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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2023.11.15 17:33

D’station Racing 2023 WEC世界耐久選手権第7戦バーレーン レースレポート

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ル・マン/WEC | D’station Racing 2023 WEC世界耐久選手権第7戦バーレーン レースレポート

D’station Racing 2023 WEC世界耐久選手権第7戦バーレーン レースレポート

D’station Racing

Race Report – 2023.11.15

dstation-racing.jp
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Twitter : @dstation_racing
Facebook : @DstationRacing

2023 FIA World Endurance Championship
Round 7 Bapco Energies 8 Hours of Bahrain (BAH)

SEP. 08 – 10 Qualify :3rd / Race:10th

LM-GTE最後の一戦で2位表彰台! チーム最高位を記録

 3月にアメリカのセブリングで開幕した2023年のWEC世界耐久選手権は、まさに世界を旅していよいよ今シーズンの最終戦を迎えた。舞台はバーレーン・インターナショナル・サーキット。午後からの8時間で争われる長丁場のレースだ。そしてこのレースは、2011年に生まれたLM-GTE規定のラストレースとなった。

 そんな一戦に向けて、前戦地元の富士スピードウェイでは望んだ成績が残せなかったD’station Racingにはふたつの変化があった。チームオーナーにしてチームを牽引してきた星野敏が、スケジュールの都合がつかず2021年の参戦以来初めて欠場することになってしまった。代わってチームはオーストラリア人の実力派ジェントルマンドライバーのリアム・タルボットを起用。レギュラーの藤井誠暢とキャスパー・スティーブンソンとトリオを組むことになった。

 そしてもうひとつの変化が性能調整だ。今シーズン、アストンマーティン・ヴァンテージAMR GTEは厳しい性能調整が課せられていたが、この最終戦で燃料容量、さらにブースト圧増加といった調整変更が行われた。そしてこの効果は、11月2日(木)のフリープラクティス1から効果を発揮した。ウエットコンディションのなか藤井からタルボットに交代しながら走行したが、藤井が1分59秒516というタイムを記録。クラス首位で終える。続くフリープラクティス2はドライとなり、3人のドライバーたちが交代しながら走行を進めたが、ここでも5番手。初日から好調にレースウイークを進めていくことになった。

 走行2日目となる11月3日(金)はフリープラクティス3からスタートしたが、タルボットからスティーブンソン、藤井と交代し走行。2分00秒078というベストタイムで6番手につける。そして午後4時15分から行われた公式予選では、タルボットがアタックを担当。初めての予選で苦戦する状況もあったが、最後のアタックで一気に1分58秒982までタイムアップ。これでポジションが2番手まで上がり、D’station Racingが2021年にWECに参戦を開始して以来最上位となるグリッドを獲得することになった。

 大きな期待をもって臨んだ11月4日(土)の決勝レース。D’station Racingのスタートドライバーはタルボットが務めた。スタート直後からクラッシュが発生するなど混乱が続くなか、タルボットはアクシデントを回避。トップ3を見据える位置でレースを戦っていく。
 タルボットはここからいきなり3スティントを一気に乗車。2時間57分の長丁場のドライブをこなしてみせると、スティーブンソンに交代する。このタルボットの頑張りを繋げるべく、スティーブンソンもダブルスティントを敢行。さらに藤井が1スティント、そしてふたたびスティーブンソンがダブルスティントをドライブ。レースは終盤を迎えていった。

 藤井のスティントから、D’station Racingの順位は2番手がほぼ固まりつつあり、さらにスティーブンソンへの交代後、トップを走っていた#85 ポルシェとのギャップは1.5秒ほどとほんのわずかだった。ただ終盤、ブレーキパッドが消耗しており、ペースを上げられることはできず、8時間の長丁場のフィニッシュを迎えることになった。結果は2位。2022年の地元富士で獲得した3位以来となる表彰台、そしてD’station Racingの2021年からのWEC挑戦後、最高位となる嬉しい結果となった。

 LM-GTEというスポーツカーレースの歴史のなかで重要な位置をもつカテゴリーの、最後のレースでD’station Racingはその名を刻んだ。惜しむらくは星野とともに登りたかった表彰台だが、それは仕方がないところだろう。
 性能調整がしっかりと機能していれば、世界のトップと戦え、優勝を争える実力があることをしっかりと示し、D’station Racingの2023年の挑戦は幕を閉じた。

