“世界三大レース”のひとつであるル・マン24時間レースを制するため、TOYOTA GAZOO Racingに加入したフェルナンド・アロンソ。現役F1ドライバーにして二度のワールドチャンピオンのWEC参戦は、その発表前から大きな注目を集めてきた。そんなアロンソのWECデビュー戦、スパ6時間レースで“大型新人”の戦い振りをお伝えする。
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ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで、いよいよ開幕する2018/19年WEC世界耐久選手権。今シーズンはLMP1クラスに参戦している自動車メーカーがトヨタのみということで、パドックには少し寂しい雰囲気が漂っている。アウディやポルシェが撤退したことで、初日からサーキットを訪れる観客は減少しているような印象。それでも、熱心なファンたちは、F1アゼルバイジャンGPを終えてすぐにスパ入りしたフェルナンド・アロンソのサインや写真を求めて、朝早くからサーキットにやってきた。
さて、そのアロンソは1日(火)には、他のドライバーとともに早くもスパ入り。チームとのミーティングなどを行った。そして、走行前日には、朝からドライバー交代の練習。マシンとドライバーを並べてのチーム写真撮影などにも臨んだ。
その後、メディア用のセッションを経て、トラックウォークにも出かけるなど、かなり多忙な1日を過ごしていた。
「何日も前から早くクルマに乗りたくてたまらなかったし、レースがすごく楽しみだよ」と語ったアロンソ。「F1からWECのクルマに乗り換えるのは、その逆よりも難しい」ということで、コクピットに戻りたい気持ちもひとしおだったようだ。
翌日、5月3日(木)には、いよいよ練習走行が始まった。正午から13時30分までの1時間半で行われたフリープラクティス1回目の8号車トヨタTS050ハイブリッドは、セバスチャン・ブエミに続いて、2番手でアロンソが搭乗。セッションの半ばには、そのアロンソがセッショントップタイムとなる1分58秒392をマークする。
このセッションを終え、イベント前の記者会見に出席したアロンソは、最初のセッションでトップタイムを出したことについて、「まだクルマやコースに合わせ込んでいる段階だし、WECで実際にコースを走るのは初めてだったから、トラフィックがどんな感じなのかとか、色々経験しているところなんだ。セッショントップタイムが出た時は、たまたまコースの半分ぐらいがクリアラップだっただけだよ」と語っている。