ブラジルGPでコンストラクターズ、ドライバーズの両タイトルを獲得したブラウンGPのチームプリンシパル、ロス・ブラウンが、ジェンソン・バトン、ルーベンス・バリチェロなどチーム全員を誇りに思うと述べると共に、今季参戦にあたってリストラせざるを得なかった元従業員たちにも感謝の言葉を述べた。
コンストラクターズ選手権ではあと1ポイントを獲ればブラウンのチャンピオンは決定する状況だったものの、バトンがドライバーズタイトルをブラジルで決めるには、バリチェロとベッテルに10ポイントの差をつけなければならなかった。
予選14位に終わったバトンだが、決勝では素晴らしい走りを見せて5位を獲得、バリチェロは8位、ベッテルは4位で入賞したものの、ランキング2位のベッテルに15ポイントの差をつけてバトンが初のチャンピオンとなり、ブラウンGPも同時にタイトルを決めた。
昨年ホンダがF1撤退を決め、今季開幕ぎりぎりまで参戦すら危ぶまれていたチームが、新たなチームとしてスタートした初年度にダブルタイトルを獲得したことに、ロス・ブラウンは喜びを表している。
「最高の一日だ!」とブラウンはレース後にコメントしている。
「チームと我々のドライバーたちを本当に誇りに思う。ブラウンGPとしてのデビューイヤーにコンストラクターズとドライバーズの選手権を獲得できて、格別な気分だ。シーズンの滑り出しは好調だったものの、シーズン後半は厳しかった。しかし厳しい時期を経て結果を出すというのが、選手権シーズンにおいて重要なことである。今日の成果が実感できるまでにはしばらく時間がかかるだろう」
バトンはシーズン最初の7戦で6勝を挙げる活躍を見せ、これが決め手となってタイトルを確保できた。シーズン後半はバリチェロが勢いをつけて、バトンを追い詰めた。ブラウンは熾烈なタイトル争いを繰り広げたふたりのドライバーを賞賛した。
「ジェンソンは最高のレーサーだ。昨日の予選で厳しい状況になったにもかかわらず、今日は本当に素晴らしいレースをした。彼は自分がやるべきことを知っており、それをきちんとやってのけた。ワールドチャンピオンにまさにふさわしい」
「ルーベンスは今季大きな貢献をしてくれた。彼の貢献がなければ我々が今日コンストラクターズタイトルを獲得することはできなかっただろう。選手権を争ったふたりのドライバーのスピリットを、私はとても誇りに思う。彼らはチームの誇りであり、このスポーツの誇りである」
ブラウンは、エンジンサプライヤーのメルセデスに対して感謝の言葉を述べた。さらに、ホンダからブラウンへとチームを再構築する際にチームを去らなければならなかった元従業員たちにも心からの感謝を表している。
「冬の間、そして今シーズンを通してチームが見せた努力とやる気は、本当に素晴らしいものだった。この機会にメルセデス・ベンツに対して感謝の念を表したい。彼らは我々チームにとって最高のパートナーであり、今季我々と一体になって戦ってくれた。彼らの貢献があったからこそ我々は成功できたのであり、マクラーレンも冬の間からシーズン初めにかけて我々をサポートしてくれた。両者のおかげで今日我々はこのポジションに立つことができたのだ」
「ブラックレーのファクトリー、そしてメルセデス・ベンツ・ハイ・パフォーマンス・エンジンズのスタッフ全員に、今日我々が成し遂げた結果を心から誇りに思ってほしい。また、我々は今季をスタートするにあたりチームをリサイズせざるを得なかったため、過去何年にもわたりチームと共に働いてきたにもかかわらず今季我々と共に戦うことができなくなった人々がいる。私は彼ら全員に感謝したい。彼らは本当に一生懸命働いてくれた。彼らには我々の成功の一部であると思ってもらいたいし、心から感謝している」
