2009年F1第16戦ブラジルGPの決勝が終了し、今季チャンピオンとなったブラウンGPのジェンソン・バトンや、このレースで優勝を果たしたレッドブル・レーシングのマーク・ウエーバーなど、各ドライバーたちが、それぞれのレースについて語った。

2009年F1第16戦ブラジルGP日曜日ドライバーズコメント

1 ルイス・ハミルトン(マクラーレン) 決勝3位
信じられないようなレースになり、すごくハッピーだ。後方からのスタートで、去年とは全く違う感じがしたよ。今回は僕はタイトル争いに絡んでなかったけれど、ジェンソンのためにものすごく嬉しい気分だ。彼と彼のチームや家族におめでとうを言いに行ったよ。僕のレースの話をすると、かなり後方グリッドだったので、表彰台に上れるなんて思ってもいなかった。でも全力で戦い、最初から最後まで必死にプッシュし続けた。いいオーバーテイクを重ねてポジション争いに勝ち抜いていくと、勝利したような気分になるよ。毎周プッシュし、予選のようなラップを続けたので、すごくハードだった。チームからはその調子でプッシュし続けろと言われ、僕らの戦略は大成功だった。チームの皆が頑張った。

2 ヘイキ・コバライネン(マクラーレン) 決勝12位
結果には表れていなくても、今日はすごくいいレースをした。給油の際にフュエルノーズのアクシデントで6、7周分の燃料をロスした。あのトラブルがなければ、ファーストスティントをもっと長くとれて、いくつか上の順位でフィニッシュできたはずだ。長時間小林に引っかかり、僕の方が速かったけれどその時にはリヤタイヤにひどいデグラデーションが起きていたために、追い越しをかけられなかった。でもコンストラクターズ世界選手権で僕らのチームがフェラーリの上に出ることができたのでとても嬉しい。今日のピットレーンのアクシデントがなければ、僕もポイント獲得に貢献できたのにね。でも今はもうアブダビを楽しみにしている。コンストラクターズ選手権でのポジション固めをし、今季を3位で終えるために全力で行こうと思っているよ。

3 ジャンカルロ・フィジケラ(フェラーリ) 決勝10位
最後列からのスタートとなった時点で僕のレースは厳しくなっていた。コバライネンとのアクシデントもあった。彼は僕の前でスピンし、そのせいで僕はコースアウトさせられた。おかげで、オープニングラップでいくつかポジションを上げようと思っていたのにそれができなくなった。僕らは1回ストップの戦略を選択し、これはうまくいっていたけれど、終盤にソフトタイヤにグレイニングができはじめ、前のマシンのペースについていくことができず、ポジションをひとつ落とした。その上、KERSが間欠的に作動してしまう症状が出ていた。ここまでのフェラーリでの経験を振り返ってみて、正直言って、少し動揺している。すべてが計画どおりに運んだ週末が一度もないんだ。次はアブダビで、皆が初めて走る場所だ。今日僕らはコンストラクターズ3位の座を奪われたが、次戦で取り返せるように全力を尽くす。

4 キミ・ライコネン(フェラーリ) 決勝6位
1周目のアクシデントで僕のレースは台なしになった。まず1コーナーでヒットされ、その後ウエーバーをオーバーテイクしようとしてヒットされてフロントウイングを失った。ピットストップで、コバライネンのマシンにくっついていた燃料ホースから落ちたガソリンのしずくが目に入り、その後炎に包まれ、周囲が見えなくなった。マシンをとめようと思ったけれど、幸い炎はすぐに治まった。今でもまだ目が焼けるように痛い。でも大丈夫だよ。リスタートの後は、戦略によってポジションを上げていけるよう頑張ることしかできなかったけれど、少なくとも何ポイントかは持ち帰ることができた。今日は表彰台に上れたはずなので、がっかりしている。でもまだあと1戦ある。アブダビでコンストラクターズ3位の座を取り返すために何ができるかを考えよう。

