1日に開催されたニスモの新ラインナップ発表イベント『ニスモプレミアイベント』に、同社のブランドアンバサダーを務めるミハエル・クルムが登場した。そこで、イベント終了後のクルムに、夫人であるクルム伊達公子さんのウインブルドンでの活躍などについて話を聞いた。
クルムは、今シーズンはスーパーGT500クラスでD'station ADVAN GT-Rのステアリングを握るとともに、6月22日~23日に開催されたル・マン24時間耐久レースのLMP2クラスにも参戦した。
そんなクルムが母国ドイツでレースデビューを果たしたのは1988年。94年に来日し、全日本F3選手権でチャンピオンを獲得すると、97年にはトヨタでペドロ・デ・ラ・ロサとともに全日本GT選手権で王座に輝く。その後、ニスモのドライバーになり、本山哲とともにニスモの活躍を牽引。2010年からはFIA GT1選手権に参戦し、11年にシリーズチャンピオンを獲得すると、12年からは再びスーパーGT500クラスに復帰している。
クルム伊達公子さんは、1988年のインターハイでシングル・ダブルス・団体の3冠を達成すると、89年に高校卒業とともにプロテニスプレイヤーに転向。95年には世界ランキング4位に名を連ねるなどの活躍を見せ、96年に引退する。
その後、2001年にクルムと結婚すると、08年にはプロの世界に復帰し、全日本選手権のシングルス・ダブルスを制覇する。6月24日から開催されている今年のウインブルドンでは、42歳と史上最年長でシングルス2回戦を突破。3回戦で“最強”の呼び声高いセリーナ・ウイリアムズに敗れた。
また、公子さんはニッサン・リーフを所有しており、今回のイベントの中で行われたトークショーでも、公子さんがリーフオーナーだという話題から、ウインブルドンでの活躍に話が飛ぶ場面も見られた。
イベント終了後、クルムに公子さんの活躍について尋ねると、快く答えてくれた。注目された3回戦も「朝4時から寝ないで全部見た」というクルムは、公子さんの活躍について「42歳の奥さん(公子さん)が、ウインブルドンの舞台でセリーナ・ウイリアムズと戦う、というシチュエーションにまで持っていったのがすごいと思った。本当に素晴らしいことだと思う」と話す。
ただ、クルムにとって、公子さんの試合を見るのは自身がレースをする以上に“ハード”なのだという。
「観戦していると、もちろん熱くなるし、心拍数が上がってしまって見ていられない。精神的にすごくハードだし、ストレスになる。(公子さんが)ゲーム中にポイントを取れないとものすごくショックを受ける」
「自分のレースのときは集中しているし、やるべき仕事があるから緊張する暇なんてない。外から見ている方が厳しくて、以前奥さんがよくレースを見に来ていたときも、ピットの中で緊張していたみたい」
公子さんは復帰後6度目となるウインブルドンへのチャレンジで3回戦進出を果たしたが、08年の復帰に関して、クルムが現役を続けていたことの影響について聞くと、「僕は引退していなかったから、それもあるのかな」と述べると「僕は08年より前から、戦いの舞台での奥さんの本当のテニスが見たかった。エキジビションで試合をしてくれたんだけど、本当の真剣勝負をして欲しくて、長い話し合いをした。その結果、岐阜での大会から復帰することが決定した。そうしたら、ファイナルまで進んで、しかもその後全日本のチャンピオンになったので、『世界に行くしかない』となった」と続けた。
夫婦ふたりでトップアスリートとして活躍し続けられている“秘訣”に関しては「体を元気にするのが一番大事」なのだという。
「奥さんはそういうことにすごく厳しくて、睡眠も最低8時間は取っている。僕はあまり寝られない体質なんだけど、食べ物だとかも奥さんはすごく大事にしているので、ふたりでそうしたことに気を使っている。そうすると長く続けられる。その証拠に、奥さんは結果を出しているしね」
「あとはトレーニングだね。僕は最近は24時間のレースにあまり出ていないけど、ル・マンやニュルブルクリンクなどの24時間レースの前には結構ハードにトレーニングをする。短いレースは大丈夫なんだけど、年をとると24時間は結構ハード。特に、今回のル・マン24時間の夜のスティントは今までの人生の中で一番ハードだった。スリックで走っていたら雨が降ったり、セーフティカーが出たり、人が亡くなったりと、精神的にも苦しかった」
「そういう風にすごくハードだから、トレーニングをしていないと厳しい。それと、やっぱり寝る時間や食べ物など、体のケアがすごく大切だと思う」
ル・マン24時間ではLMP2クラス4位に入ったクルムだが、3位の26号車オレカ03・ニッサンがマシンに規定違反が見つかったとして結果から除外。26号車のチームを運営するデルタADRは控訴する意向を見せているが、現在のところクルムのドライブした42号車ザイテックZ11SN・ニッサンがクラス3位に繰り上がっている。また、公子さんは、ウインブルドンの混合ダブルスで3回戦を突破。ともに世界のトップで活躍を見せているふたりの、今後の活躍にも注目だ。
