクシステムを使い、激しくデュバルを攻めるが、追い越しの難しいオートポリスでは、なかなか逆転には至らず。
一方、6位を走行し、初ポイント獲得なるかと思われた国本だったが、45周目にサスペンショントラブルに見舞われスローダウン。ピットへ戻って修復を行い、フレッシュタイヤでコースへ復帰。最後尾ながら、復帰後はファステストタイムをマークする速さを見せた。
結局平手は逆転叶わず、表彰台目前の4位フィニッシュ。石浦が5位。一時は首位を走行したものの、2回目のピットインで後退した大嶋は9位。国本が11位となった。
全日本F3選手権 \t ※一部内容が8月30日付全日本F3のリリースと重複しています
8月29日(土)と30日(日)の両日、オートポリスで全日本F3選手権の第7大会(第13戦、第14戦)が開催された。
今季の全日本F3には、TDPドライバーとして井口卓人(PETRONAS TEAM TOM'S)と、国本雄資(PETRONAS TEAM TOM'S)の2名がCクラスに参戦している。
29日(土)午前11時から予選が行われた。第13戦の予選では、セッション開始後2分ほど過ぎて井口・国本共にアタックを開始。早々に井口がトップタイムをマーク。タイヤに厳しいこのコースでは、後半タイム更新は難しく、また、黄旗が振られたこともあり、そのまま井口が今季2度目となるポールポジションを獲得。国本は4番手グリッドとなった。
10分間のインターバルを経て行われた第14戦の予選では、井口がアウトラップで他車と接触するというアクシデントもあったが、ダメージはなく、そのまま井口は予選を続行。好調な井口が2戦連続となるポールポジションを獲得した。国本は2戦連続4番手となった。
午後3時28分に第13戦決勝レース(14周)がスタート。ポールポジションの井口は若干遅れたがトップのポジションを守って1コーナーへ。4番手グリッドの国本は、スタートは悪くなかったものの、1コーナーで行き場を失い6位へ後退してしまった。
後方ではクラッシュが発生し、1周目からセーフティカーが導入。3周を終了した時点で再スタートが切られた。再スタートでは、2位のマーカス・エリクソン(PETRONAS TEAM TOM'S)が井口に食らいついたが、井口はこれを抑え、差を拡げていった。
井口は最終的には2位以下に3秒以上の大差を付けてポール・トゥ・ウィンで今季4勝目。
6位まで後退した国本は、前走車がコースアウトした際に順位を上げ、5位でフィニッシュした。
30日(日)午後12時45分から第14戦決勝レース(20周)が行われた。ポールポジションの井口は今回もやや遅れながら、トップを堅守し1コーナーへ。4番手の国本は好スタートで3番手のエリクソンの前に出たが、1コーナー進入でブレーキをロックさせたエリクソンが国本に接触。2台はコースオフを喫し、大きく順位を落としてしまった。
総合11位までポジションを落とした国本は、エリクソンにもかわされ総合12位へ後退。その後はエリクソンと共に、抜きにくいオートポリスでNクラスの車両をかわしていくという苦しいレースを強いられた。
チームメイトの2台が後退し、楽になった井口は、追いすがる安田裕信(ThreeBond Racing)を引き離し、見事トップでチェッカー。九州出身の井口が、地元で2戦連続ポール・トゥ・ウィンで完全勝利を果たした。国本は7位に終わった。
今大会の結果、フルマークの24ポイントを獲得した井口が再びランキング首位に浮上。6ポイント差でエリクソン。5位/7位と不本意な結果に終わった国本は井口から18ポイント離された3位となり、この3人がタイトル獲得を賭けて最終大会SUGOへと挑む。