5 ロバート・クビカ(BMWザウバー) 決勝2位
昨日の雨の予選をローダウンフォースセッティングで走るというギャンブルをすることに決めたことが、今日の結果につながった。Q1はよかったけれど、Q3は大変だった。昨日の8位にはがっかりした人たちもいたけれど、僕はとても満足していた。今日の僕らのペースは速く、安定していた。序盤にはルーベンス・バリチェロとマーク・ウエーバーに楽についていけてびっくりした。でも15周ぐらいしてから、水温がかなり上がってしまったので、エンジンの回転数を下げなければならなかった。前のマシンから少し離れる必要があった。最初のピットストップの後、4台のマシンの後ろに押さえつけられることになり、ツイてなかった。その時にマークはギャップを広げることができたんだ。厳しいシーズンにおいて素晴らしい結果を出すことができた。来年もグリッドでこのチームと会いたいと心から思う。

6 ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー) 決勝リタイア
スタートは完璧ではなかったけれど、激しいバトルが見えたので、トラブルに巻き込まれないようにした方がいいと思ったんだ。その後すぐにターン2とターン5の出口でクラッシュがあった。2台オーバーテイクすることができたが、そのうちのひとり、ロメイン・グロージャンは全くフェアな走りをしなかったね。フロントウイングを失うかと思って心配した。彼を抜いた後、セバスチャン・ベッテルとのギャップを縮めたけれど、抜くことはできなかった。最初のピットストップを予定している時期がきて、このマシンはどのぐらい速く走れるのかなと思っていたら、燃料をセーブしろ、もっとセーブしろという連絡がきた。でもその時には遅くて、ターン8でガス欠になってしまった。でも少なくても今日はチームがハッピーになれる出来事があってよかったと思う。

7 フェルナンド・アロンソ(ルノー) 決勝リタイア
オープニングラップにはアクシデントが相次ぎ、ツイてないことにそれに巻き込まれてしまった。いいスタートをしたし、期待できる戦略を用意してレースに臨んでいたが、スーティルとトゥルーリが接触し、その際に運悪く僕もフォース・インディアにヒットされてしまった。ここは僕にとって特別なコースなだけに、本当に悔しい。このコースでレースをするのが大好きだし、今日はポイントを獲れたはずだった。

8 ロメイン・グロージャン(ルノー) 決勝13位
スタートはうまくいったけれど、その後グリップがなくなってきて、タイヤに熱を入れるのが難しくなった。ベストを尽くし、最初から最後までプッシュしたけれど、残念ながらそれでも十分ではなかった。レース終盤はよくなったけれど、序盤のトラブルが響いて13位に終わった。

9 ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ) 決勝リタイア
表彰台を十分狙えたので、今日の出来事には、非常にフラストレーションを感じている。1周目に(キミ・)ライコネンと競っていた(エイドリアン・)スーティルは、第4コーナーを非常にゆっくり走っていた。内側にスーティルがいたので、僕は外側のラインを取ったが、彼は僕をどんどん外に押し出した。結局、僕は芝の上に乗り、クルマをコントロールすることができなくなり、高速で壁にクラッシュした。我々2台ともコーナーを回る十分なスペースがあったと僕は思う

10 小林可夢偉(トヨタ) 決勝9位
厳しいレースだった。初めてのGPなので、F1で初めて経験することばかりで、学びながらの体験だった。体力的には非常に長いレースで、大変だった。完走することが目標だったので、それを達成できて嬉しいが、スタートしてからは、ポイントも狙える良いポジションにいたので、ポイント獲得を逃したのは少し残念だ。最初のスティントでのクルマは好調だったが、タイヤを交換すると、バランスが変わったように感じ、少してこずった。経験を積めば、克服できると思う。このように、今日は初レースであり、今後向上できることはいくつかあるが、今週のパフォーマンスには満足している。サポートをしてくれたチームのみんなに感謝したい。

11 ハイミ・アルグエルスアリ(トロロッソ) 決勝14位
完走できて嬉しい。またさらに進歩できたし、コースに出るたびに学習していると感じているからね。スタートはとてもうまくいき、小林を抜くことができた。でもグリッドがコースのクリーンな側ではなかったために、ストレートでスピードに乗れず、他のマシンに抜かれてしまった。その後はトラフィックにつかまり、ずっと苦しいレースを戦うことになった。でも前が開けた時には速く走れたし、全体的に見て今週末もまた一歩前進できたと思う。

