桜井孝太郎選手、ニュージーランド『トヨタ・レーシングシリーズ』
開幕戦ルーキークラス3位を獲得! 3戦連続完走を果たす。
F1で活躍する小林可夢偉選手に続き、ヨーロッパを戦いの場として見据える若きサムライ、日本人最年少BMWスカラシップドライバー、桜井孝太郎選手(16歳)が、ニュージーランド最高峰のレースシリーズ、『トヨタ・レーシングシリーズ』にデビュー。開幕戦のテレトンガ・パークサーキットで見事ルーキークラス3位を獲得しました。
急遽参戦が決まり、レースウィークの火曜日に現地入りした桜井孝太郎選手は、チームとの初顔合わせを済ませ、さっそくシート合わせに取りかかりました。他のドライバーたちは昨年の12月からテストを開始しており、一歩も二歩も遅れを取った感は否めません。しかし、開幕戦ということもあって、水曜日に外国人選手枠として3セッション、合計2時間の特別練習走行が許されました。
午前11時からの走行は順調で、4番手タイムをマーク。しかし、午後のセッションはシフトリンゲージや、ミッション・トラブルが多発し、満足に走行することができませんでした。貴重な走行時間をピットで過ごす、フラストレーションが溜まる一日でした。
木曜日、金曜日のフリー走行でもトラブルが続き、満足に走り切れたセッションは皆無という状況ではありましたが、GP3を戦うチームメイトやイギリス・フォーミュラ・フォードのルーキーチャンピオンのチームメイトを凌ぐタイムをマーク。初めてのマシンとはいえ、絶対的な速さには自信を深めて開幕戦を迎えることとなりました。
土曜日の予選は、ゆっくりとタイヤを暖め、いよいよアタックラップに入ったところで赤旗中断。再びアタックに出たタイミングでまたしても赤旗。最後の2分間でラストアタックという厳しい状況の中、高速で飛び込む第1コーナーを攻めすぎた桜井孝太郎選手のマシンは360度スピン。そのままコースには復帰したものの、予選結果は、屈辱的な最後尾からの出走となりました。第2戦のグリッドも、予選のベスト&セカンドタイムの平均となっていたので、最後尾スタートが決定しました。
開幕戦の決勝レース。覚悟を決めて飛び出した桜井選手は、1周目から着実にポジションをアップ。途中、2度のセーフティーカー、赤旗中断、再スタートという荒れたレースを7位完走。ルーキークラス3位でチェッカーを受けました。
続く第2戦はスタート直後に10番手までポジションをアップしたものの1周目に赤旗。再び最後尾からのスタートとなりました。再スタートでは、ライバルたちの脱落をよそに、最後まで耐える、粘りのレースを続けて無事11位完走を果たしました。
第3戦を前に、突然、大粒の雨が降り出しました。桜井選手にとっては恵みの雨です。滑りやすい路面の中で、マシンの本来の挙動を確かめるチャンスがやってきたわけです。レース中に様々なドライビングのトライをし、マシンの基本的な特性を掴んだ桜井選手は次々とラップタイムを更新しながら8番手までジャンプアップ。しかし、再びセーフティーカーが入り、再スタートで直後につけたレッドブル・ジュニアのダニエル・クビアト選手に抜かれ、さらに第2コーナーで豪雨の水煙に視界を奪われコースアウト。すぐに復帰するものの、結果的に13位完走で終わりました。
厳しい内容ではありましたが、すべてのレースに完走を果たし、経験という大きな収穫を得たレースでもありました。次戦は1月20日~23日、ティマル・インターナショナル・スピードウェイで開催される『ティマル・ヘラルド・トロフィー』に挑戦します。
●桜井孝太郎選手のコメント
「オフのテストを欠席し、ぶっつけ本番でレースウィークに突入しただけに、厳しい戦いとなることは、ある程度予想していました。しかし1秒以内に全員が並ぶ激戦だとはいえ、予選最後尾は正直、ショックでした。でも気持ちを切り換え、3レースとも最後まで粘り強く戦ってやるんだと心に決めて、決勝に臨みました。僕にとってより多くの走行経験を積むことが、このレースのひとつの大切な目標だったからです。
決勝レースがスタートすると、ルノーのチャンピオンや、フォーミュラ・フォードのチャンピオンとは互角のスピードで走れることがわかりました。それでも自分には何かが足らない。不完全燃焼な気持ちのまま、第1戦、第2戦を終えましたが、その何かを、雨の第3戦で見つけ出しました。セットアップの方向性とマシンの特性を理解していなかったのです。チームにも経験やデータがなく、自分もこのマシンが初めてだったので、完全にドライビングで勘違いをした部分がありました。フォーミュラ・BMWでは通用したテクニックが、このマシンでは通用しなかったのです。それに気がついたことが大きな収穫でした。次のティマルでは、フリー走行から飛び出してもいいから、その走りにトライします。僕にとっての本当の開幕戦は、次のティマルのつもりで頑張ります」
