「今日は振り子が前後に振れるかのように状況が二転三転した1日だった」と語るのは、チーム監督のアンドレアス・ザイドル。
「最初の赤旗が出る前、我々は賭けに出ていた。あそこでレースが終了していたら、我々の2号車が優勝していただろう。ましてや、最後のレッドフラッグが出されたタイミングは我々にとって不運だった。もしも、そのままレースが継続されていたら、トヨタの7号車と我々の1号車が優勝を競っていただろうね」
「全体的にリスタート時のタイヤの温度を上げて働かせる際に問題があり、何度か順位を落としてしまった。しかし、両チャンピオンシップ防衛に向けてポイントを持ち帰れたことが重要だ。非常に困難が多い週末だったが、ドライバーとチーム全員がつねに集中していたことに感謝したい」
3位表彰台を獲得したロッテラーは、「スタート直後の数周はタイヤを働かせるのに苦労した。タイヤの温度が低すぎて氷の上を走行しているかのようだった」とレース序盤を振り返った。
「なぜかトヨタはこの点において我々よりも優れていて、ポジションをふたつ落とした。その後、セバスチャン・ブエミに接触した際、フロント周りのエアロパーツが取れ、ダウンフォースをなくしてしまった。しかし、その後にタイヤの温度を上げられたとき、マシンは本当に速かった」
この富士でのチャンピオン確定は逃したものの、依然としてポインランキングでトップに立つ2号車ポルシェのハートレーは「アール(バンバー)にとっては最高の出だしだった。後続を10秒以上離して先頭を走っていたが、その後は連続してセーフティカーが出動し、我々のレースへ確実に悪影響を及ぼした」と悔しさをにじませた。
2017年のWEC第8戦は11月5日、中国・上海で決勝が行われる。ポルシェ陣営はドライバーズランキングで39点、チームランキングで58.5点のアドバンテージを持って、第8戦に臨む。