June 11 2011, RACE
IZOD IndyCar Series Firestone Twin 275s
2011年6月11日(土)
決勝
会場:テキサス・モーター・スピードウェイ
天候:快晴
気温:34~37℃
ダリオ・フランキッティとウィル・パワーがダブルヘッダーでそれぞれ優勝
佐藤琢磨は第1レースでオーバルでの自己ベストとなる5位フィニッシュ
6月11日(土)、IZODインディカー・シリーズ第6戦の決勝レースが開催された。
ナイト・レースとして開催するテキサス・モーター・スピードウェイでのインディカー・レース。今年は新たな試みとして、1周1.5マイルのコースを114ラップするレースを続けて2回行うダブルヘッダー方式で行われた。
気温が徐々に下がっていく夜の7時15分過ぎに第1レースがスタート。予選2番手だったダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)は、ポール・スタートだったアレックス・タグリアーニ(Sam Schmidt Motorsports)を序盤にパス。110周をリードする圧倒的な速さで優勝へと逃げ切った。
2位にはフランキッティのチームメートであるスコット・ディクソンが予選7位から入賞し、予選3番手だったウィル・パワー(Team Penske)が3位に入る。
佐藤琢磨(KV Racing Technology-Lotus)は、オーバルにおける自己ベストとなる予選4位からスタート。ディクソンに先行を許したために1つ順位を落としたものの、今年の開幕戦セント・ピータースバーグに並ぶ5位でのゴールを果たした。これまでのオーバルでのベストは昨年、ツインリンクもてぎで行われたインディ・ジャパンでの12位だったため、5位はオーバルにおけるキャリア・ベストのリザルトとなった。
また、第2レースは、出場ドライバー全員がクジを引いてスターティング・グリッドを決定するルールを採用。第1レースの順位が悪かった順にクジを引いたが、ここで明暗が大きく分かれた。パワーが3番グリッドを引いたのに対し、フランキッティは28番手、ディクソンは18番手と後方からのスタートを余儀なくされた。
フランキッティ、ディクソンのChip Ganassi Racing勢がトラフィックをかいくぐってポジションを上げるのに四苦八苦する中、パワーはポールポジションだったトニー・カナーン(KV Racing Technology-Lotus)、2番手スタートだったルーキーのワイド・カニンガム(Sam Schmidt Motorsports)をパスし、見事オーバル初優勝を飾った。
ディクソンは18番手スタートながら、一時はパワーに迫る勢いで猛追。しかし、逆転は果たせず、2レースとも2位という悔しい結果でフィニッシュ。第1レースで優勝を果たしたフランキッティは、28番グリッドから7位まで順位を上げてフィニッシュした。25番手スタートだった佐藤も13台抜きを達成し、12位でゴールすることに成功した。
予選と決勝2レースの合計で最も大きいポイントとなる45点を稼いだのはパワーで、2番目の40点を獲得したのはフランキッティとディクソンのふたりだった。以下、ライアン・ブリスコー(Team Penske)が32点で4番手、エリオ・カストロネベス(Team Penske)が26点で5番目に多くポイントを手に入れた。タグリアーニは25点で6番手、そして、佐藤とカナーンが24点で7位タイ。今回のレースでフランキッティとパワーは1勝ずつを分け合ったが、総合首位のパワーがポイント・リードを16点から21点へと広げることとなった。
ウィル・パワー(3位/優勝)
「ついにオーバルでの初勝利を挙げることができた。最高の気分だ。マシンは第1レースからとてもよかった。ピットでのタイムロスからかスコット・ディクソンに先行を許したが、いいレースを戦えていた。第2レースはクジ引きで3番グリッドを引いたのが大きかった。ディクソンが追いついてきたが、トラフィックをくぐり抜ける間に差を広げることに成功した。その上、一番の目的だったポイント・リードを広げることも実現できたので、本当にうれしい」
ダリオ・フランキッティ(優勝/7位)
「第1レースでは、タイヤが消耗してからのトラフィックの処理は大変だったが、マシンがすばらしく、優勝することができた。テキサスの多くのファンの前で初めて優勝できたので、今晩は自分を祝福していいはずだが、そういう気分にはなれないね。このレースはチャンピオンシップがかかったレース。グリッドやポジションはドライバーやチームのスキルによって決定されるべき。ウィル・パワーは与えられた状況を味方につけ、すばらしいレースを戦ったよ。自分にもチームにも一切のミスがなかったが、僕らは大きな不利を背負わされた。それでもクルーたちがすばらしいピットストップを行い、僕も全力で走り、7位まで順位を上げてゴールできたよ」
佐藤琢磨(5位/12位)
「第1レースは高いポジションを保って戦い抜くことができました。走り始めはハンドリングもよくなく、スピードも足りていませんでしたが、ピットストップでセッティングを変更してからはマシンがかなりよくなりました。それでも単独走行でのスピードがもう少し欲しいところでした。第2レースはクジ運が悪くて25番手という後方からのスタートとなったため、追い上げていくのが大変でした。不足していたスピードを上げようとしたセッティングでは、トラフィックの中でのドライビングが難しく、イエローフラッグが出なかったので、コース上でオーバーテイクするしかありませんでした。それでも、かなりのマシンをパスできましたし、こうして2レース両方を完走できた点も大きいですね。自分もチームも大きな進歩を遂げることができたと思います。これからのレースにつながる経験になりました」
ロジャー・グリフィス|HPDテクニカル・ディレクター
「今回導入されたスプリントを2回続けて行う新フォーマットでのレースは大成功だった。サーキットに集まってくれたファンは、レースとレースの間のクジ引きも含め、ダブルヘッダーを大いに楽しんでくれた。ウィル・パワーはオーバル初優勝も達成した。ただし、第2レースのグリッド決定がクジ引きという点は、来シーズンに向けて検討をし直す必要があるだろう。 ダブルヘッダーではスペアカーにエンジンを搭載しておいていいルールのため、HPDとしては多くのエンジンを用意する必要があった。カリフォルニアのスタッフがハードワークをこなし、45台がテキサスへと万全の状態で持ち込まれ、今回もトラブルのないレースを実現することができた」
