ちょっと毒舌なF1ジャーナリストがお届けするF1の裏話。昨年、好評連載されていたこちらのコラム。今年も引き続き、F1速報サイト限定コラムの一部をお届けします。

昔のアブダビGPの思い出
 さぁて何から話そうかな。実はアブダビという国には面白いことがあまりないんだ。あえて言うなら天気がいいことぐらい。ヨーロッパから来る観光客の目的は真冬の太陽。ヨーロッパから近く、暖かな気候で、戦争もなく、インド洋やカリブ海に行くよりも費用がずっと安く済む。だけど観光ガイドに1カ所、引っかかる点が。「ここは素晴らしいところだがドバイのような興奮はない」と書いてあるが、ドバイに興奮できるようなものが何かあったかなぁ。気づかなかったけど。

 2010年のアブダビGPは、レースとしては面白かったとはいえないけれど、コメディとしての価値はかなり高かったと思う。フェラーリのストラテジストはタイトルを狙うフェルナンド・アロンソの最大のライバル、マーク・ウエーバーをカバーすることに気をとられて、セバスチャン・ベッテルに王座をさらわれることに気付くのが遅れた。どうしても前のマシンを抜けずに苦しむ様は相当笑えたね。昔モナコでデイビッド・クルサードがエンリケ・ベルノルディに長々と押さえつけられたことがあったが、その時以来の滑稽なシーンだった。

おしゃべりなキミ
 予選でとっちらかったベッテルは、決勝で気合を入れてばんばんオーバーテイクしていったね。土曜はイマイチだったけれど、金曜にはベッテルはすごくご機嫌で、FP1の最初のアウトラップで、レースエンジニアのリカルド・アダミのためにイタリア語で「ハッピーバースデー」を歌っていた。走りながら歌う声が無線で流れたが、音程はわりとしっかりしていた。

 ところで、決勝前のドライバーズパレードを見た人、ルイス・ハミルトンはどんどんおかしくなってきていると思わなかった? 他のドライバーたちはトラックの後ろでおしゃべりしているのに、ルイスはひとりぼっちで運転手のすぐ後ろのスペースに立っていた。「タイタニック」のレオナルド・ディカプリオの真似でもしたかったのかな。もしくはケイト・ウィンスレットの方?

 決勝中、ハミルトンは自分で戦略を選べたはずなのに、結局はエンジニアにたてつくことなく従った。これは残念だった。メルセデスのチームメイトバトルが見られたかもしれなかったのに。まぁ、来年に期待しよう。

 ライコネンが表彰台に上ったのは嬉しかったね。本当に面白かったよ。レース後の記者会見で、3人の中で一番しゃべったんじゃないかってぐらい饒舌だったんだ。おしゃべりなキミが見られるなんて、めったにない貴重な体験だ。優勝以外はどっちでもいいという様子で、3位のトロフィーなんかウォッカ一瓶と取り換えてしまいそうだった。

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