WTCC世界ツーリングカー選手権第6ラウンドのオーストリア戦で、前輪駆動車に多発したタイヤのトラブルを受けて、WTCCにワンメイクタイヤを供給する横浜ゴムの関口和義モータースポーツグループリーダーは、チームに対して過剰な車両セットアップを避けるように提言している。

 ザルツブルクリンクで開催されたWTCCオーストリア戦では、高い気温になったこともあり、レース2でFF車にタイヤトラブルが多発。上位を走っていたシボレーワークス勢が、いずれも順位を落とし、FR車であるBMW320TCをドライブするステファノ・ダステが優勝を飾った。

 今週末に開催されるポルトガル戦は、ザルツブルクリンク同様にタイヤに厳しいサーキットで、高い気温とタイヤ負荷が予想される中、FF車を使用するチームの中には懸念が生じているという。これに対し横浜ゴムの関口グループリーダーは、英AUTOSPORTに対し、マシンセットアップについて注意するように語った。

「ザルツブルクリンクでは、FF車8台がパンクチャーに見舞われました。我々はチームとも話をし、チームと同様に落胆しています。ただ、我々はこの事が起こりうる残念なことと考えています」と関口グループリーダー。

「ザルツブルグリンクの高速かつバンク付きのコーナーがあるコースレイアウトは、特にFF車のフロントタイヤに厳しく、今回の問題の大きな要因になりました。チームには2010年の経験があるので、ポルトガルでも同じような問題が起きるとは思いませんが、チームには過剰なキャンバー角をつけることや、低すぎる空気圧を設定しないように提言する予定です」

 横浜ゴムとFIAとの契約では、シーズン中にはタイヤのモディファイを行わないことになっていることや、時間的制約からポルトガル戦にタイヤの変更は行わないと関口グループリーダーは語るが、もし来季もザルツブルクリンクがWTCCのカレンダーに掲載された場合、タイヤの変更について検討する可能性もあると言う。

「FIAとのタイヤ供給の契約は今季で終了しますが、来季からの3年間の契約に向けて動いています。もし我々が再び選ばれ、そしてザルツブルクリンクが来季も開催地として決まったら、タイヤの仕様変更を検討するかもしれません」

「ただ、我々の現在のタイヤはFF車とFR車の間でいいコンペティションのレベルを保っていると考えています。大きな変更にはならないでしょう」

 関口グループリーダーはまた、ザルツブルクリンクでレース2に多発したトラブルについて、レース1では二度セーフティカーが介入したため、タイヤが冷えたことにより、トラブルが生まれなかったと説明している。

「ザルツブルクリンクのレース1ではトラブルが何も起きませんでしたが、二度セーフティカーが入っていました。ほとんどのチームが、レース2に向け自信を得たのだと思います。多くのチームがレース2に向けてセットアップを変えていなかったと認識していますが、レース2はセーフティカーがなく、そして路温はレース1と同じく高いものでした」

「FF車の中でもフォード・フォーカス勢にはタイヤのトラブルが発生しませんでしたが、そこまで攻めたセットアップをしていなかったのでしょう。もしくはフォーカスの車両特性がセアトやシボレーに比べてタイヤに優しかったのかもしれません」

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