表彰台を懸けた争いは、抜きつ抜かれつの展開となった前日のデイ3に引き続き、ラリー最終日も僅差で推移した。
競技3日目の最終ステージとなったSS18でステージベストをマークし、テーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1)を逆転して総合3番手に再浮上した勝田。ユバスキュラを拠点とすることから、このラリーを“第2のホームイベント”に位置づける日本人ドライバーは、6.4秒のリードを持ってデイ4に入り今朝のオープニングはステージ3番手タイムを記録した。
しかし、ライバルがこれを上回る2番手タイムを記録したため両者のギャップは4.5秒に縮まる。続くSS20は勝田が今大会3度目となるステージウインを飾り、その差は7.2秒に。最終ステージを前にしたSS21では、スニネンがステージ3番手、勝田はコンマ9秒おくれて同4番手となったためタイム差は6.3秒に縮小した。
迎えた最終パワーステージは、先に出走したスニネンが暫定トップタイムとなる4分56秒4を記録。対する勝田はライバルに対して2秒後れを取ったものの総合3位を死守。第2の地元であり、チームのホームで今季初そしてWRCの欧州ラウンドで初めてとなるポディウムフィニッシュを決めた。勝田の表彰台は2022年最終戦ラリージャパン以来9戦ぶりだ。
勝田と4位スニネンによる白熱した表彰台争いの後方では、3年ぶりのWRC復帰を果たしたTGR-WRTのボス、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)がスポット参戦で総合5位フィニッシュを果たした。総合6位はWRC2選手権にノミネートしないかたちでの出場となったオリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)だ。
総合7位はWRC2クラスを制したサミ・パヤリ(シュコダ・ファビアRSラリー2)。33.8秒遅れたクラス2位/総合8位にアドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)が入り、ニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアRSラリー2)が総合9位でクラス3位表彰台を獲得している。
WRCの次戦第10戦は伝統のギリシャ・ラウンド、9月7日(木)から10日(日)にかけて開催される“神々のラリー”ことアクロポリス・ラリー・ギリシャだ。