12 セバスチャン・ブエミ(トロロッソ) 決勝7位
すべてのラップでハードプッシュしなければならず、とても大変なレースだった。でも中国以来の入賞ができて、僕にとってもチームにとってもいい結果が出せた。チームの皆は今日とても頑張ってくれた。スタートは1コーナーでクビカとロズベルグに挟まれてうまくいかなかった。彼らに抜かれてしまったのは残念だった。僕らのレースペースはそれほどよくなかったので、データを見てその原因を突き止めなければならない。金曜のパフォーマンスからしてトップ5フィニッシュを期待していた。だから、ポイントを獲れたこと自体は嬉しいけれど、期待した順位ではなかったので複雑だよ。今はアブダビを楽しみにしている。この結果をベースにしてさらに前進を果たさなければならない。

14 マーク・ウエーバー(レッドブル・レーシング) 決勝1位
すごくハッピーだよ! ファーストスティントではレースがどうなるのか全く予想はつかないものだけど、ルーベンスとロバートが僕より少し早くピットインすることは分かっていた。序盤はロバートと同じぐらいのペースで走ることができ、彼らがピットに入った後は、自分のセカンドスティントに備えてしっかりとギャップを築いておく必要があった。アウトラップでジェンソンをかわせたのもよかった。タイヤがスティントの最後までいい状態を保てるようにひたすら気を遣って走った。セカンドスティントではロバートが差を詰めてきたので少しパニックになったけれど、自分のペースはそれほど悪くなかったし、彼のミドルスティントはとても短いのだと分かった。その後はロバートとのギャップをコントロールし、終盤には彼はペースを落としたので、楽な気持ちでフィニッシュできた。また勝てて本当に最高の気分だ。これまで厳しいシーズンを送ってきた僕らチームは、今年何度か勝利を挙げることができたが、今日、コンストラクターズ選手権2位が確定した。今年僕らチームが成し遂げたことを本当に誇りに思う。ルノーにも感謝したい。彼らのエンジンはとても素晴らしかったし、彼らは決して楽ではない環境の中で頑張ってくれた。素晴らしい戦いの末に今日タイトルを獲得したジェンソンとブラウンにおめでとうと言いたい。今週末はオーストラリア人にとってはいい週末だった。昨夜はスピードウェイ世界選手権でジェイソン・クランプがタイトルを獲得した。親しい友人の彼が、難しい状況の中でタイトルを獲ることができ、いい週末になった。

15 セバスチャン・ベッテル(レッドブル・レーシング) 決勝4位
今日は僕よりハッピーな男がブラウンチームにひとりいるはずだよ。全体的にいいレースだった。後方からスタートして4位でフィニッシュできた。クラッシュがあったことで助けられたのだが、今日はこの4位が僕らに可能な精いっぱいの結果だったと思う。昨日の予選の問題がなければ、レースで勝っていたはずだ。でもそれができなかったのだし、あまり言うべきことはないよ。レースの間、プレッシャーはそれほどなかった。1周1周に集中して走っていたんだ。ジェンソンがすぐ前にいるとか、すぐ後ろにいるといかいうことは知っていて、彼がポイントを獲得するだろうことは分かっていた。でも最後の数周になるまではそういうことは考えないものだ。それまでの間は、何が起こるか分からないわけだから。ある時点で雨が降るよう祈り、少し雨の匂いがしたのだが、実際には降らなかった。ジェンソンとブラウンにおめでとうを言うよ。彼らは今年最高の仕事をしたと思う。

16 ニコ・ロズベルグ(ウイリアムズ) 決勝リタイア
いいスタートができた。グリッドからの滑り出しでひとつポジションを上げ、前で起こったアクシデントにも巻き込まれずに済んだ。3位を走っていたけれど、セーフティカー後のリスタートでクビカに抜かれた。それでも僕らは強力な戦略を用意していたし、ペースもよかったから、4位でも問題なかった。うまくいきそうだったけれど、ギヤボックスにトラブルが発生した。期待できそうな週末だっただけに、この結果は残念だ。

17 中嶋一貴(ウイリアムズ) 決勝リタイア
スタートで運よく何台か抜くことができ、いくつかのアクシデントの後には順位を上げていた。リスタートの後は大変だった。ポジションをキープすることができず、トラフィックにつかまってしまった。いいレースをしていたのに、アクシデントに見舞われてしまった。こんな風にレースを終えることになって、がっかりしている。

