フェラーリは、トップレベルのプロトタイプマシンによる耐久レース参戦の可能性について、依然「非常にフォーカス」しており、参戦することを決定した場合、2020年末までに取締役会での提案を行なうことを目指している。
フェラーリのGTレース部門の責任者であるアントネッロ・コレッタは、ル・マン24時間やその他の主要な耐久レースのトップカテゴリーへの参戦可能性について、引き続き関心を持っているとSportscar365に語った。
WEC世界耐久選手権のLMGTEクラスに参戦しているフェラーリは、2020年1月に発表されたWECとIMSAの新たなグローバルプラットフォームである“LMDh”に魅力を感じている。
「フェラーリは新しい耐久カテゴリーにおける開発に、とてもフォーカスしている」とコレッタは最近になって改めて語った。
「現時点では技術規制の詳細を待っているため、まだいくつかの調整は保留となっている。競技規則はまもなく手にすることができるだろう」
「我々は技術的な分析から作業を開始し、まずは技術規則の長所と短所を評価した。シーズンの終わり(11月)には、このカテゴリーに挑戦するかどうか、どのような形態で参戦するかなどを決定できるようにしたい」
「現在は、その評価を行なっているところだ。他のコンペティターもそうだと思う。オーガナイザーがすべての規則を確定し、我々の分析が終えられるのを待っている」
「いまは偵察の段階なので(取締役会への)提案はまだだ。年内に、できるだけ早くその提案をしたい」
フェラーリはLMH(ル・マン・ハイパーカー)よりもLMDhに興味を持っていると見られるが、これらふたつのカテゴリーのうちどちらが魅力的かを述べるのは、「時期尚早である」とコレッタは認める。
2020年5月にはLMH技術規則が変更され、2022年から双方のシリーズのトップカテゴリーのパフォーマンスレベルが同等になることが明らかになった。
この決定は、ふたつの規則の間の性能調整を容易するため、またLMHの開発コストを削減するために行なわれた。LMDhとは異なり、LMHではシャシーについては制約がなく、自社開発も可能となる。
「我々は長所と短所を比較検討している」とコレッタは言う。
「もちろんフェラーリは自動車メーカーであり、マシン全体を開発したいというのはある。ただ、決定的なことを言うにはまだ時期尚早だ」