100周年を迎えるインディアナポリス500マイルレース。22日は予選2日目が行われ、決勝レースに進出する33台が決まった。
インディ500の予選は非常にユニークなフォーマットだ。決勝に出場できるのは33台。今年のエントリーは41台で、1台は結局最後までドライバーが決まらなかったから、40台による戦いとなっていた。7人は予選落ちを喫するということだ。
予選は伝統的に2週末の4日間に渡って開催されていたが、参戦費用抑制のために近年は1週末の2日間だけで争われている。 予選最終日=予選2日目はバンプ・デーと呼ばれる。33個のグリッドが埋められると、そこからは速いスピードを記録した者が、33台中でもっとも遅いスピードの保持者を弾き出す(バンプ・アウト)する。それが予選終了の夕方6時まで続くのだ。
昨日のポール・デーには24個のグリッドが埋められたが、決勝進出を保証されているのはファスト9を戦った9台だけで、10位から24位までだったドライバーたちは、理論上はバンプ・アウトをされる可能性がある。実際には、昨日の24台はスピードが十分に高く、最後までバンプ・アウトされずに済んだ。予選最終日の戦いは、9個のグリッドだけを争うものとなった。
正午に始まった予選2日目は、ふたりがアタックしたところで雨によって中断になったが、2時すぎに再開された。午後3時前に33個のグリッドが埋められ、いよいよバンプ・アウトが始まる。
3時過ぎにポール・トレイシー(ドレイヤー&レインボールド)がアタック。今日の最速となる224.939mphをマーク。マイク・コンウェイ(アンドレッティ・オートスポーツ)がバンプ・アウトされ、トレイシーは25番グッドを手に入れた。昨年の予選落ちのリベンジが達成された。
この直後、またしても雨で予選はストップ。もう予選は再開されない可能性もあった。
女性ドライバーのダニカ・パトリック(アンドレッティ・オートスポーツ)は、まだアタックを行っておらず、彼女の順番はトレイシーの次だった。もう33個のグリッドは埋められている。雨が止まなければ、彼女は予選2日目にアタックすることなく予選落ちを喫する。そうなる可能性は十分にあった。しかし、雨は止み、彼女は224.861mphをマークして26番グリッドからの出場権を掴んだ。これが夕方の4時45分過ぎのことだ。
もう残り時間は1時間と15分というところ。ラファエル・マトス(AFSレーシング)、コンウェイ、セバスチャン・サーベドラ(コンクエスト・レーシング)、彼らは逆転のグリッド獲得をするためのスピードが出せずに苦しんだ。
この時に33番目のスピード保持者、つまりバンプ・アウトの候補となっていたのはマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)だった。5時51分、先ほどパトリックにバンプ・アウトされたアレックス・ロイド(デイル・コイン)がコースイン。残り5分でマルコをグリッドから弾き出した。続いてルーキーのジェイムス・ジェイクス(デイル・コイン)がアタック。しかし彼は十分なスピードを出せずにアタックを中止した。
5時59分、マルコはギリギリの残り1分でコースへと飛び出して行った。終了時刻までにコースインをしていれば、アタックを完了させることができるルール。このアタックをマルコは見事成功させた。224.628mphというスピードを記録し、28番グリッドを獲得したのだ。
アンドレッティ・オートスポーツにとっては、嬉しさと悔しさの入り混じった予選の結末となった。マルコが決勝レースへの出場権を掴んだのは、彼がチームメイトのライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポーツ)をバンプ・アウトすることで成し遂げられたからだった。
決勝レースを走る33人が決定した。その中に優勝経験者は5人、ルーキーも5人、女性ドライバーはエントリーした全員の4人が決勝進出を果たした。最多出場は過去11回走っているジョン・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポーツ)だ。出場を決めた中で最年少のドライバーは22歳のグラハム・レイホール(チップ・ガナッシ)で、最年長は48歳のデイビー・ハミルトン(ドレイヤー&レインボールド)である。
インディ500決勝レースは、29日現地12時からスタートする。
