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投稿日: 2024.03.09 23:13
更新日: 2024.03.09 23:14

VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING 2024スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿 予選レポート

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スーパーフォーミュラ | VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING 2024スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿 予選レポート

SUPER FORMULA 2024

VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING
RACE REPORT

Round.01 SUZUKA

第1戦 鈴鹿サーキット
2024年3月9日(土)
予選
天候:晴れ 路面:ドライ

#38 阪口晴南
予選:ポールポジション
#39 大湯都史樹
予選:18番手

 いよいよ3月9日(土)、三重県の鈴鹿サーキットで2024年の全日本スーパーフォーミュラ選手権の開幕を迎えた。今季、チームは新たなパートナーが加わりVERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGという新たな名称で臨むほか、新加入ドライバーとしてこれまでライバルとして戦ってきた大湯都史樹、さらに新たなエンジニアがチームに加わり、阪口晴南とともにフレッシュな体制でシーズンに挑む。

 今季は例年よりも1カ月近く早い開幕だったが、チームは2月21~22日に鈴鹿で行われた合同テストで準備を進め、開幕戦に臨むことになった。

PRACTICE フリー走行
3月9日(土) 10:10~11:40 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分37秒232/#39 大湯都史樹 1分37秒904

 3月9日(土)の鈴鹿サーキットは、朝から晴天に恵まれた。ただ、かなり風が強いコンディションで、5分遅れの10時10分からスタートしたフリー走行は、気温9度/路面温度16度と厳しい冷え込みのなかでスタートした。

 阪口晴南、そして大湯都史樹ともセッション開始後しばらく経ってからコースイン。3~4周のショートランを繰り返しながら、公式予選に向けたセットアップを続けていった。

「2月の合同テストでは良くなっている印象があり、手ごたえを感じていたのですが、フリー走行では風も強くて走りづらいところもあり、印象が変わっていました」という阪口だったが、チェッカー間際にアタックシミュレーションを行うも、1分37秒232というベストタイムで結果は11番手。トップとは0.817秒の差があった。

「ライバルにも速さがありましたし、テストでの印象の方が良かったので、予選までに合わせ込むことができればと思っています」と阪口は午前のフリー走行を振り返った。

 一方の大湯は、これまで切れ味鋭いスピードをみせてきたドライバーだが、今季移籍してきたこともあり、「まだ大湯のドライビングが求めるクルマとセットアップに開きがある(立川祐路監督)」とチームとセットアップの最適解を求めている状況だった。大湯自身も「合同テストの感触は正直良くなかったこともあり、開幕戦までの短いスパンのなかで方向性を探っていきました」という状況で、フリー走行でもまだ大湯が求めるものとは異なっていた。チームと大湯はセットアップ変更を進めていったものの、最後のアタックシミュレーションで記録されたタイムは1分37秒904というもの。16番手と苦しいフリー走行となった。

 阪口と大湯は午後の予選に向け、フリー走行で得られたヒントをもとにさらにセットアップを進めていった。

QUALIFY 公式予選
3月9日(土) 15:05~15:50 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分35秒789/#39 大湯都史樹 1分36秒938

 午前のフリー走行開始時から強い風に悩まされていた鈴鹿サーキットは、その後もサポートレース開催時には雨が降り出すなど不安定な天候が続いており、二輪JSB1000の予選は悪天候のためキャンセルになるなど影響が出ていた。ただ幸い、15時05分から行われた公式予選Q1は風は強いままだったものの、ふたたび晴れ間が広がった。

 まず予選Q1のA組に出走したのは大湯。フリー走行ではいまひとつ良いセットアップが見出せずにいた状況だったが、予選に向けて大幅に施したセット変更が大湯が望む方向に変化していった。「ここで光が少し見えました」という大湯だったものの、やはり煮詰められたセットではなく、アタックの結果記録されたタイムは1分36秒938。9番手とQ2進出には届かない予選となってしまった。

