IMSAのジョン・ドゥーナン代表は、2023年6月9日にフランス、ル・マンで発表されたアルピーヌのLMDhマシン『アルピーヌA424_β』は、ホモロゲーションの取得後、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦することが可能であると述べた。
ル・マン24時間レースの決勝前日に初公開されたオレカシャシーベースのアルピーヌA424“プロトタイプ”は、ル・マン24時間の主催者であるACOフランス西部自動車クラブと北米スポーツカーシリーズを運営するIMSAが共同で定めたLMDhの参加資格基準を満たしている。この基準では、「年間2500台以上を生産する公認自動車メーカー」の車両でなければならないとされている。
最近の販売報告書によると、このフランスのスポーツカーメーカーは2022年に3546台を生産した。
「規則は明確だ。彼らはすでに充分な数のロードカーを生産している」とドゥーナンはSportscar365に語った。
「それはふさわしいものになっている。マーケティングの観点から言えば、それはメーカーが決めることだが、彼らは(IMSA GTPクラスへの参加基準を)クリアしている」
「彼らがIMSAと商業契約を結ぶ必要があることは明らかだが、誰もがそれを満たさなければならない」
ドゥーナンは、LMDhメーカーが北米マーケットで自動車を販売する要件はないと明言した。しかし、複数の自動車関連報道によると、アルピーヌは2027年までにEV専用ブランドとしてアメリカでの発売を計画しているという。
仮に計画が進むとすれば、アルピーヌによるウェザーテック・スポーツカー選手権への参戦は、北米地域における同ブランドの存在感を高める一助となるだろう。
「いつものことだが、発表するのはメーカー自身だ。しかし、もし彼らの計画に合うのであれば、(シリーズとしては)追加のOEMがあれば良いと思う」と続けたドゥーナン。
「(A424_βは)オレカのベースラインを背骨に持つ格好いいクルマだ」
「彼らはすでにレース以外でも、アメリカでの小売店設立に関心があることを公言している。すべての惑星が並ぶように物事がうまく進み、彼らが私たちのシリーズに加わるのであれば、それは素晴らしいことだ」
既報のとおり、アルピーヌは2024年からWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに2台体制でファクトリー参戦するが、同社のローラン・ロッシCEOは以前、カスタマーカー販売の目標を明言し、とくにウェザーテック選手権の可能性について言及していた。
「我々はカスタマーを持つという野心を持っている」とロッシは最初のプログラム発表の際に語った。
「チームが望めば、IMSAでアルピーヌを走らせることに何の問題もない。早い時期にカスタマーを持てば、それだけ早くプログラムを収益性を高めることができる」