2020/2021年シーズンから導入されるWEC世界耐久選手権の新しい最高峰カテゴリー“ハイパーカー規定”にGRスーパースポーツベースのハイパーカーで参戦するTOYOTA GAZOO Racing。同チームのテクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロンは、新シーズンに向けた車両製作のスケジュールが非常に危険なものだと述べた。
現在WECのLMP1クラスに参戦しているトヨタは、2020/21年から始まる新規定のもとで、GRスーパースポーツをベースとしたプロトタイプ型ハイパーカーを走らせることを発表済みだ。
バセロンによれば、この新車両の開発はまさに“フラットアウト”で進められているが、開発に掛けられる期間が短く、依然として厳しい状況であることを認めた。
「すべてが非常に重要だ」とバセロン。
「新しいクルマの公認取得は(期限の)ギリギリになるだろうし、すべての作業を終えるのも最初のレースの直前になる。とてもタイトでリスキーなスケジュールなんだ」
そのような状況にあることから、バセロンは2020/21年シーズン開幕戦シルバーストンの開催が2019/20年よりも1週間程度遅くなることに賛成している。
「どうやらシルバーストン(のスケジュール)が少し動くことになりそうで、8月の終わりから9月初めの開催になるようだ。そうなれば我々としては1週間ほど時間を稼ぐことができる」
「我々は完璧なプログラムを目指しており、それがうまくいくことを望んでいる。だから、これ以上の質問に答えるのは難しい」
「だが、ひとつ言えるのはたしかにリスクを孕んでいるということだ。繰り返しになるが、スケジュールは非常にタイトなんだ」