20 エイドリアン・スーティル(フォース・インディア) 決勝リタイア
スタートでキミにアウト側がら抜かれてポジションをひとつ落としたけれど、問題はなかった。無事に次のコーナーに向かったが、キミがウエーバーにヒットしてフロントウイングを失った。彼の後ろでコーナリングをしていたら、突然後ろからヒットされ、マシンのコントロールを失った。トゥルーリがアウト側のラインをとろうとしていたんだが、スペースなんて全然なかったし、僕には彼は全く見えなかった。あれは本当に馬鹿げた行為だ。あの段階であんなことをする意味はないし、おかげで僕はグラベルに飛び出すことになり、レースをあまりにも早く終えることになった。ヤルノは激怒していて、お前のミスだと言ってきたけど、僕は自分に起きたことを説明した。でももう終わってしまったことだし、彼はこの問題に向き合うしかないね。

21 ビタントニオ・リウッツィ(フォース・インディア) 決勝11位
長いレースだった。昨日ギヤボックスを交換してグリッド最後尾からのスタートとなった。セーフティカーが出たのでその間にソフトタイヤに交換し、1周だけ使った。ソフトでは長めのスティントを走るのは無理だと思っていたんだ。ファーストスティントでハード側のタイヤを使っている時、ペースはよかったが、セカンドスティントではひどいオーバーステアに苦しみ、ジャンカルロを抜くことができなかった。その後、ブレーキトラブルが発生してそれがレースに影響した。でもこの難しいグランプリで少なくとも完走できたのは重要なことだし、よかった。僕らは雨だととてもコンペティティブだと思ったので雨になってほしかったけれど、そうはならなかったね。この後はアブダビのことに集中するよ。

22 ジェンソン・バトン(ブラウンGP) 決勝5位
今日はキャリア最高のレースができた。この時間を心から楽しむつもりだよ。チームのためにコンストラクターズとドライバーズ両選手権をここで獲得でき、本当に最高の気分だ。チームは冬の間ずっと辛い時期を過ごしてきた。彼らはこのタイトルにふさわしい。今シーズンはジェットコースターのようなシーズンだった。序盤は絶好調だったがシーズン後半は歯車がかみ合わず、タイトル獲得のために必要な結果を取りこぼした。一年を通して僕らをサポートしてくれたノルベルト・ハウグとメルセデス・ベンツ・ハイ・パフォーマンス・エンジンズに、僕らは心から感謝している。彼らが僕らチームを信頼し、力を貸してくれなければ、そして彼らから素晴らしいエンジンを提供してもらえなければ、今日の成功を成し遂げることなどできなかった。僕個人が感謝の言葉を贈りたい人たちのリストはあまりにも長すぎて、ここで挙げることはできないけれど、それが誰なのかは彼ら自身が分かってくれているはずだ。この数年において彼らのサポートがどれだけ僕の力になったかもね。ブラックレーのファクトリーで懸命に働き、これほど素晴らしいマシンを作ってくれたスタッフ全員に感謝する。実感できるまでしばらく時間がかかると思うけれど、生涯の夢を実現させたことを今、大いに喜んでいる。今夜は最高のパーティーになりそうだよ。

23 ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP) 決勝8位
今日の結果には当然がっかりしているけれど、ブラウンGPがこのような一年を送れたことを喜ばなければならない。最高のマシンと最高のチームが揃い、シーズン開幕直前の状況を考えれば本当に信じられないような一年を過ごすことができた。友人としてジェンソンのために心から喜んでいる。彼は素晴らしいチャンピオンだ。僕らはとてもいい関係の下で共に働いてきた。それはこの一年を見ればはっきりしている。彼はよくやったよ。僕らは本物の戦いを繰り広げ、僕は必死に戦ったけれど、実質的に彼はシーズン前半に勝負を決めていた。今年のチームは本当に素晴らしかった。コンストラクターズとドライバーズの両選手権を今日勝ち取ったわけだが、チームはそれにふさわしいよ。今日は皆で一緒に最高の夜を過ごすことになるだろう。コンストラクターズタイトル獲得のために貢献できたことを嬉しく思っている。

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