D'station Racing 2023 WEC世界耐久選手権第7戦バーレーン レースレポート
D’station Racing 2023 WEC世界耐久選手権第7戦バーレーン レースレポート

COMMENTS:

Driver:Liam TARBOTO
初めてのD’station Racingでのレースだったが、レースウイークを通じてうまく進めることができたと思う。決勝ではスタート直後の1コーナーから混乱があったけど、その後はリヤタイヤを守りながらレースを進めることができたと思う。クルマのバランスもすごく良かったと思うよ。今週はチームもすごく温かく迎えてくれて、予選ではわずかにミスもあったけれど、最後の最後にタイムを出すことができた。チームが僕にクルマのことをたくさん教えてくれたおかげで、不安なくレースを戦うことができた。こうしてLM-GTEの最後のレースとなったバーレーンで良い結果をだすことができてとてもうれしく思っているよ。D’station Racingのみんなに感謝している。

Driver:Tomonobu FUJII
バーレーンはクルマとの相性が良いわけではないのですが、今回は走り出しからクルマのバランスが良く、BoPも今までよりも良い数字になり、走りはじめから良い感触でFP1ではトップタイムを記録することができました。今回加入したタルボット選手も順調に走行してくれて、予選では2番手と良いグリッドにつけてくれました。決勝はクルマのバランスが非常に良くて、競争力があったと思います。最終スティントでもトップに1.5秒差まで迫りましたが、レースの内容としては、終始トップ争いができましたし、これまでの3年間の挑戦のなかでもベストなレースにできたと思います。このGTEの最後のレースで、チームのベストリザルトで終えられてうれしく思っています。

Driver:Casper STEVENSON
今シーズン最終戦のバーレーンは。僕たちD’station Racingにとって素晴らしい週末になったね。走り出しからすごくスピードがあって、フリープラクティス1回目から藤井サンのタイムでトップだったし、予選でも2番手につけられて、決勝に向けてもすごく期待が高かった。レースではそのとおりになって常にトップ3を争うことができたし、結果的に優勝に迫り、今シーズン最高の結果を残すことができた。LM-GTE最後のレースで最高の週末を戦うことができたことをすごくうれしく思っているよ。そして今シーズン、WECというレースに参戦することができて、本当にたくさんのことを学ぶことができた。一年間を過ごしたD’station Racingに感謝しているよ

Team Director:Tom FERRIER
今回がLM-GTEというカテゴリーの歴史の最後のレースとなった。D’station Racingとは2021年から3年間ともに戦ってきたが、このレースで、彼らとともにベストリザルトを得ることができてうれしく思っているよ。我々TF SPORTは、2024年からコルベットを走らせるので、おそらくD’station Racingと仕事はできなくなってしまうだろう。しかしこの3年間、彼らとともにたくさんの良い思い出ができた。チームオーナーとして、ドライバーとしてともに活動してきた星野サンと記録したル・マン完走、WECでの二度の表彰台と、スタッフにとっても有意義な3年間だった。これからも同じステージで戦えることを楽しみにしているよ。

Chief Engineer:Jonathan LYNN
今年はBoPが非常に厳しく、前戦も辛い思いをしてきたが、今回のBoPが改善され、楽しみなレースとなった。フリープラクティス1から藤井サンがトップタイムを出してくれたことで競争力を確認することができたし、その後も常に上位のタイムを記録することができた。予選でもベストリザルトの2番手、そして決勝でも常に3番手以内で争うことができた。最終的に数秒足りず優勝できなかったけれど、今年のベストレースになったし、ドライバーも頑張ってくれた。スタッフも非常に良い仕事をしてくれて、我々が届くベストリザルトにできたのではないだろうか。ストラテジーもうまく機能したし、エンジニアとしても精一杯戦うことができたと思う。

D'station Racing 2023 WEC世界耐久選手権第7戦バーレーン レースレポート
D’station Racing 2023 WEC世界耐久選手権第7戦バーレーン レースレポート


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