レーシングカーコンストラクターとして現行LMP2シャシーを供給するうちの1社であるオレカは、WEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップが採択したグローバル・プラットフォーム“”LMDh”に向け、ベースとなるLMP2用シャシーを簡単にLMDhへアップデート可能なキットが用意されるべきと主張した。
1月末に行われたデイトナ24時間耐久レースの現地でアナウンスされた新世代の統合プラットフォームは、2022年導入予定の次世代LMP2規定をベースとする計画だ。
IMSAとともにレギュレーションを策定したACO(フランス西部自動車クラブ)は、引き続きコスト上限を設けるLMP2の次世代規定も10年間にわたり採択することを見込んでおり、現行規定と同様にオレカ、リジェ・オートモーティブ、ダラーラ、そしてマルチマチック社の限定された4つのコンストラクターがシャシー製造の権利を有する。
オレカでテクニカルディレクターを務めるデビッド・フラウリーは、技術的には現行LMP2シャシーやDPiからでも、LMDhへのアップグレードは可能だと語っているが、IMSAでオレカ製シャシーを採用してDPiを成立させているチーム・ペンスキー側から排他条項が盛り込まれたことにより、オレカとしてはアップグレードの柔軟性を充分に活用することができなかった。
「新規定も(LM)P2と同じプラットフォームを活用するので、ある時点でアップグレードを決断すればすぐにでもLMDhにコンバージョンすることが可能だ」と語るフラウリー。
「これは残念ながら我々のDPiでは実現しなかったことだが、DPiでも起こりえたことだ。実際、コア(オートスポーツ)やJDC(ミラー・オートスポーツ)などからも、彼らのマシンをアキュラDPiにコンバートする高い関心が寄せられていた」
「しかし、契約上この機会を活用することができなかったから、彼らは別のDPiマニュファクチャラーを選択したんだ。この事例からも明らかなように、将来的にP2のチームがLMDhに簡単に移行できる可能性があるんだ」