 一方、B組から出走した阪口も予選に向けてセットアップの修正を行っていたが、これが良い方向に転じる。強風、冷え込みという状況のなかではあったが、強力なグリップを感じた阪口はアタック一閃。1分36秒404というタイムを記録し、3番手でQ2進出を果たしてみせた。ライバル勢も速い状況ではあったが、充分に予選上位も狙えそうな手ごたえを得ていた。

 Q1のB組が終わり、15時時40分から行われたQ2を前に、コクピットに座っていた阪口はチームと無線でコミュニケーションをとった。Q2に向けてセットアップ変更が必要かどうかの確認を行っていったが、Q1でも充分なスピードを感じていた阪口は、無線で「このままで良いと思います」と答えた。

 しかし、立川監督は「このままでポールポジションを獲れるのか?」と阪口に返した。攻めた姿勢を貫かなければ、好結果は得られない。阪口も立川監督の意見に同意し、エンジニアたちはさらなるスピードを求め、セットアップの修正を行っていくと、これがQ2での好結果に繋がっていった。

 コースインした阪口は4周目、抜群のアタックを決めると1分35秒789というタイムを叩き出す。その阪口のタイムが記録された直後、続々とライバルたちもアタックを終えていくが、阪口のタイムは更新されない。最後のアタッカーがタイムを記録したが、モニターの最上位に阪口のタイムが残り続けた。攻めの姿勢が、ポールポジション獲得に繋がったのだ。

 午前の感触がそれほど良くなかったことから、阪口本人も驚いた自身初めてのポール獲得。VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGにとっても、2023年第4戦オートポリス以来のポールポジションとなった。

 開幕戦の予選日を好結果で終えることになったチームは、迎える3月10日(日)の決勝レースで、さらなる成果に繋げるべくチーム一丸となって臨んでいく。

COMMENTS
ドライバー/監督コメント
38 阪口晴南 SENA SAKAGUCHI

「正直に言ってしまうと、僕も少し驚いたポールポジションでした。フリー走行では風も強く、雰囲気があまり良くなかったのですが、公式予選Q1ではものすごくフィーリングが良くなっていて、良いタイム、そして手ごたえを感じることができていました。そこで僕としては充分かと思っていましたが、チームがまだ上がり代があると判断してくれて、そこでもう一度トライしたのがこの結果に繋がったので、チームには感謝しています。今回、予選でこれほどのパフォーマンスを発揮できたのは間違いなく決勝でも活きると思っていますし、その点では自信をもって走りたいです。また上位の選手と戦うことで発見もあると思うので、気負わずにレースを戦いたいですね」

39 大湯都史樹 TOSHIKI OYU
「合同テストから正直、あまり良い感触を得られていなかったので、そこからどう改善するかを短い期間で考えてきましたが、フリー走行では残念ながら思っていたクルマにはなっていませんでした。ただ、午後の公式予選に向けて変更したことで光が見えたと思っています。今後に繋がる手ごたえを感じられた気がしていますね。ただ、その手ごたえは予選に対してであって、決勝はまた模索していかなければなりません。最低限予選でもある程度のタイムを出さなければならないと思いますし、まだその段階に至っていないのが苦しいところです。とはいえ、明日にはもう決勝レースですし、阪口選手との違いなども認識しながら、しっかり対策を考えていきたいと思います」

立川祐路監督 YUJI TACHIKAWA
「昨年、阪口選手は苦労してきましたが、彼のパフォーマンスはこんなものではないと思っていましたし、今季チームとしてエンジニアリングを強化したので、その成果が早くも出たのではないかと思っています。手ごたえ自体はテストからありましたが、今日はそれを上回るポールポジションという結果なので、ドライバーとエンジニアの頑張りを褒めたいですね。大湯選手はまだ苦労していますが、昨年まで彼が乗っていたクルマとはキャラクターも違うようなので、彼の本来の速さを引き出すためにじっくりやっていきたいです。今季、チームとしては優勝を必ず成し遂げる目標がありますが、そのチャンスがさっそくやってきたので、頑張っていきたいと思っています」


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