デイビッド・リチャーズが2010年にF1に参戦する場合、アストンマーチンかプロドライブのどちらかのブランドを使用するものと考えられてきたが、最近になって新たに、中東国のブランドの下ガルフカラーを使用するのではとの推測も出てきている。
FIA世界モータースポーツ評議会で来年は4,000万ポンドの予算制限制が採用されることが決定した。この制度により、リチャーズは来季F1参戦を検討する気になったと見られている。
中東ではすでにバーレーンとアブダビがF1カレンダーに加わっているが、現在、投資者候補と交渉するために中東を訪れているリチャーズは、それ以外のアラブ首長国連邦の国々をモータースポーツにとっての新たなマーケットとして開拓したいと考えている。このエリアは経済的に豊かなだけでなく、物価が比較的安く、労働力の面でも優れた人材を多く有している。
リチャーズは、UAEに機械的な製造を行う予備のコンポジットプラントを置き、ヨーロッパの本拠を補助する役割を与えることを計画しているようだ。また、彼が明かしたところによると、彼自身はチーム代表は務めず、実務をこなすチームプリンシパルとして若手を起用する考えであり、コスワースとの間でエンジン契約の交渉を行っているということだ。
「(中東という)選択肢を真剣に考えている」とリチャーズはアブダビのナショナル紙にコメントした。
「だからこそここに来た。UAEや他の国々との交渉を行う。我々はガルフとの提携も考えている。彼らは再び投資を行いたいと考えるようになるはずだ。我々がそれに対してどこまで対応できるのかを見ているところだ」
「この地方ではサーキットに対して多大な投資がなされてきたが、チームへの関与が行われれば、この地域はさらに大きな存在になる。世界中に知れ渡るようになるのだ」
「我々が行っていることには、極めて大きな関心が寄せられている。ふたりの人物が、プロジェクトに加わりたいとアプローチしてきた。我々の組織がはこの地域にとって非常に大きな利益をもたらすことになるだろう」
プロドライブブランドでの参戦は、経済的な利益をそれほど生まないと思われるが、アストンマーチンブランドを使用すれば、フェラーリ同様、市販車のセールスを大きく後押しする可能性がある。しかし中東からのエントリーを行えば、さらに多くの利益を生むことになるかもしれない。
一方、grandprix.comは、リチャーズはアストンマーチン・レーシングの主要スポンサーであるガルフオイルと交渉を行っているようだと報じており、ブルーとオレンジのカラーリングをマシンに使用することになるのではと推測されている。
