ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ最終戦、佐藤万璃音はトラブルを克服し7位入賞!
2023年シーズンよりELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに挑戦を開始した佐藤万璃音(ユナイテッド・オートスポーツ所属26歳)が、10月18日~19日にポルトガル、ポルティマオ・サーキットで開催された2025年ELMS第6戦『4 HOURS OF PORTIMAO』に参戦。クラス7位で今季最終戦を無事に終えました。
今シーズンは自身のキャリアでは初めてとなるLMP2プロ・アマクラスに挑戦することとなり、ゴールドドライバーである佐藤万璃音がリーダーを務め、ブロンズドライバーのダニエル・シュナイダー選手、プラチナライバーのオリバー・ジャービス選手とともに、21号車オレカ07・ギブソンで参戦しております。
最終戦の舞台となるポルトガル、ポルティマオ・サーキットで有終の美を飾るべく乗り込んだチームでしたが、フリー走行開始直後からマシンのリヤグリップ不足が発覚し、トラクション不足に悩まされる状況となっていました。
いつもどおり、佐藤万璃音はブロンズドライバーのダニエル・シュナイダー選手の走行時間を優先し、彼の走行データ解析と自身の走行データとの比較によってコーチングするという忙しい週末を迎えます。
そのかいもあって、予選ではダニエル・シュナイダー選手が7番手タイムをマークし、トップとのタイム差が1.6秒という、予想以上の僅差でまとめてくれました。オリバー・ジャービス選手のタイムと比較しても、今シーズンベストな走りを見せてくれたことで、チームも大いに沸きました。
迎えた決勝レースは、序盤からセーフティカーが出て、レースそのものを仕切り直しという展開でしたが、前回のレースで2~3度ダメージを受けて戻ってきたダニエル・シュナイダー選手が今回のレースでは無傷でマシンをピットまで運び、オリバー・ジャービス選手に渡してくれたのです。
これに奮起したオリバー・ジャービス選手でしたが、彼が再スタートして10周を過ぎたあたりでペースが落ち始めてしまいます。リヤの片側のブレーキダクトがうまく風を当てておらず、温度が異常に上昇してしまっていたのです。
その結果、セーフティカー導入のタイミングでニュータイヤを投入してもすぐにタイムが落ちてしまい、佐藤万璃音も自らのスティントで苦戦を強いられることを覚悟しました。
実際、佐藤万璃音のスティントでは、走り出してすぐにマシンの異常を感じ取り、フレッシュタイヤで5~6周をこなした後は、右リヤブレーキが効かないまま右コーナーだけ酷いオーバーステアに悩まされ続けました。
それでも諦めることなく、マシンの不具合をカバーしながらハイペースで走り続け、最終的に7位チェッカーを受けました。
■21号車ドライバー佐藤万璃音のコメント
「今回は本当に厳しいレースでした。ダニエル・シュナイダー選手は今季ベストといえる走りを見せてくれたのですが、オリバー・ジャービス選手のスティントで接触があったのか、レース後にマシンをチェックしたらブレーキダクトの問題以外に、ディフューザーと一体化されたリヤカウルのテールの真ん中が割れていて、グラグラになっていたそうです」
「それが原因でリヤのダウンフォースが得られず、ハンドリングが悪化していたのかもしれません。ふたつのドラブルを抱えながら、なんとかチェッカーまでマシンを運べたのは良かったと思います」
「今シーズン、自分が21号車のクルーに加わって、チーム全体の雰囲気や環境が良くなったという自負はあります。運に恵まれなかったことも多々あって、開幕前に望んでいた結果とは程遠いリザルトでしたが、不運が続くなかでも第2戦スパ・フランコルシャンでは21号車に初めての表彰台を獲得することができましたし、昨年に比べてチーム全体の底力のような部分がアップしたことは間違いないですし、来年につながる1年になったと思っています」
「今シーズン応援してくださったすべてのファンの皆さん、スポンサーの皆さん、そしてチームスタッフ全員に感謝します。自分はあと1戦、WECバーレーンが残っていますが、全力で戦って、できる限り最高の結果を残して今シーズンを締めくくりたいと思います。皆さん、最後まで応援よろしくお願いします」

