ELMS第4戦スパ・フランコルシャン4時間レースで、今季初表彰台の2位を獲得。ようやく本領発揮できた佐藤万璃音の笑顔
2023年シーズンよりELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに挑戦を開始した佐藤万璃音(ユナイテッド・オートスポーツ所属26歳)が、8月24~25日にベルギー、スパ・フランコルシャン・サーキットで開催された2025年ELMS第4戦『4 HOURS OF SPA FRANCORCHAMPS』に参戦。クラス2位で今季初表彰台を獲得しました。
今年から自身のキャリアでは初めてとなるLMP2プロ・アマクラスに挑戦することとなり、ゴールドドライバーである佐藤万璃音がリーダーを務め、ブロンズドライバーのダニエル・シュナイダー選手、プラチナライバーのオリバー・ジャービス選手とともに、21号車オレカ07・ギブソンで参戦しております。
何度となく走り込んだスパ・フランコルシャン・サーキットは、ドライバーにとってもマシンにとっても過酷なサーキットのひとつです。スパ・ウェザーと呼ばれるほど天候が安定しておらず、セッションの途中で雨が降ったり、レースウィーク中にコンディションが急変しやすいサーキットとしても有名です。
いつものように、ブロンズドライバーのダニエル・シュナイダー選手の走行時間を優先しつつ、短期間にマシンを仕上げていく佐藤万璃音でしたが、今回のスパ・フランコルシャンは、そのダニエル・シュナイダー選手がこれまででもっとも乗れており、かつミスもなく走ってくれたことが、レースでの好成績に大きく貢献してくれたのです。
今回はマシンの仕上がりが順調ではなく、ライバル達とは方向性の違ったセットアップを試しながらフリー走行1回目を走った佐藤万璃音は、予選前のフリー走行2回目で大きくセットアップを変更。予選直前に降った雨によってさらに難しい路面コンディションとなってしまった状況のなか、ぶっつけ本番とも言える予選となりましたが、マシンのセットアップ変更が上手くいき、ダニエル・シュナイダー選手が2分25秒510で7番手を確保。とても良い雰囲気で決勝スタートを迎えることとなりました。
決勝でもダニエル・シュナイダー選手が好スタートを見せ、コンスタントにミスなく周回を重ねていきます。彼がこれまで見せた走りの中では、まさに最高のスティントだったとチームが称賛する走りを続け、オリバー・ジャービス選手へとバトンタッチしました。
オリバー・ジャービス選手も素晴らしい走りを見せ、首位を好走。2番手に8秒のリードを保っていたのですが、ひどいトラフィックに前を阻まれ、わずか2周でリードを失い、ストレテジー的にピットストップ後にもトラフックに引っかかってしまい、首位の座を奪われてしまいました。
それでも2番手をキープして、佐藤万璃音へと早めの交代でアンダーカットを狙いました。そのアンダーカットが成功してトップに戻りましたが、給油でのロスタイムを計算すると、ピットインのタイミングまでに2番手に対して6秒の差を広げておかねばならない状況でした。
しかし最悪のタイミングでフルコースイエロー(FCY)が出されてしまったことや、トラフィックに遭遇するタイミングの問題で思うようなギャップを作れず、逆にライバルにとってはそれらがすべて有利に働くかたちとなり、4時間が経過した時点で悔しい2位でのチェッカーとなりました。
21号車ドライバー、佐藤万璃音のコメント
「去年のWECブラジル戦以来の表彰台ですから、正直、嬉しかったですね。やっと表彰台に立てた気分です。ELMSでは去年の開幕戦以来ですから、喜びもひとしおです」
「今回のレースは、ダニエル・シュナイダー選手が本当に過去一番素晴らしいスティントを決めてくれて、それで勢いに乗りました。そのあと、オリバー・ジャービス選手も頑張ってくれたのですが、運が向いてなかったです。彼にしても自分にしても本当に全力でプッシュし続け、すべてのファクターに気をつかって完璧な走りができたと思いますが、ライバルのほうに運が向いていたとしか言いようがない結果でした」
「表彰台は嬉しいけれど、本当に悔しい2位でした。自分たちが何かミスをしたわけではないですが、FCYも含めすべてのタイミングが優勝した彼らに有利に働いたことで、優勝を逃してしまいました。本当に悔しいですが、チームとしては嬉しい表彰台だったので、気持ちを切り替えて今日は祝杯を挙げたいと思います」

