北米で展開するホンダの高級ブランドであるアキュラと、HPDホンダ・パフォーマンス・デベロップメントは8月17日、2023年のレースデビューに向けて開発テストを進めているLMDh車両『アキュラARX-06』のデザインと技術的なディテールを明らかにした。
今回公開された画像では、これまでカモフラージュ柄だった外装も通常のカラーリングとなり細部の造形が判明したほか、エンジンは2.4リッターV6ツインターボを搭載することが分かった。
7月に初のサーキットテストを行ったアキュラの6代目スポーツプロトタイプは、メイヤー・シャンク・レーシングとウェイン・テイラー・レーシングのオペレーションにより、2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスへデビューする予定となっている。
アキュラ・モータースポーツとHPDは、8月19日金曜日に開催されるモンテレー・カー・ウィークのイベント『ザ・クエイル』でこのマシンを正式にアンベイルする予定だ。
■エンジンは最大1万回転を許容「素晴らしいサウンドになるだろう」
ARX-06のパワートレインは『アキュラAR24e』と名付けられ、内燃エンジンにボッシュの電気モーター、Xトラックのトランスミッション、ウィリアムズ・アドバンスト・エンジニアリングのバッテリーパックからなるLMDhの共通ハイブリッドシステムを結合した構成となっている。
HPDが開発したこの直噴ターボエンジンは、先代のDPiエンジンであるアキュラARX-05の3.5リッターV6より排気量が小さくなっている。この2.4リッターの新エンジンは、HPDがこれまで耐久レース用に製造してきたパワーユニットの中で最も排気量が小さい。
他のLMDhブランドを見てみると、ポルシェは4.6リッターV6ツインターボ、BMWは4.0リッターV8ツインターボ、キャデラックは5.5リッターV8自然吸気エンジンを採用している。
アキュラによると、ARX-06のエンジンは、リヤアクスルのトルクメーターで計測されるLMDhの出力目標500kWをクリアし、燃焼室は持続可能な低炭素燃料で走行できるよう設計されているという。エンジンは90度のV字型レイアウトとなり、重心を下げ、慣性モーメントを低減させている。
HPDは、ハイブリッドパワートレインコントロール、ブレーキバイワイヤ、ビークルダイナミクスコントロールシステムを開発し、これらはF1の電子制御ユニットのハードウェアに組み合わせて実装されている。
HPDのパワートレイン設計チームリーダーであるピエール・デスカンプは、「IMSAとACOの新たなルールパッケージが提示した課題を受け、我々は非常に競争力のあるソリューションを開発した」と述べている。
「ICEの設計において、HPDは新たな方向性を打ち出した。ホンダではおなじみのV6ではあるが、電気式MGUとバッテリーパックを最大限に活用するために、いくつかの新しい要素を盛り込んでいる」
「この新しいエンジンは、ルールで定められた最大10,000回転まで回すことができるので、素晴らしいサウンドを奏でるだろう!」