今季、GP2と並行してAUTO GPにフル参戦している佐藤公哉(ユーロノバ)が、悲願のタイトルを手中に収めた。第7ラウンドとなるニュルブルクリンクのレース1で優勝、レース2では3位表彰台を獲得し、最終戦を待たずして王座を決めた。

 2011年からヨーロッパに渡り、ユーロF3、ドイツF3からステップアップした佐藤は、2013年からAUTO GPに参戦したが、タイトルを争いながらも最終戦で惜しくも王座を逃す結果に。今季はGP2で戦いながら、AUTO GPにも並行して参戦していた。

 迎えた第7ラウンド、15日の練習走行では2番手と上々の滑りだしをみせるも、予選Q1のアタック中にブレーキトラブルが発生。応急処置を施してセッション終盤にコースインするも、1コーナーで減速できずにコースアウト。クラッシュした佐藤はノータイムで予選最下位に終わってしまう。

「垂れ下がってしまったブレーキラインを速度センサーが切断するという、ちょっとあり得ない不思議なトラブルで、予選ではタイムアタックできずじまいでした。クラッシュの後遺症で胸に痛みがあったので、念のために村の病院でレントゲン撮影しましたが、特に問題はありませんでした」と佐藤は体の痛みを押し、タイトルに向け決勝に臨んだ。

 迎えた16日のレース1では、最後尾からスタート直後に8番手へ浮上し、1周終了時点で早くも6番手へ。佐藤はファステストを記録しながらピット作業を遅らせる作戦を採る。レース途中、ほとんどのドライバーが黄旗無視というペナルティをとられ、佐藤も同様にペナルティを課せられてしまった。

 佐藤はこの影響もあり2位でチェッカーを受けるが、レース後優勝したドライバーにも同じくペナルティがあったと判定され、佐藤が繰り上がりで優勝を飾った。

「決勝レース1は11番グリッドのスタートながら表彰台に立てました。繰り上がりとはいえ、ルールがきちんと適用されたうえでの今季6勝目は素直に嬉しく思います」とレース1を振り返った佐藤。

「僕のクルマは予選の一発もそれなりに速いだけでなく、最大の強みは決勝でのロングランも速いことです。しかも、ドリフトするくらいに攻めても挙動は安定していますし、タイヤの減りも少なかったのが勝因と言えます」

 17日のレース2でも、佐藤はリバースグリッドの8番手から追い上げをみせるが、タイトなニュルブルクリンクで2番手を追い立てるもオーバーテイクはかなわず。それでも3位表彰台を獲得し、最終戦エストリルを待たずして2014年AUTO GPチャンピオンを決めることとなった。

「最低限でも表彰台には立てると信じ、決勝レース2も優勝を目指して戦いました。ピットストップ完了後のレース中盤以降、前のドライバーのペースが遅かったので何度がアタックを試みましたが、残念ながら3位に終わりました」と佐藤。

「それでも、最終大会を待たずチャンピオンタイトルを獲得できて肩の荷が下りました。僕にとってはフォーミュラカーで初のタイトルです。もっとも、自分の2014年シーズンはまだ終わっていません。残るGP2の4大会、まずは来週に迫ったGP2のスパで、自分の実力をあらためて示さなくてはいけません」

 佐藤が語るとおり、GP2はAUTO GPとは競争のレベルが段違いだ。シーズン終盤ながら佐藤はGP2でも尻上がりに調子を上げてきており、チャンピオン決定の勢いそのままにGP2での活躍を期待したいところだ。

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