アキュラARX-06は、オレカ製のシャシーをベースに、アキュラ専用のエアロダイナミクスを全体のデザインに組み込んでいる。
HPDのビークル・パフォーマンス・グループは、オレカのエンジニアと「密接に」コラボレーションし、開発方法についてさまざまなシミュレーションを行ったという。
ARX-06のフロントエンドは、現行DPi車両『ARX-05』におけるフロントライトをつないだブリッジの下にノーズが潜り込むようなデザインを踏襲している。
ロサンゼルスにあるアキュラデザインスタジオが、HPDとオレカのエンジニアと共同で、IMSAとFIAのホモロゲーション基準に合致しながら「空力性能を最大限に引き出す」ことを目指して、外装スタイリングを担当した。
ARX-06は、LMDhのテクニカルレギュレーションで認められている最大寸法、全長5.1m、全幅2m、全高1.06m、ホイールベース3148mmで製作されている。
HPDでアキュラARX-06のラージプロジェクトリーダーを務めるマーク・クロフォードは、「我々はオレカとの関係を非常に気に入っている」と述べている。
「ARX-05のDPiプログラムでも、今回のARX-06でも、オレカは素晴らしいパートナーだ。GTPプロジェクトは新たな課題をもたらし、以前のコラボレーションとの ”家族のような類似性 “を見ることができる一方、ARX-06はまったく新しいデザインとなっている」
アキュラのエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター、デイブ・マレックは、「アキュラの市販車のデザインをリードする世界クラスのスタイリストが最初のスケッチを作成し、それをいくつかのデザインの候補に絞り込んだ」と付け加えている。
「次にスケールモデルを作成し、空力と風洞のモデルテストを行い、HPDと我々のパートナーチームにフィードバックを求めた。デザインは、テストと評価のプロセスを通じて改良を続け、アキュラの重要なスタイリングキューを維持しながら、パフォーマンス目標を達成する最終段階にたどり着いた」
アキュラによれば、ARX-06のデザインには、プログラムに参加しているドライバーやチームからの意見が反映されているという。たとえばリヤビューミラーは、バーチャルリアリティヘッドセットを使用するドライバーと協議の上、低めに設定された。
HPD社長兼テクニカルディレクターのデイブ・ソルターズは、このクルマの開発プロセスについて次のように語った。
「我々はルールブックとチャレンジ精神、そしてオープンなマインドとともに、開発をスタートした」
「そして、HPDが持つ車両性能、パワートレイン・シミュレーション、開発ツールをすべて活用し、重量、パワー、パッケージング、重心などの性能に関わる重要な領域に取り組んできた」
「我々はHPDだ。我々はレースを行い、レースを通じてエンジニアと技術を開発している。私たちは、過去にも現在にも、素晴らしい独自のレースレガシーを持っている。それがアキュラの、そしてホンダの、北米におけるレーシング・オーガニゼーションとしての我々の仕事だ」
「IMSAの最高峰であるGTP選手権で、ポルシェ、BMW、GMと競い合うことを楽しみにしている。これは我々にとって大きなステップという認識だ。学ぶべきことはたくさんあるが、それがレースというものだ」