TDP(トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム)レポート 【6月29日号】

フォーミュラ・ニッポン第4戦で大嶋和也が2位初表彰台獲得!
全日本F3第7戦で国本雄資が今季2勝目

Formula Nippon\t ※一部内容が6月28日付フォーミュラ・ニッポンのリリースと重複しています
 6月27日(土)、28日(日)の両日、フォーミュラ・ニッポン第4戦が静岡県の富士スピードウェイで開催された。
 今季のフォーミュラ・ニッポンには、シリーズ2年目の平手晃平(ahead TEAM IMPUL)と石浦宏明(Team LeMans)、そして今季フォーミュラ・ニッポンにデビューした大嶋和也(PETRONAS TEAM TOM'S)と国本京佑(Team LeMans)の4名のTDPドライバーが参戦している。

 27日(土)は天候に恵まれ、ドライコンディションで午後1時45分からノックアウト方式の予選が行われた。TDP勢は今季2度目となる、全員揃ってのQ2進出。石浦は3セッション全てでトヨタエンジン勢最上位の位置につけ、自己最高位となる最前列2番手グリッドを獲得。これに僅差で平手が続き、3番手となった。Q3進出を果たした大嶋は、チームメイトのアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)を上回るタイムで7番手につけた。国本は惜しくもQ3に進めず、10番手スタートとなった。

 28日(日)、昼頃から雨が降り始め、直前に行われた全日本F3第8戦はウェットコンディション。その後も雨は止まず、フォーミュラ・ニッポンの決勝レースは、ヘビーウェットでスタートが切られることとなった。
 ウェット宣言が出され、セーフティカー先導で午後2時半に決勝レース(55周)がスタート。3周のセーフティカー走行を経て、4周目から本格戦が開始された。
 最前列2番手の石浦は、本格戦開始と共にオーバーテイクシステムを使用し、首位を行くロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)をパスするべく挑んだが、首位奪取は叶わず。石浦2位、平手3位で序盤戦へ。水煙による視界不良もあり、ペースを上げられず、そのままのポジションを守ってレースは進んでいった。
 34周目にスピンした車両がコース上にストップ。セーフティカーが導入された。ここで石浦、平手を含む多くの車両が給油のためピットイン。当初よりノーピットも作戦に入れ、燃料消費を抑えた走行を続けていた大嶋はピットに入らず、2位に浮上した。
 リチャード・ライアン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が大嶋と同じノーピット作戦を採ったため、石浦は4位、平手が5位で38周目に再スタートとなった。
 その後も燃費走行を続ける大嶋を、後続が激しく攻める展開となったが、大嶋はポジションを守りきり、自身最高位となる2位でチェッカー。フォーミュラ・ニッポンでの初表彰台を獲得した。
 石浦が4位、平手は5位でフィニッシュ。国本はセーフティカー時のピットインで、同時に入ったチームメイトの石浦を待つ形となり、大きくタイムロス。しかし、終盤徐々にペースを上げていき、10位で完走を果たした。

全日本F3選手権 ※一部内容が6月28日付全日本F3のリリースと重複しています
 6月27日(土)と28日(日)の両日、富士スピードウェイで全日本F3選手権の第4大会(第7戦、第8戦)が開催された。
 今季の全日本F3には、TDPドライバーとしてシリーズ2年目となる井口卓人(PETRONAS TEAM TOM'S)と、今季F3へとステップアップを果たした国本雄資(PETRONAS TEAM TOM'S)の2名がCクラスに参戦している。
 井口は開幕戦から3連勝、国本も第6戦で初優勝を挙げており、ランキングではそれぞれ1位、2位につけて第4大会に臨んだ。

 27日(土)は天候に恵まれ、好天の下で午前10時40分から15分間で行われた第7戦予選では、真っ先にコースインした国本がトップタイムをマーク。その後マーカス・エリクソン(PETRONAS TEAM TOM'S)が 1000分の1秒まで同じタイムをマークしたが、規定により先にタイムを出した国本がポールポジションを獲得。井口は3番手につけた。
 10分のインターバルを経て行われた第8戦予選では、国本は遅い車両に妨げられ、タイム更新ならず、エリクソンに次ぐ2番手。井口は2戦連続の3番手となった。

 午後3時55分に第7戦決勝(15周)がスタート。ポールポジションの国本は、好スタートのエリクソンに並びかけられるもこれを抑え、トップで1コーナーへ。3番手の井口はエリクソンとの2番手争いを繰り広げたが、その隙に5番手スタートの嵯峨宏紀(DENSO Team Le Beausset)に先行されてしまった。
 トップを行く国本は、2位に浮上したエリクソンの猛追を受けるが、プレッシャーを耐え抜き、国本はトップでチェッカー。前戦に続き2連勝、今季2勝目を挙げた。
 1周目に4位まで落ちた井口は、8周目に嵯峨をかわし3位に浮上。エリクソンには届かず、そのまま3位表彰台獲得となった。

