全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第6戦スポーツランドSUGOは23日、強い雨の中68周の決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートした伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)が混戦を制し嬉しいフォーミュラ・ニッポン初優勝を飾った。

 佐藤琢磨(TEAM無限)のフォーミュラ・ニッポンデビュー戦ということもあり、多くのファンが訪れた第6戦SUGO。しかし、全日本F3第13戦の決勝時よりも雨が強く、レースはセーフティカースタートとなった。

 セーフティカーは4周を終えピットに戻り、ここでレース開始となるが、伊沢と塚越のふたりがスタートを決め一気にリードを築くことに。その後方は松田次生(TEAM IMPUL)、中嶋一貴、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)、大嶋和也(Team LeMans)、ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO)と続くが、デュバルが11周目に大嶋をパスし6番手を奪う。また、ロッテラーは早めのピット戦略を選び、12周を終え給油のみを行った。

 スタート時点でも強かった雨は、15周目前後にはさらに強さを増すことに。水煙が大きく上がるFN09ではかなりオーバーテイクは困難な状況となっていった。

 しかし、レース折り返しとなる33周を過ぎる頃には、雨量が減り始め全体的にペースが向上。そんな中、天候とレースの展開を見ながら各車ピット作業を行っていき、ほとんどのマシンがタイヤ交換を行わず給油のみを実施。その中で、ハイペースでレースを展開していたデュバルが10秒程度のピットインで一貴、そして給油リグにトラブルが起きやや遅れた松田の前に浮上する。

 一方、トップを走る伊沢と2番手塚越の間隔は少しずつ広がっていき、かつ2台はピット作業を遅らせる作戦を実施。後続に充分なマージンを保ったDOCOMO DANDELIONのふたりは50周を終え塚越が、翌周に伊沢がピットに入り、12〜13秒でピットアウト。ポジションを守ってコースに復帰した。

 トップを守り悲願の初優勝を目指す伊沢だったが、終盤に築いたマージンが突如一気に失われてしまう。57周目、5番手を走っていた松田の右リヤタイヤが最終コーナーで外れ、松田はたまらずコースオフ。最終コーナーアウト側で最もスピードが乗る場所でストップを喫してしまい、この回収のためにセーフティカーが導入されることになったのだ。

 セーフティカー明け、うまく後続をコントロールした伊沢は、塚越を従えトップを守るが、塚越の後方からデュバルが迫る。一方で、その後方では4番手大嶋とロッテラー、一貴が大混戦! 65周目の2〜3コーナーにかけて3台は一団となり、挟まれる形になったロッテラーがたまらずコース中央でスピン! これを避けるため後続は混乱となり、ポイント圏内を争っていた琢磨がグリーンに飛び出しポジションを落としてしまった。

 先頭の伊沢は厳しいタイヤながら、難しい路面で最後までマシンをコントロールし続け、68周を走りきり嬉しいフォーミュラ・ニッポン初優勝! 2位には塚越が入り、3位はデュバルという結果に。大嶋4位、一貴は5位でチェッカーを受けた。着実なペースで金石年弘(HP REAL RACING)らとポイント圏内を争った琢磨は9位でチェッカー。ポイント獲得はならなかったものの、シングルポジションでFニッポン初レースを終えた。

 この結果、チャンピオン争いは一貴が38ポイントでトップのまま最終戦へ。今回2位の塚越が37ポイント、無得点に終わったロッテラーが33ポイント、伊沢32ポイント、ジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)が31ポイントとなっている。

本日のレースクイーン

小高実和おだかみわ
2025年 / スーパー耐久
Access Racing
  • auto sport ch by autosport web

    FORMATION LAP Produced by autosport

    トランポドライバーの超絶技【最難関は最初にやってくる】FORMATION LAP Produced by auto sport

  • auto sport

    auto sport 2026年1月号 No.1615

    ネクスト・フォーミュラ 2026
    F1からカートまで
    “次世代シングルシーター”に胸騒ぎ

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円