数多くの思い出を持つラリー・フィンランドだが、ファンの記憶に残るのは2004年。トルクの太さを逆手にとって、4速ギヤボックスでデビューしたプジョー307WRCで挑んだものの、トラブル多発のマシンは1速失い、グロンホルムは3速分しか使えない状態で勝利を飾った。また、2007年の同イベントで勝利を決めた後、引退を発表してもいる。
「ラリー・フィンランドについて学び、私が知っていることを話そうと思えば、そこに何日間も座り続けることになるだろうね」と、グロンホルム。
「でも基本的に、マシンの慣性と勢いを維持し、何が起こってもクルマのスライドを保ってコントロールし続ける必要がある。ジャンプは観客にとってはスペクタクルだが、我々はできるだけクルマをつねに地面に接地させていたいと考えているんだ」
「ペースノートの声に真剣に耳を傾け、それを正しく理解し認識する必要もある。そしてもっとも重要なのは……経験だ。ラリードライビングの時間が長ければ長いほど、どこまでが限界で、それに近づいても許されるのか、理解度が高まるからね」
その経験に基づき、グロンホルムはイベントに先立ち週末の展開を予測する。
「ラリーはフィエスタのタナクが勝つんじゃないだろうか。それにトヨタはここまででもっとも多いステージウインを獲得するだろう。もちろん、(セバスチャン・)オジエを含めてMスポーツが最大のポイントを獲得するとは思うけどね」
グロンホルムは、「もちろん、前戦のポーランドで勝利しオジエのポイントランキングでのリードを削り取ったティエリー・ヌービル擁するヒュンダイ勢も侮れず、フィンランドの勝者を選ぶことはこれまで以上に難しい」とも語っている。
ワールド・チャンピオンが予想したとおり、ラリー・フィンランドのSS1ではタナクがトップタイムを記録。初日首位発進となっている。
