マクラーレンのチームプリンシパル、マーティン・ウィットマーシュは、ルイス・ハミルトンがヨーロッパGPの勝利を逃したのは、ピットストップのミスのせいではなく、MP4-24に十分な速さがなかったせいだと述べた。
バレンシアでのレースでハミルトンはスタートからトップを走行していたが、最後のピットストップに入ると、タイヤの準備ができておらずロスがあり、その後ルーベンス・バリチェロに首位を明け渡す結果となった。
しかしウィットマーシュは、ピットストップのロスによって優勝を失ったわけではないと強く主張する。
「我々のレースペースはルーベンスのマシンに勝てるほどのものではなかった」とウィットマーシュ。
「我々はフロントランナーたちの多くと異なるタイヤ戦略をとった。これは正しくもあり、間違ってもいたと思うが、今日の我々には勝てるだけの速さはなかったというのが事実だ」
「そのため、最後のピットストップに向け、確実な2位ではなく、もしかしたら得られるかもしれない優勝をルイスに狙わせるため、リスクを承知で賭けに出て、ルイスとヘイキ(・コバライネン)のピットストップを最後の最後で逆にしようとした」
「ぎりぎりの決断をしたため、ピットレーンで混乱が生じ、おそらくルイスには2秒ほどのロスが発生した。だが、ルーベンスのレースペースは速く、2秒のロスがなくてもレース結果に違いはなかった」
「つまり、ルーベンスは勝てる戦略を持っているのを知っていたため、我々はリスクを冒す決断をしたということだ。それしかルーベンスから勝利を奪うチャンスはなかった」
一方、2位に終わったハミルトンは、レース後、次のように説明している。
「ルーベンスに勝つのは難しく、トライしてみたけれど十分ではなかった。2回目のピットストップの前に、燃料をセーブして走ったものの余分に1周走ることが可能なのかどうか確信が持てなかった。ピットからは最初ピットインするよう指示がきた。でも僕が入ってくるちょうどその時に、コースにとどまってあと1周走るように言われたんだ。でも僕はすでに(ピットへのエントリーの)白線の内側にいたから、もう遅かった」
「ああいった状況下では、安全策をとってピットインする方がいい。一番避けたいのは、コース上でガス欠になることだからね。でも(チームは)ぎりぎりの指示をした。チームは限界に挑んでいたが、僕やメカニックにとっては少し遅すぎて、メカニックたちは十分準備できていなかった」
「間違いなく彼らはこの世界で最高のレベルの力を持っていると思う。今回のことは、チームが安全に2位を狙うより優勝の可能性に賭けるため全力を尽くそうとした結果にすぎない」
「それでもとにかく、僕らの今週末のパフォーマンスはこのところ僕らが大きく前進したことを証明している。でも最速のマシンと比べると僕らのレースペースはまだ不足している。その点を解決するための取り組みを行っているよ」
