ACOフランス西部自動車クラブ会長のピエール・フィヨンは、2021年のハイパーカークラスにおいて新規則の適用を免除されるLMP1カーが、ル・マン・ハイパーカー(LMH)と同じパフォーマンスレベルに調整されると認めた。
これは、2021年のWEC世界耐久選手権に改良されたレベリオンR13・ギブソンLMP1マシンで参戦するというアルピーヌの発表、ならびにそれに伴うトヨタによるBoPの観点からの反発を受けての発言である。
2021年3月に開幕するWECでは、最高峰カテゴリーがLMP1にかわって「ハイパーカー」クラスという名称となり、そこにはLMH規定に則って作られたマシンが参戦できる。トヨタ、スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス、バイコレスがこの規定での参戦を予定している。
さらに2021年は移行期間の特別措置として、ノンハイブリッドのLMP1マシンの参戦が認められる。
先日、トヨタGAZOO Racingのテクニカル・ディレクターであるパスカル・バセロンは、LMP1車両を新車のLMH車両と同じレベルに置くことは「新たなカテゴリーを台無しにする」として、LMH車両を開発して参戦するための動機付けが失われることに警鐘を鳴らしていた。
フィヨンはこれらの主張を擁護し、LMP1車両の参戦は現状、1年の“移行イヤー”のみ許される、と明言した。
「車両規則が変更される際、我々は常に1年の移行期間をとってきた」とフィヨン。
「2005年のアウディとペスカローロ、あるいは2012年もそうだったように、新規則の適用が免除されるマシンを設定するのは、これが初めてではない」
「これと同じ考えだ。当然、来年はハイパーカークラスにBoPを導入する。これはもちろん、LMP1マシンにも適用される。我々は、LMP1をLMHと同じパフォーマンスレベルに置くつもりだ」
LMP1マシンが総合優勝できることについてLMHエントラントからの反発が予測されるかと問われると、フィヨンは「そのうち分かるだろう」と答えた。
「トヨタがLMHを開発するために、多くの努力をしていることを私は確信している」
「よい競争が行なわれるはずだ。特例措置は1年だけのこと、移行期間だけだ」
来季エントリーする『アルピーヌ ・エンデュランス・チーム』をオペレートするシグナテックのチーム代表、フィリップ・シノーは、FIAとACOがBoPをうまく調整するための「公正な、良い方法」を見つけることを強く確信しているという。