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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2022.09.24 20:22

GTWCアジアは「スーパーGTより疲れる」と藤波清斗。タイトル決めたカーガイ木村武史は「でき過ぎです」

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ル・マン/WEC | GTWCアジアは「スーパーGTより疲れる」と藤波清斗。タイトル決めたカーガイ木村武史は「でき過ぎです」

 一方、総合で2位、GT3プロ/アマクラスでは優勝を飾ったカーガイ・レーシングの木村武史とコッツォリーノは、レース後に満足げな表情を浮かべていた。今回の結果により、ふたりはジャパンカップのタイトル(オーバーオール、プロ/アマ)を決めている。

 4番グリッドからレースをスタートした木村は、スタート直後の1コーナーで2台のマシンに左右から挟まれて行き場を失い、1ポジションダウンを喫した。タイトル決定戦ということもあり「予定どおり、安全運転でいった」と木村は言う。

「その後のペース的には(前に出たトリプルエイトJMR99号車メルセデスのH.H.プリンス・アブドゥル・ラーマン・)イブラヒムより良かった。でも、クリーンなバトルができたと思います。彼のライン取りとかを見ていても、まだ(岡山に慣れていないので)本来のライン取りで走れていなかった。だからいい勝負になっているだけ、ですね。ダブルヘアピンなんか、走り方が全然違いましたから」

 ウインドウが開けばすぐにピットに入る予定だったというカーガイは、SC明け直後の混雑する状況でのピット作業となったが、幸いピットボックス前後にも余裕がある状況だったため、前戦結果による+5秒のハンデを消化してもメルセデス勢の前に出ることができたという。

 カーガイ陣営では、タイトルを争う99号車メルセデス勢に対して、「もし、ピットに入る時点で99号車の方が前にいたら、ニュータイヤで勝負をかけよう」と事前に打ち合わせしていたという。ニュータイヤはセット数が制限されているため、ここで投入すれば翌日の決勝は予選で使用した中古タイヤを使わなければならない。だが、カーガイ陣営は勝負に出たのだ。

 結果的にはピット作業後に99号車を逆転できたが、コッツォリーノは1分29秒台というすさまじいファステストを出しながら、首位のヨギボーとのギャップを詰めていった。総合優勝はならなかったものの、こちらもベストなレースを戦えたと言っていいだろう。

GTWCアジア第9戦岡山 でジャパンカップのGT3オーバーオール、プロ/アマタイトルを決めたカーガイ・レーシング
GTWCアジア第9戦岡山 でジャパンカップのGT3オーバーオール、プロ/アマタイトルを決めたカーガイ・レーシング

 これでカーガイのふたりは、ジャパンカップのタイトルを決めた。「嬉しいですね、日本のプロ/アマの中で一番が獲れたので」とコッツォリーノは表情を緩める。

 日曜の最終戦では、オーバーオールのタイトルを99号車陣営と争うことになるが、木村は「これで充分な気はします。アジアいち(を獲ること)は、でき過ぎですよ。やっぱり、彼ら(99号車)はハンデを背負っているので」と言う。

 木村の言う“ハンデ”とは、99号車陣営にとっては初めてのサーキットを転戦しているということ。加えて、本来シリーズ最終戦として予定されていたインドネシア・マンダリカでのレースがキャンセルされたことを指している。

 ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに参戦している木村は、“アウェイ”の環境で戦う厳しさを身をもって味わっているからこそ、ライバルが日本のサーキットで奮闘する姿を讃えているのだ。

「私らは慣れているコース。彼らは初めてのコースなのに、予選から速い。私もいま、(コロナ禍という)大変な状況で海外のレースに参戦していますので、彼らがこちらに来てくれるのはすごく嬉しいんです」

 土曜のレースでのバトルを「クリーンだった」と振り返る木村は、日曜もクリーンなレースに期待をかけている。互いをリスペクトしながら戦う“最後の”タイトル争いは、明日の第10戦で決着のときを迎える。

GT3プロ/アマクラス 暫定表彰式
GT3プロ/アマクラス 暫定表彰式


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