 28日(日)の第8戦は、スタート前からの雨で完全なウェットコンディションの下、午後12時45分から21周のレースが開始された。
 2番手スタートの国本はやや加速が鈍り、3番手グリッドの井口にかわされポジションを落としたところに、1コーナーで後方から追突され、スピン。最下位に後退を余儀なくされてしまった。
 2位に浮上した井口は首位を行くエリクソンを追い、激しく攻めたが、かわすまでには至らず。2位フィニッシュとなった。
 国本は周を重ねるごとに順位を上げていき、8周目には4位。その後もファステストラップを更新しながら前走車との差を詰め、14周目に3位に浮上。この時点でトップとの差はまだ11秒あったが、1周最大1.5秒も詰めるハイペースで追い上げていき、最終的にはトップから7秒落ちの3位でチェッカーを受けた。
 今大会の結果、ドライバーズランキングで井口1位、国本2位の順位に変わりはないが、その差はわずか1ポイントまで縮まった。

F3ユーロシリーズ
 今シーズン、日本人のTDPドライバーによる海外でのシリーズ参戦はされていないが、ヘンキ・ワルドシュミット(オランダ)とアンドレア・カルダレッリ(イタリア)の2名が、TDPドライバーとしてF3ユーロシリーズに参戦している。
 昨年からSGフォーミュラチームでF3ユーロシリーズに参戦しているワルドシュミットは、シリーズ2年目のシーズンを迎える。また、昨年フォーミュラ・ルノーシリーズに参戦してきたカルダレッリはステップアップを果たし、ワルドシュミットと同じSGフォーミュラチームからF3ユーロシリーズに参戦している。
 既に今季シリーズは2ラウンドを消化しており、ワルドシュミットは第2ラウンドのラウジッツで第1レース7位、第2レース5位とダブル入賞を果たし、ポイントを獲得した。  また、第2ラウンドと第3ラウンドの間には、マカオGPと並んでF3ドライバーの世界一決定戦とも言えるマスターズF3が行われており、ワルドシュミットは予選10番手につけたが、決勝は4位争い中に他車と交錯し、惜しくもリタイア。28番手スタートのカルダレッリは23位であった。

 第3ラウンドは、6月26日(金)から28日(日)にかけて、ドイツのノリスリンクで開催された。
 26日(金)公式練習を経て、午後5時40分から予選が行われたが、開始直前、通り雨に見舞われ、雨は止んでいるものの路面は完全なウェットという難しいコンディションとなった。
 路面コンディションは刻々と変化し、セッション終了直前急速に向上。最後のアタックのタイミングで次々にタイムが書き換えられていった。最終的には、トップから上位20台が1秒以内という激戦の中、ワルドシュミットは7番手の好位置を確保。やや早めにチェッカーを受けることとなったカルダレッリは17番手となった。

 27日(土)午後12時45分に第1レースがスタート。カルダレッリはコースインラップ中にドライブシャフトのトラブルに見舞われ、メカニックの懸命の作業により修復は成ったものの、ピットスタートを余儀なくされた。
 レースはスタート直後の第2コーナーで多重クラッシュが発生。すぐにセーフティカーが導入された。不運なことに、このセーフティカーの導入タイミングが悪く、カルダレッリは全車両が通過するまでコースに出ることが出来ず、1周遅れでレースを始めることとなってしまった。
 一方、ワルドシュミットは好スタートで6位に浮上。しかし、6周目に再スタートが切られると、セーフティカー導入中に冷えたタイヤに再び熱を入れるのに苦しみ、9位まで後退してしまった。18周目には、再びコースが通り雨に見舞われ、2度目のセーフティカー導入されたが、その後、雨足は更に強まり、レースは赤旗中断。約13分間の中断の間にウェットセットに変更し、セーフティカー先導で再スタートが切られたものの、規定の30分を越えたためにレースは終了となり、赤旗中断前の順位でフィニッシュとなった。ワルドシュミットは9位、カルダレッリは1周遅れの21位に終わった。

 第2レース(44周)は28日(日)午前10時半から行われた。9番手グリッドのワルドシュミットは好スタートを切ったが、第1コーナー進入時のポジション取りで10位に後退。4周目に2台が絡むクラッシュが発生し、セーフティカーが導入された。
 21番手グリッドからスタートで2つポジションを上げていたカルダレッリは、このクラッシュ車両を避ける際に、他車にコース外へ押し出される形でストップ。再スタートが出来ず、リタイアとなってしまった。
 レースはその後もクラッシュやスピンにより2度のセーフティカーが入る波乱の展開となり、残り4周で最後の再スタート。この時点で9位につけていたワルドシュミットは、再スタート時に1台、最終ラップにも1台パスし、7位でチェッカー。レース後に、ペナルティを受けた車両が出たためにひとつ順位が繰り上がり、6位で1ポイントを獲得した。

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