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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2023.09.10 17:22
更新日: 2023.09.11 01:11

【追記あり】木村武史&宮田莉朋組フェラーリが初めて尽くしの3位表彰台を獲得【WEC富士LMGTEアマレポート】

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ル・マン/WEC | 【追記あり】木村武史&宮田莉朋組フェラーリが初めて尽くしの3位表彰台を獲得【WEC富士LMGTEアマレポート】

 2番手を走る54号車フェラーリに33号車コルベットが追い付き、ダンロップコーナーでバトルとなるが、2台は横並びで押し合うように接触し、54号車が挙動を乱してオーバーラン。この接触により、33号車には30秒のピットストップペナルティが課された。接触により順位を落としてしまった54号車は69周目にピットに向かい、ふたたびフローにマシンを預ける。その結果、2番手には33号車コルベットが浮上することに。

 首位を走るDステーションの星野は70周目前後でペースが大きく落ち、そこに33号車コルベットが急接近してくる。1秒以内への接近を許すも、なんとかポジション防衛に成功した星野は72周目にピットインを行い4番手でコースに戻る。

 木村、宮田莉朋の57号車フェラーリは、スコット・ハファカーのスティント中にアドバンコーナーで後続の60号車ポルシェ(アイアン・リンクス)と接触してしまうアクシデントが発生。その後2台は無事に走行を再開したが、大きくタイム失ってしまった。

 また、星野の777号車アストンマーティンは、ペースで勝る後続の98号車アストンマーティン(ノースウエストAMR)のダニエル・マンチネッリ、さらに54号車フェラーリのフローに接近を許し、この2台にオーバーテイクを許し5番手に後退してしまう。

 85周目には、ハードタイヤスタートで各スティントを伸ばしていた33号車コルベットがピットイン。ニコラス・バローネへとドライバーを交代しコースへ。しかし、33号車コルベットはコースへと戻ってすぐに再度ピットインを行い、接触によって科せられた30秒のピットストップペナルティーを消化することに。結局33号車コルベットは11番手でコースに戻った。

 この時点で首位を走るのは、85号車ポルシェのミシェル・ガッティン。2番手の98号車アストンマーティンのマンチネッリに対し20秒以上のリードを築きながら周回を重ねている。ペナルティにより大きく順位を下げてしまった33号車コルベットは、ハイペースで周回を重ね、さらに前を行くライバルたちがピットへ向かうなかでひとつずつ順位を上げ、見た目上の2番手までポジションアップに成功する。

 85号車は101周目にピットへ向かい、ラヘル・フレイにドライバー交代。トップを維持したままコースへと復帰した。以降は大きなアクシデントや順位変動もなく、レースは3時間の折り返しを迎える。

■急きょ参戦の宮田莉朋がWEC決勝デビュー

 127周目、5番手のハファカーがドライブする57号車フェラーリが好ペースで追い上げを見せ、前を走る77号車ポルシェ911 RSR-19(デンプシー・プロトン・レーシング)と98号車アストンマーティンをオーバーテイク。表彰台圏内へとポジションアップを果たした。

 翌128周目には2番手を走る33号車コルベットが、7周後の135周目には首位の85号車ポルシェがピットインへ向かい、両車ともにルーティン作業ののち順位をキープしてコースに復帰した。ケッセル・レーシングの57号車フェラーリは136周目にピットへと戻り、宮田莉朋へとドライバーを交代し8番手でコースに戻る。

 147周目、ペースに伸び悩む様子の首位85号車に2番手33号車コルベットと3番手を走っていた77号車ポルシェが続々と接近。3台は三つ巴の状況となり、TGRコーナーのインに飛び込んだ33号車コルベットがトップを奪い返すことに成功した。57号車フェラーリに乗り込んだ宮田も159周目に85号車の背後に迫ると、各コーナーでサイド・バイ・サイドのバトルを繰り広げながら、160周目のTGRコーナーでオーバーテイクに成功し3番手に浮上する。

 ここでトップの33号車コルベットに、86号車ポルシェ911 RSR-19(GRレーシング)を押し出したとしてピットストップ時に10秒静止のペナルティが課せられることに。171周目には、ペナルティを科された33号車コルベットがピットイン。それに合わせて2番手の54号車、さらに57号車フェラーリも続いてピットインを選択し、2台はペナルティを消化したコルベットの前でコースに復帰する。

 トップに立った54号車フェラーリをドライブするのは、プラチナドライバーのダビデ・リゴン。追いかける宮田は3番手でコースに復帰し、ピットタイミングの異なる86号車ポルシェの後ろでラストスティントを開始した。前の86号車ポルシェをすぐにも抜いて、首位を走るリゴンを追いたい宮田だが、ストレートが速いポルシェ攻略は容易ではなく、1度はオーバーテイクしたものの抜き返されてしまう。183周目、86号車ポルシェがピットに入ったことでようやく宮田の57号車フェラーリは2番手に浮上した。

 このタイミングで54号車リゴンと57号車宮田の差は10秒となり、その差はじわじわと広がっていく展開に。残り20分のタイミングでコースに大きなデブリが出たためにフルコースイエロー(FCY)が導入されるも、大勢に影響はないまますぐにレースは再開され、最終的に54号車フェラーリが後続に19秒のリードを築いてトップチェッカー。後方11番手からのスタートとなったAFコルセは28周目にいち早くピットインし、自らの走行ペースを作り上げる作戦を成功させての大逆転優勝を飾った。

 2位にはケッセルレーシングの54号車フェラーリが入り、WEC初参戦の宮田はデビュー戦での表彰台獲得となった。3位には2度のペナルティでタイムを失いながらも好ペースを維持し追い上げた33号車コルベットが続いた。

 藤井、星野の777号車アストンマーティンはクラス10位、小泉とケイ・コッツォリーノが乗り込んだ21号車フェラーリは同12位でレースを終えている。

【追記】FIAによって21時53分に発表された正式結果では、宮田のドライブしていた16時38分に導入されたFCYの際、決められた時間内に時速80km以下まで速度を落としていなかったとして、レース結果に10秒加算のペナルティが課されることとなった。これにより、レース結果は3位へ降格となった。

※ハイパーカー&LMP2レポートはこちら

LMGTEアマクラスを制したAFコルセの54号車フェラーリ488 GTE Evo
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2位に繰り上げてとなったコルベット・レーシングの33号車シボレー・コルベットC8.R
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